甘酒にはどんな栄養が含まれている?酵素とビタミンの宝庫
最近、健康や美容にいいと話題になっているのが「甘酒」です。
甘酒は、日本では昔から親しまれてきた飲み物ですね。そして、“飲む点滴”と言われるほど栄養効果が高い飲み物です。
今回は、甘酒にはどんな栄養が含まれているのか?詳しく見てみましょう。
目次
甘酒にはどんな栄養が?
- 酒かすで作る甘酒
- 米こうじで作る甘酒
麹(こうじ)から作られる甘酒は、麹菌の働きで様々な酵素を分泌します。そのため、アミノ酸やビタミンが豊富に含まれています。
甘酒は酵素とビタミンの宝庫!
甘酒の材料となる麹(こうじ)は、米に麹菌という白カビの一種を繁殖させたものです。
麹菌は繁殖するときに、100種類以上もの酵素を分泌します。そして、私たちの身体に有用な働きをする重要な酵素、「アミラーゼ」と「プロテアーゼ」が生まれます。
これらの酵素は分解能力が高いのが特徴です。甘みの元となるブドウ糖やオリゴ糖、うまみの元となるアミノ酸やビタミンが作られます。
- デンプン分解酵素「アミラーゼ」
米のデンプンをブドウ糖やオリゴ糖に分解する
⇒甘みが出る - タンパク質分解酵素「プロテアーゼ」
米のタンパク質をアミノ酸に分解する
⇒うまみが出て、ビタミン類が作られる
- 麹菌(100種類以上の酵素)
- ビタミン類
- 必須アミノ酸全9種類
- コウジ酸+α オリゴ糖
- 水溶性&不水溶性食物繊維
- レジスタントプロテイン
- エルゴチオネイン(抗酸化物質)
甘酒はビタミンB群が豊富
甘酒には、ビタミンB1・B2・B3、ナイアシン、葉酸などのビタミンB群が豊富に含まれます。
ビタミンB群は、酵素の働きを助ける補酵素の役目があります。また、代謝を活性化させる働きがあるため、疲労回復効果が期待できます。更に、神経の働きを改善する作用もあります。
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- ビタミンB3
- ナイアシン
- 葉酸
現代の食生活では、このビタミンB群が不足しがちになっています。そのため、甘酒は豊富なビタミンB群を摂取するためにも効果的です。
オリゴ糖、食物繊維で腸内環境が整う
腸内環境は、健康と深い関係があることはよく知られていますね。
善玉菌や悪玉菌などの腸内細菌のバランスは、常に変化しています。そして、腸内環境を良くするには、食物繊維やオリゴ糖を含む食材を摂取して、善玉菌を増やすことが大切です。
甘酒には、食物繊維や食物繊維と同じ働きをするレジスタントプロテインが含まれています。また、善玉菌のエサとなる植物性乳酸菌や、オリゴ糖も豊富に含まれます。
そのため、腸内の善玉菌を増やして、腸内環境を整える効果があります。
- 食物繊維
- レジスタントプロテイン
- 食物性乳酸菌
- オリゴ糖
アミノ酸、ミネラルが豊富
筋肉や血管の細胞を構成しているのが、20種類ものアミノ酸です。そのうち、食品から摂る必要のある9種類を必須アミノ酸と言います。
甘酒には、この必須アミノ酸が全て含まれています。
- 食品から摂る必要のある「必須アミノ酸9種類」をすべて含む。
甘酒には、これらのミネラルもまんべんなく豊富に含まれています。
- ナトリウム
- カリウム
- カルシウム
- マグネシウム
- リン
- 鉄
- 亜鉛
- 銅
- マンガン
甘酒は点滴と同じ成分?!
このように、甘酒には酵素の働きによって生み出された栄養成分が豊富に含まれています。
甘酒が“飲む点滴”と言われるのは、ブドウ糖やビタミンB群、アミノ酸などの栄養成分の内容が、ほとんど点滴と同じためです。
しかも、酵素によって吸収しやい状態に分解されているため、消化もよく身体への吸収が速やかです。そのため、栄養補給として速効性も期待できます。
- 栄養バランスが良く内容がほとんど点滴と同じ
- 消化が良く、身体への吸収が早い
- 夏バテや疲労回復に速攻力がある
参考書籍:「酵素いきいき生甘酒」「食べる甘酒のすべてがわかる本」
甘酒の効果的な飲み方
効果が期待できるのが「生甘酒」
甘酒の豊富な栄養成分を摂取するには、加熱処理されていないことが条件となります。
それは、麹菌の酵素が活性化する温度が60℃前後だからです。
高温で加熱処理されると、麹菌の酵素は活動を停止し、有用な微生物も死滅します。そのため、せっかくのビタミンも壊れてしまいます。
- 熱でビタミンが変成し、有用菌の微生物も死滅して、酵素の効果も期待できない。
そのため、甘酒の効果を期待するには、加熱処理されていない「生の甘酒」がおすすめです。
生甘酒は、米麹とお湯で60℃で保温することで簡単に作ることができます。
こちらの記事では、「生甘酒の作り方」も紹介していますので、参考にして下さい。
甘酒を飲むタイミング
朝はブドウ糖が不足しているため、頭がボーッとするのはこのためです。
甘酒を朝飲むことで、脳のエネルギー源となって、目覚めがシャキッとします。
また、食後に甘酒を飲むことで、消化を助けてくれる働きがあります。
- 朝飲むと、ブドウ糖が脳のエネルギー源となり、シャキッと目覚める
- 飲酒前に飲むことで、悪酔い防止に。
- 食後に飲むと、消化を助ける働きがある。
甘酒は作り方によっては糖度も変わるため、目安となる量は異なります。
飲み過ぎてお腹がゆるくなる場合や、逆に便秘を起こすこともあるかもしれません。様子を見ながら、自分に合った量を調整して飲むのがいいでしょう。
こちらの記事では、血圧を下げるための甘酒の飲み方を紹介しています。高血圧予防の参考にご覧下さい。
甘酒の豊富な酵素やビタミンによって、疲労回復や美容効果も期待できます。
是非、毎日の健康習慣として摂り入れてみてはいかがでしょう?