薬を飲んでも下がらない血圧、治療抵抗性高血圧かも?
高血圧の治療では、血圧を下げるための降圧薬を処方されます。
薬を飲めば、誰でも血圧が下がるものだと思われますが、そうでない場合もあります。
もし、薬を飲んでいても血圧が下がらないという場合、それは「治療抵抗性高血圧」かもしれません。
薬でも血圧が下がらない、「治療抵抗性高血圧」とは?
治療抵抗性高血圧とは、降圧薬を数種類服用しても、血圧が目標値まで下がらない場合の高血圧です。
その原因としては、いくつかの要因が考えられます。肥満や過度の飲酒、睡眠時無呼吸症候群、塩分の過剰摂取、過度のストレスや薬の副作用などがそうです。
もしこれらの要因がある場合には、それを改善することが先決となります。
- 肥満
- 過度の飲酒や喫煙
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)
- 塩分の過剰摂取
- 過度のストレス
- 他の薬の副作用
- 白衣高血圧
また、他の薬を併用している場合、薬によっては血圧を上げる作用のものもあります。
降圧薬を処方される場合には、必ずお薬手帳などを見せて、薬の副作用がないかを確認するようにしましょう。
他の薬の影響などについては、こちらの記事をご参考下さい。
降圧薬が効かない「二次性高血圧症」とは?
高血圧には2種類あります。一般的に高血圧症と診断される約9割の人は、原因が特定できない「本態性高血圧症」になります。
残りの1割の人は、血圧を上げている原因が特定できる「二次性高血圧症」です。
二次性高血圧症の場合には、別の病気や薬の副作用が原因で高血圧となっています。そのため、原因となる病気の治療や、高血圧につながる薬の服用を中止することで、高血圧の症状が改善されていくのです。
二次性高血圧症となる主な病気には、腎障害から起こるものが最も多く、その次が内分泌性の病気となります。
また、近年では他の病気で服用している、薬の副作用によって高血圧を起こしているケースも多いのです。
二次性高血圧症の原因
腎性高血圧症 | 腎炎、腎盂腎炎(じんうじんえん)、膠原病腎炎、妊娠腎、通風腎、腎結石、糖尿病腎症など |
内分泌性高血圧症 | 原発性アルドステロン症、クッシング症候群、甲状腺機能亢進症など |
血管異常による高血圧症 | 大動脈縮窄症、腎血管性高血圧症、高安病など |
脳・神経系による高血圧症 | 脳腫瘍、脳外傷、脳脊髄膜炎後など |
薬物性高血圧症 | グリチルリチン酸、消炎鎮痛薬、エストロゲン製剤、ステロイドホルモン、漢方薬の甘草など |
降圧薬の効果が現れないということは、それに抵抗している何らかの原因が他にあるということです。
治療抵抗性高血圧の要因がある場合には、それらの要因を改善することから始めなければいけません。
また、二次性高血圧症の場合は、血圧を上げる原因となっている病気の治療が先決となります。
高血圧を改善するためにも、薬に抵抗している原因をしっかりと探ることが大切です。