動脈硬化を改善 – 血管を若返らせる「長寿ホルモン」とは?

同じ年齢でも、健康状態は人によって様々です。いつまでも若々しく健康でありたいと思うのは、誰もが願うことです。

近年では、いくつになっても健康で元気な高齢の方が、メディアや書籍で紹介される機会が増えてきました。そこで、なぜ同じ年齢を重ねている人でも、若さに違いがあるのか疑問を感じたことはありませんか?

人の体には「長寿ホルモン」と呼ばれる成分があります。実は、これが若さの秘訣を握るカギになっているのです。

「長寿ホルモン」が血管の老化を防ぐ?!

若い女性

人の体には、「長寿ホルモン」と呼ばれる成分が存在しています。これは「アディポネクチン」という善玉ホルモンで、生活習慣病のリスクを改善したり、血管の老化を防ぐ働きがあります。

このアディポネクチンは、日本で発見され、生活習慣予防などに様々な効果があるとして、今世界で注目されている長寿ホルモンなのです。

アディポネクチン

アディポネクチンは、脂肪細胞から分泌される分泌蛋白である。
作用としては、インスリン受容体を介さない糖取り込み促進作用、脂肪酸の燃焼、細胞内の脂肪酸を減少してインスリン受容体の感受性を上げる作用、肝臓のAMPキナーゼを活性化させることによるインスリン感受性の亢進、動脈硬化抑制、抗炎症、心筋肥大抑制など、多彩である。

出展:Wikipedia「アディポネクチン」

この長寿ホルモン「アディポネクチン」が正常に分泌されていると、インスリンの働きをよくして血糖値を下げ、糖尿病を予防する働きがあります。

また、血管を修復する作用があるため、動脈硬化の改善や、心筋梗塞、脳卒中を防ぐ働きもあるのです。
他にも、血管を拡張させて、血圧を下げたり、脂肪の代謝を促進したりと、生活習慣病を予防する様々な効果があります。

長寿ホルモン「アディポネクチン」の働き

  • 血糖値を下げて糖尿病を予防する。
  • 血管を修復して動脈硬化の改善する。
  • 血圧を下げて心筋梗塞や脳卒中の予防する。
  • 脂肪の代謝を促進してメタボリックを改善する。

長寿ホルモン「アディポネクチン」を増やすには?

では、この長寿ホルモン「アディポネクチン」を増やすためには、どうしたらいいのでしょうか?

アディポネクチンが分泌される場所は、脂肪細胞です。ただし、分子構造が複雑な為、人口的につくるのは難しいとされています。そのため、このアディポネクチンの分泌を増やすためには、食事から補うしかないということになります。

そこで、アディポネクチンの分泌量を増やすとされる食べ物をご紹介します。

アディポネクチンの分泌量を増やす食べ物

  • コーヒー
  • 杜仲茶
  • 納豆などの大豆製品
  • EPA (エイコサペンタエン酸)を含む青魚
  • 野菜、海藻類などの食物繊維

コーヒーの摂取量が多い人は、アディポネクチンの分泌量が多いことが研究で明らかになっています。
また、杜仲茶(とちゅうちゃ)にもアディポネクチンの分泌量を増やす作用があることが、三重大学と小林製薬との共同研究で明らかとされました。

コーヒー

コーヒーや杜仲茶にも、血糖値や血圧を抑える成分が含まれていた。

食べ物の中でも効果が高いとされているのが、大豆とEPA(エイコサペンタエン酸)を含む、サバやサンマなどの青魚です。
また、納豆などの大豆製品に含まれているβコングリシニンが、アディポネクチンの分泌量を増やすとされています。

青魚に含まれるEPA (エイコサペンタエン酸)は、熱を加えると減ってしまうのため、新鮮な生のお刺身などで食べるのが最も効果的になります。
このような食べ物を普段の食生活に摂り入れることで、長寿ホルモンであるアディポネクチンの正常な分泌を促すことに繋がるのです。

長寿ホルモンの分泌を減らす生活習慣とは?

長寿ホルモン「アディポネクチン」は、脂肪細胞で分泌されていますが、内蔵脂肪が増えると分泌量が減ることがわかっています。
この他にもアディポネクチンの分泌を減らす生活習慣があります。それは、食べ過ぎや運動不足です。

長寿ホルモン「アディポネクチン」を減らす習慣

内蔵脂肪が増えると、分泌量が減る

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食べ過ぎ・運動不足は内蔵脂肪を増やす!

食べ過ぎや運動不足は内臓脂肪の蓄積につながります。そうなると、アディポネクチンの分泌が阻害されて、正常に分泌されなくなり、アディポネクチンが減ってしまうことになります。

内臓脂肪とは?

  • 筋肉の内側、内臓の隙間についた脂肪
  • 不規則な生活やバランスの悪い食生活などによって増える
  • 内臓脂肪はつきやすく落ちにくい
  • おへそ周りのお腹が膨らんで「たぬきっぱら」「ビールっぱら」と言われる内臓脂肪型肥満
  • 女性より男性に多い

長寿ホルモン「アディポネクチン」を増やすためには、食事から補うことも大切ですが、それよりも正常な分泌を促すようにすることが重要です。
そのためにあなたが意識しないといけないことは、“内臓脂肪を減らす”ことです。

アディポネクチンは内臓脂肪が多いと分泌量が減ってしまいます。つまり、内臓脂肪が多いメタボ体質の人は、長寿ホルモンの分泌が少ないということが言えるのです。

内臓脂肪が多いメタボ体質

内臓脂肪が多いメタボ体質の人は、長寿ホルモン「アディポネクチン」の分泌が減ってしまう?!

長寿ホルモン「アディポネクチン」の分泌を判断する方法は?

アディポネクチンが正常に分泌されているかどうかは、内臓脂肪が多いかどうかで判断することができます。内臓脂肪の過多は、ウエストのサイズで大まかな判断ができます

【長寿ホルモン「アディポネクチン」の分泌チェック】

–  以下の数値を超えると内臓脂肪が蓄積しているかも?

  • 男性:ウエスト 85cm以上
  • 女性:ウエスト 90cm以上

※おへその高さの位置で腹囲を計るようにします。

内臓脂肪はメタボの診断ベースとなります。内臓脂肪面積が100平方センチを超えると、高血糖脂質異常高血圧の合併率が高くなることがわかっています。

厚生労働省が、この内臓脂肪面積100平方センチに相当するウエストサイズとして提示している指標が、「男性で85cm以上」「女性で90cm以上」となります。
お腹がぼっこりと出た内臓脂肪型肥満の人、いわゆるメタボ体型の人は、血管病の危険度が高くなると言われています。

お腹に脂肪が付き過ぎると、脂肪細胞からの悪玉物質の分泌量が増えます。そのため、血圧や血糖値が上がりやすくなったり、脂質代謝にも乱れが生じるのです。
こうした状態が引き起こされる背景には、長寿ホルモンであるアディポネクチンの分泌が少ないことが原因と考えられるでしょう。

内臓脂肪を減らして長寿ホルモンを増やす!

長寿ホルモン「アディポネクチン」の分泌を正常に促すためにも、内臓脂肪を減らすことは大切です。では、内臓脂肪を減らすためにはどうしたらいいのでしょうか?

内臓脂肪を減らすためには、食生活の見直し運動が最も効果的です。

運動

内臓脂肪を減らすには、日頃の生活習慣を見直すべき。

食事は、基本的にバランスよく摂ることが大切ですが、特に脂質の多い物を減らすことです。
内臓脂肪は「脂肪」ですので、過剰な油分の摂取が内臓脂肪の蓄積につながります。更に、動物性たんぱく質ではなく、食物性たんぱく質を多く摂るようにすると、余分な脂肪が溜まりません。

また、エネルギー量が増え過ぎることも、内臓脂肪を蓄積させることにつながります。適度な運動や食事の量を制限することで、過剰なエネルギーの蓄積を防ぐことができます。
日頃から、ウォーキングなどの有酸素運動で体を適度に動かすよう心がけることが大切です。

血管を若返らせる食べ物とは?

お酢

血管の老化は誰にでも起こることです。しかし、老化を遅らせることはできます。また、老化した血管をイキイキと若返らせることも可能なのです。
そのためには、適度な運動習慣と合わせて、食生活の見直しが大切になります。

毎日食べる物を見直すことで、傷ついて老化した血管を修復して若返らせることが期待できます。
それには、血管を修復する作用や、血液をサラサラにして血行を促進する効果の高い食べ物を積極的に摂るようにすることです。

特に、毎日の食事に摂り入れたい血管ケア効果の高い食べ物が、「お酢」「しょうが」「玉ねぎ」「にんにく」です。それぞれ、悪玉のLDLコレステロールを減らしたり、血液をサラサラにする成分が豊富に含まれています。そのため、毎日食べ続けることで、老化した血管を若返らせる効果にも大きく期待ができるのです。

毎日食べたい“血管に良い食べ物”については、こちらの記事で詳しく紹介していますので参考にして下さい。

上の記事の中でも紹介している「にんにく」ですが、近年では更に健康に良いと注目されている食べ物として「黒にんにく」があります。

黒にんにくは、生のにんにくを長期間熟成発酵させて作られたものですが、にんにくの有効成分が増加して様々な健康に良い効果が高まると話題になっています。

黒にんにく

「黒にんにく」は、通常の「にんにく」よりも有効成分が豊富に含まれる

中でも特に注目したい効能が「抗酸化作用」です。
活性酸素」は、老化の最も大きな原因とも言えます。そのため、活性酸素の発生を抑える抗酸化力を高めることで、老化を予防することができるのです。

にんにくには元々、有効成分が豊富に含まれているため、高血圧を予防する効果が期待できますが、黒にんにくになるとその効果が13倍に増えることがわかっています。
黒にんにくの優れた効果については、こちらの記事で詳しく説明していますので、参考にして下さい。

毎日の食事を見直すことで、老化した血管もイキイキと若返らせることができます。血管の老化を防ぐことは、動脈硬化を予防することにつながります。
是非、血管ケア効果の高い食べ物を積極的に取り入れて、老化に負けない体づくりを目指してみてはいかがでしょう?

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