動脈硬化は早期発見・治療が重要!致死率の高い病気

動脈硬化は自覚症状がほとんどない為、早期に発見して治療することが重要。
高血圧が長期間続くことで起こる動脈硬化ですが、症状が現れた時には命の危険性も高くなる病気です。
狭心症などの症状が出た時には、動脈硬化はかなり深刻な状態だと言えます。
動脈硬化は自覚症状がほとんどない為、いかに早期に発見して治療するか?ということが重要になります。
目次
「動脈硬化の症状が現れた時」は命の危険!
血管内で動脈硬化が進行していても、本人には何の自覚症状も表れません。動脈硬化は血管の内側が75%まで塞がらないと、狭心症などの症状が出ないと言われています。
実際に、私の父の場合もたまたま健診のレントゲンを撮った時に、動脈瘤らしきものがあるということを医師から告げられました。
動脈瘤は動脈硬化が進行した時にできるコブのようなものです。その時、近いうちに詳しい検査を受けるよう言われたのです。
しかし、その数日後に動脈瘤が破裂し、救急車で運ばれて緊急手術となったのです。
幸いにも、父の場合は動脈瘤が破裂したのが心臓側ではなく、背中側でした。そのため、奇跡的に命は救われたのです。もし、心臓側に破裂していたら、助かってはいなかったでしょう。
私の父のように、腹部大動脈瘤が破裂した場合、致死率は90%、緊急搬送されて手術したとしても救命率は50%なのです。
致死率は90%
手術したとしても救命率は50%
しかも、高齢の方だけではなく、40代や50代のまだまだ働き盛りの人までもが、この病気で亡くなっていることも少なくありません。

動脈硬化が進行して動脈瘤が破裂した場合、致死率は90%になる。
このように、動脈硬化はかなり進行していたとしても、ほとんど自覚症状がない怖い病気です。
実際に、私の父の場合も、動脈瘤が破裂するまで動脈硬化が進行しているにも関わらず、ほとんど症状はなかったのです。
よくよく考えてみると、最近少し疲れやすくなったというくらいでした。それも、加齢によるものだと本人は思っていたくらいです。
動脈硬化は、症状が現れた時には命の危険性が非常に高くなる病気です。高血圧の人は定期的に検査をして、動脈硬化の早期発見を心がける必要があります。
そして、動脈硬化が起こっている場合には、早めに治療することがとても大切になるのです。
動脈硬化は痴呆の原因にもなる?!

脳血管病や脳卒中を引き起こす原因には、動脈硬化が大きく関わっている。
痴呆(認知症・老人性痴呆)は、欧米では原因不明のアルツハイマー病によるものが多いのですが、日本では多発性脳梗塞などの脳血管病が原因として痴呆になるケースが多いのです。
また、「寝たきり」になる原因として一番多いのも、脳卒中の発作後による障害です。
脳卒中の発作が起こると、たとえ「寝たきり」にならないとしても、言語障害や半身不随が残ることがあります。
このように、脳卒中の発作は運よく命が助かったとしても、生活の質をぐんと低くしてしまう可能性が非常に高くなります。
しかも、これは高齢者に限ったことではありません。若くして脳卒中の発作によって大きな障害が残り、要介護の生活を強いられる可能性も少なくないのです。
このような脳血管病や脳卒中を引き起こす原因には、血管の老化で起こる動脈硬化が大きく関わっています。
将来、痴呆症や寝たきりになるのを防ぐためにも、動脈硬化を早期発見して、治療を行うことが大切なのです。
動脈硬化を早期発見するためには?
このように、動脈硬化はより早い段階で発見することが重要となります。では、動脈硬化を早期発見するにはどうしたらいいのでしょう?
動脈硬化は医療機関で行っている簡単な検査で発見することができます。そのため、高血圧や高血糖、高脂血症などの動脈硬化を起こす危険性のある人は、定期的に検査を受けるようにするといいでしょう。
- 肥満
- 高血圧
- 高脂血症
- 糖尿病
- 家族に脳卒中や心筋梗塞になった人がいる
- 喫煙者
上記のような動脈硬化を起こす危険性がある場合には、少なくとも年に1度は病院で動脈硬化の検査を受けことをおすすめします。
動脈硬化を早期発見するための検査とは?

動脈硬化は早期発見するための検査が大切
動脈硬化を発見するための検査には、いくつか種類があります。このような検査は行っている病院も多く、また検査料も比較的安価なので、気軽に受けることができます。
- 心電図検査
心臓の動脈硬化や心肥大の状態を調べる - 眼底検査
目の奥(眼底)の血管の状態を観察して、全身の動脈硬化の程度を調べる - 微量アルブミン尿検査
普通の尿検査ではわかならない、ごく微量のアルブミン(尿に含まれるたんぱく質の一種)を検出する。検出された場合は、動脈硬化の危険性が高い。 - 胸部レントゲン写真
心拡大や動脈の石灰化を調べる - 足関節上腕血圧比(ABI)
両腕と両足首で同時に血圧を測定して、血圧比によって動脈硬化の程度を調べる - 脈波伝播速度検査(PWV)
心臓の拍動が動脈を通じて、手や足に届くまでの速度を測る。(ABIと同時に行うことがよくある)
これらの検査の他に、もっと詳しく状態を知るためには、大病院で行う検査で、心エコー、頚動脈超音波などの超音波検査、CT検査やMRI検査のような画像検査などがあります。
- CT検査
X線撮影によるデータをコンピュータで処理して、輪切り状の画像を出す。症状のない小さな脳梗塞の発見などにも役立つ。 - MRI検査
体の磁気を利用して得たデータをコンピュータで処理して画像を映し出す。CTよりも精度が高く、輪切りだけでなく様々な画像が得られる。 - 超音波検査
頚動脈や心臓に超音波を発信する器具(プローブ)をあてて、跳ね返ってきた音波を捉えて血管壁の厚さを調べる。
動脈硬化を自分で確認するには?
また、病院で検査を受けなくても、おおよその動脈硬化の進行程度であれば、自分で簡単に確認する方法もあります。
自分で動脈硬化を調べる方法
「(総コレステロール-HDLコレステロール)÷HDLコレステロール」
で動脈硬化の程度を出す
「動脈硬化指数」
動脈硬化指数 | 判定 |
3.0以下 | 良好 |
3.0~5.0 | 要注意 |
5.0以上 | 危険 |
このように確認して、動脈硬化の進行具合が高く出た場合は、医療機関での検査を受けることをおすすめします。
また、動脈硬化は血管の老化を改善することで、その進行を予防して改善することもできます。
そのためには、血管に負担をかけて老化を早めてしまうような悪い生活習慣を改善する必要があります。タバコや過度の飲酒、運動不足による肥満、ストレスの蓄積などは血管に大きな負担をかけることになります。
- タバコ
- 過度の飲酒
- 運動不足
- 肥満
- ストレスの蓄積
このような血管を老化させる要因を改善することで、動脈硬化の予防や改善につながるのです。
動脈硬化の改善方法については、こちらの記事で詳しく紹介していますのでご覧下さい。
血管の老化が気になる場合には、先ずは血圧測定や検査によって、自分の血管の健康状態を確認してみましょう。