動脈硬化の進行を確認する方法 – 早期発見が大切!

動脈硬化は、軽いうちはまったく自覚症状がない為、自己診断することができません。自覚症状が出た時には非常に重大な状態になっています。
そのため、早期発見・早期治療が最も重要となります。

では、動脈硬化を早期発見するためにはどうしたらいいのでしょう?

動脈硬化の進行具合を確認するには?

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自覚症状がほとんどない動脈硬化ですが、いくつかの情報から推測することができます。

動脈硬化の様子を知るための検査は、定期健診や人間ドッグなどの検査項目に必ず入っています。
直接・間接的に動脈硬化を調べる検査法として、次のような検査があげられます。

  • 血圧測定
  • 眼底検査
  • 体脂肪検査
  • 血液検査
  • 肝機能検査
  • 血中脂質 検査
  • 骨塩量測定
動脈硬化を直接調べるための検査は、「眼底検査」です。
眼底は人の体の中では唯一、血管の状態を直接目で見ることができる部分です。眼の一番奥にある動脈を見ることで、全身の動脈硬化がはじまっているかを予想することができるのです。

眼底検査

目の奥の視神経や、毛細血管、網膜の状態などを検査する検査方法。主に緑内障などの目の病気や、血管の詰まりをチェックする。
眼底検査の方法としては、診察用のレンズで診察する方法と、眼底カメラと呼ばれる専用の器械で画像を撮影する方法がある。

しかし、これはあくまでも予想であって、実際に体のどの部分にどのような動脈硬化が起こっているかは分かりません。
眼底検査で動脈硬化が疑われ、更に高脂血症、高血圧などの症状がある場合には、動脈硬化の可能性がきわめて高くなります。

加齢による動脈硬化の表れ

動脈硬化の血管

高齢になると血管はだんだん硬くなり、弾力性も低下していきます。弾性線維が膠原線維(こうげんせんい)に置き換わり、血液中のコレステロールがくっつき、血管壁も硬くなっていきます。

血管の弾力性が無くなると、心臓から送り出される血液の圧力をまともに受けてしまい、収縮期の血圧は高くなります。拡張期は弾力性がないために、血液を溜めたり押し込めたりできなくなり、拡張期の血圧が下がります。
このように、高齢者の血圧は年齢と共に収縮期の血圧が上がり、拡張期の血圧が下がるため、血圧値の上下に差が広がっていくのが特徴です。数値の差が大きくなるほど、動脈硬化は進行しているということになります

血圧からわかる動脈硬化の進行

動脈硬化がどれくらい進んでいるのか、血圧の測定値でその程度を予測することができます。

動脈硬化は細い血管から硬化が起こり、太い血管へと進行していきます。そのため、先ずは抹消の細い血管に動脈硬化が進んでいるかを確認します。
細い血管に動脈硬化が進むと、平均血圧が高くなります。細い血管の動脈硬化を確認するには、「平均血圧」の指標を求めます。

平均血圧

  • 拡張期血圧+(収縮期血圧-拡張期血圧)÷3
健康な人の平均血圧の目安は90くらいです。平均血圧が110以上になっていたら、細い血管の動脈硬化がかなり進行していることになります。

血圧は上下で独立したものではなく、ベースとなる平均血圧があります。これを基本に上下の幅が決まってきますので、平均血圧はベースラインになるのです。

血管年齢から動脈硬化の進行を確認する

収縮期血圧から拡張期血圧の差を「脈圧」といいます。脈圧は血管年齢を表すもので、数値が大きくなるほど血管が硬くなっていることになります。
そして、この脈圧は中枢の太い動脈に動脈硬化が進行しているかどうかの指標となります

脈圧

  • 収縮期血圧(上)-拡張期血圧(下)
脈圧のボーダーラインは「60未満」です。
脈圧が65以上あると、心筋梗塞や脳卒中を発症する危険性が増すと言われています。
更に、収縮期血圧が140以上の高血圧になると、動脈硬化が進行していると考えられます。

血圧の数値は低ければいいというものではありません。拡張期の血圧が急に下がり始めるということは、動脈硬化が進行して危険であるという警告でもあります。
脈圧は大きいほど動脈硬化が進んでいることになり、脳梗塞脳出血になりやすい状態であると言えます。また、脈圧が大きいと心臓にも負担がかかるため、心筋梗塞狭心症も起こりやすくなります。そのため、脈圧が大きい人ほど血管病による死亡率が高くなるという報告もあるのです。

血管病年齢を知る検査

血管年齢

動脈硬化は血管の状態を知ることでも分かります。
最近では医療機器の開発と普及によって、血管の詳細な状態を確認することができるようになりました。中でも、血管の老化度を示す指標「血管病年齢」を知る検査は、動脈硬化を確認する上でもとても有効です。

「血管病年齢」を知る検査としては、PWV(脈波伝播速度)検査ABI値FMD(血流依存性血管拡張反応)検査頚動脈(けいどうみゃく)超音波検査があります。

PWV(脈波伝播速度)検査

脈波(心臓から送り出された血液によって生じる拍動)が、手足に伝わる速度を測定して、動脈の硬化度を割り出す。 動脈硬化が進んでいると、脈波が血管の弾力性によって吸収されにくくなるため、伝播速度が速まり、PWV値が高くなる。

ABI値(足首上腕血圧値)検査

足首と上腕の血圧を比較することで、足の動脈の血管の詰まり具合を判定し、閉塞性動脈硬化症の進行程度を割り出す。PWV検査と一緒に測定される場合が多い。

FMD(血流依存性血管拡張反応)検査

内皮細胞が放出するNO(一酸化窒素)量を血管拡張の程度から測定することで、内皮細胞の機能を判定する。血管拡張の程度が少ない場合は、血管を拡張させるよう働くNO量が少ないことを示し、内皮細胞の衰えを表す。

頚動脈(けいどうみゃく)超音波検査

首の動脈の状態を超音波装置で観察して、血管壁の厚さや血管壁の変性(プラークや血栓の有無)などを画像に映し出して測定する。
首の動脈は硬化が起こりやすい部位なので、その状態を把握することで全身の動脈硬化の程度を推定するもの。

これらの検査は、血管の健康度を正確に診断するものです。そして、動脈硬化などから起こる怖い血管病を未然に防ぐためにも有効な検査方法です。

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