動脈硬化の指数を知る検査 – 精密検査で更に詳しく

血管の老化現象である動脈硬化は、脳梗塞や心筋梗塞を発症する大きな要因となります。
そのため、動脈硬化が進行しないよう血管の老化を防ぐことが大切です。

そこで気になるのが、自分の動脈硬化の状態はどれくらいか?ということです。
今回は、動脈硬化の指数を知るための検査と、更に詳しく知るための精密検査についても紹介します。

動脈硬化の指数がわかる検査とは?

動脈硬化
動脈硬化の状態を表すもので、「LH比」があります。
LH比とは、LDLコレステロール値(悪玉)を、HDLコレステロール値(善玉)で割って算出した値で、動脈硬化のリスクを知るのに目安となる指標です。

動脈硬化指数

「LH比(動脈硬化指数)= LDLコレステロール値 ÷ HDLコレステロール値」

LH比は、善玉コレステロールに比べて悪玉コレステロールがどれだけ多いかを示す指標となります。

算出した値が「2.0未満」だと基準値となり、「2.0以上」では動脈硬化が始まっていることになります。
そして、「2.5以上」となると動脈硬化が進行している可能性があるため、心筋梗塞などを発症するリスクが急増すると言われています。

また、定期検診の結果では、コレステロール値に問題がなくても動脈硬化が進行している場合もあります。
LDLコレステロールとHDLコレステロールがいずれの値も基準値内だとしても、LH比が高リスクとなる場合もあるので注意が必要です。

高血圧や高血糖で動脈硬化のリスクが高くなる場合には、健診結果の数値から「動脈硬化指数(LH比)」を計算してみるといいでしょう。もし、「2.0以上」だった場合には、食習慣を中心とした生活習慣を見直して、数値を改善する必要があります。

参考:日経Gooday

動脈硬化を調べる検査

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LH比はあくまでも動脈硬化を知るための指標となるものです。
医療機関で行う検査では、血管の老化具合を調べることで動脈硬化の状態を知ることがきます。

医療機関で行う動脈硬化の検査

「血管年齢」の検査
血管の硬さを年齢で表した指標となるもの。
血管壁の硬さや詰まり具合を測定することで、動脈効果の状態を確認することができる。

動脈硬化の状態を調べる「血管年齢」の検査には、血管の硬さを調べる「CAVI(キャビィ)検査」と、足の動脈の血管の詰まり具合を判定する「ABI値(足首上腕血圧値)検査」があります。

「血管年齢」を測定する検査

  • CAVI(キャビィ)検査」(心臓足首血管指数)
    両腕と両足の脈波と血圧を測定して、血管の硬さを調べる検査。
    動脈硬化が進行していると数値が高くなり、CAVIの値が9.0以上になると血管年齢が高くなっている。
  • ABI値(足首上腕血圧値)検査」(足関節上腕血圧比)
    足首と上腕の血圧を比較することで、足の動脈の血管の詰まり具合を判定し、閉塞性動脈硬化症の進行程度を割り出す。
    ABI値が0.9以下の場合は、症状の有無に関わらず、動脈硬化の進行が疑われる。
これらの「血管年齢検査」は、人間ドックや健康診断のオプション検査として行われます。

動脈硬化を詳しく知る精密検査

この他にも、更に「血管病年齢」を詳しく知るための検査があります。

「血管病年齢」を詳しく知る精密検査

  • PWV(脈波伝播速度)検査
    脈波(心臓から送り出された血液によって生じる拍動)が、手足に伝わる速度を測定して、動脈の硬化度を割り出す。
    動脈硬化が進んでいると血管の弾力性がなくなり、伝播速度が速まりPWV値が高くなる。
    PWV値が13.5以上だと動脈硬化が進行している可能性がある。
  • FMD(血流依存性血管拡張反応)検査
    内皮細胞が放出するNO(一酸化窒素)量を血管拡張の程度から測定して、内皮細胞の機能を判定する。NO量が少ないと、内皮機能の衰えを表す。
  • 頚動脈(けいどうみゃく)エコー検査
    首の動脈の状態を超音波装置で観察して、血管壁の厚さや、プラークや血栓の有無などを画像で判定するもの。全身の動脈硬化の程度を推定できる。

参考書籍:「一生切れない、詰まらない「強い血管」をつくる本」

LH比が高く、動脈硬化のリスクが高い場合には、このような詳しい検査を受けることをおすすめします。
動脈硬化は進行しても自覚症状がほとんど無いため、早目に予防することが大切です。

「血管年齢」の測定については、こちらの記事で詳しく紹介していますので、参考にして下さい。

動脈硬化のリスクが高くなる場合

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高血圧や高血糖、脂質代謝異常の人は、血管への負担が大きくなるため、一般の人よりも動脈硬化のリスクが高まります。

また、喫煙習慣がある人や、家族に狭心症や心筋梗塞など冠動脈疾患の病歴がある場合にも、動脈硬化のリスクは高くなるため、注意が必要です。

動脈硬化のリスクが高くなる人

  • 高血圧
  • 喫煙者
  • 脂質代謝異常
  • 高血糖
  • 糖尿病
  • 遺伝性(家族に冠動脈疾患の病歴がある)
このように動脈硬化のリスクが高くなる場合には、健診結果の数値に問題がなくても、注意して予防するよう心がけることが大切です。
食習慣を中心とした生活習慣を見直すとともに、健診以外でも動脈硬化の有無を調べる検査を受けておくといいでしょう。

定期的に「頸動脈(けいどうみゃく)エコー検査」などの精密検査を受けておくと、早い段階で動脈硬化の進行を防ぐことができるので安心です。

また、既に動脈硬化が進行している場合には、早目に改善することが重要です。
動脈硬化を改善する方法については、こちらの記事に詳しく紹介していますので、参考にして下さい。

動脈硬化は加齢とともに進行する可能性があります。そのため、中高年になったら定期的に血管年齢を検査するなど、早目に予防できるよう心がけることが大切です。

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