酒粕は悪玉コレステロールを減らし、動脈硬化を予防する?!
血管の老化現象である動脈硬化は、進行することで高血圧を引き起こす大きな原因となります。
そのため、動脈硬化を予防することは高血圧の予防や改善にもつながるのです。
そこで今回は、日本で昔から食べられてきた発酵食品「酒粕」に秘められた、動脈硬化予防の効果をご紹介したいと思います。
動脈硬化の予防に効果的な酒粕の成分とは?

酒粕には動脈硬化を予防する有効成分が豊富に含まれている。
昔から滋養強壮に良いとされてきた酒粕ですが、健康にいいとされる様々な効果があります。中でも注目したいのが、動脈硬化を予防するのに効果的な“新たな有用成分”の存在です。
それは、タンパク質の一種「レジスタントプロテイン」という成分になります。
タンパク質の一種「レジスタントプロテイン」には、動脈硬化を予防する効果がある。
酒粕に含まれるレジスタントプロテインは、消化されにくい「難消化性タンパク質」になります。
通常のタンパク質は、消化酵素で分解されて腸で吸収されやすい形になります。
しかし、レジスタントプロテインの場合、消化酵素で分解されにくいため、腸で吸収されずに体外へ排出されます。そのため、食物繊維と同じように腸の働きを活性化させて、スムーズな便通を促すのです。
更にレジスタントプロテインには、過剰に摂取した脂質を体外へ排出する作用があります。
コレステロールなどの余分な脂質を吸着して、体外へ排出してくれるのです。それにより、コレステロール値を低下させるため、動脈硬化を予防するのにとても効果的なのです。
- 難消化性タンパク質のため、食物繊維と同じように腸の働きを活性化させる働きがある。
- 余分な脂質を吸着して体外へ排出する作用があるため、コレステロール値を低下させる働きがある。
酒粕は冷え性の改善にも効果的!

酒粕は冷え性の改善にも効果的。
酒粕は冷え性の改善にも効果があります。
酒粕は元々、北海道や東北地方などの寒い地域では、体を温める食品として利用されてきました。
冬によく飲まれる甘酒は、飲むとポカポカして体が温まりますよね? これは、酒粕に含まれるアルコールの効果かと思われるかもしれませんが、アルコール分を抜いた酒粕でも、体温の上昇は見られるのです。
酒粕の主な原料はお米で、お酒を仕込む時にできるものです。
米、水、麹に酵母を加えて発酵させた“もろみ”を絞ったものが清酒になり、その残った固形成分が酒粕です。
酒粕は清酒よりも栄養価が高く、発酵の過程でアミノ酸が劇的に増えるのです。そのアミノ酸の含有量は、同量の酒米に比べると、およそ583倍になるといいます。
また、酒粕に含まれるアミノ酸は、量が豊富なだけではなく、バランスが良いというのも特徴です。
そのため、吸収されやすい遊離アミノ酸が多く、体内に摂取されやすいのです。
酒粕を飲んで体が温まるのは、この豊富なアミノ酸を吸収し、利用される際に熱が生まれるためなのです。
- アミノ酸の含有量は、同量の酒米に比べておよそ583倍にもなる。
- 酒粕に含まれるアミノ酸は、量が豊富なだけではなくバランスが良いのも特徴。
酒粕には、豊富なアミノ酸だけではなく、タンパク質やミネラル、ビタミンB2やB6、葉酸、食物線維なども豊富に含まれています。また、塩分を含まないのも高血圧の人にとっては魅力的ですね。
寒冷地に住む人たちは、この酒粕の温め効果を伝統や経験で学んで摂り入れてきたのですね。
酒粕は毎日摂り続けることで効果が高まる?!

酒粕の効果を実感するには、毎日取り続けることが大切。
このように優れた効果のある酒粕ですが、その効果を実感するには、少量をたまに摂るのではなく、毎日摂り続けることが大切です。
摂取量の目安としては、1日に約50g摂るのがいいでしょう。
酒粕に含まれるレジスタントプロテインは、熱にも強いため加熱しても効果が薄れることはありません。揚げ物や炒め物など、様々な料理に活用することができます。
また、酒粕にはうま味成分であるグルタミン酸が豊富に含まれているため、料理に使うことで塩分を減らすこともできます。
- 少量をたまに摂るのではなく、毎日取り続けること。
- 摂取量の目安は、1日に約50g摂るのがいい。
- レジスタントプロテインは熱にも強いため加熱しても効果は薄れず、揚げ物や炒め物などの料理にも活用できる。