塩分を控えているのに、塩分過剰になる理由は?

塩分

高血圧の人が食事で最も気をつけているのが塩分摂取でしょう。しかし、いくら塩分を減らしていても塩分過剰となる人もいます。それはいったいどうしてなのでしょう?

実は、食事から塩分を摂らなくても、体内で塩分が増加する原因があったのです。

中年太りになると糖尿病が増える理由

中年太り

体内で塩分が過剰になる原因に、肥満糖尿病が関係しています。

糖尿病は、インスリンの作用がうまく働かなくなることで、糖分をエネルギーにするための処理ができなくなり、その結果、血糖値が高くなる状態です。

このインスリンの働きを悪くする原因には、肥満が関係しいるのです。
運動不足や肥満になると、脂肪細胞が増大します。この脂肪細胞から分泌される腫瘍壊死因子TNF-α)などが、インスリンの作用する細胞膜上の受容体の働きを阻害するのです。
そのため、インスリンの働きが悪くなり、糖分の処理がうまくできなくなるのです。

中年期を過ぎると糖尿病が多くなるのも、このような理由からです。

加齢とともに基礎代謝は下がり、消費するカロリーは低くなります。若い頃と同じような量の食事や、運動量が減ると、必然的に肥満になってしまいます。

このようなことから、中年太りで肥満になると糖尿病になる人が増えてしまうのです。

塩分過剰の原因は、肥満や糖尿病だった?

このように、肥満や糖尿病になるとインスリンの働きが悪くなります。そうすると、血糖値を一定にしようとしてインスリンの分泌が増えることになります。
インスリンは腎臓にも作用していて、尿細管からナトリウム(塩分)の再吸収を促進する働きがあります。そのため、食事で塩分摂取を控えていても、肥満や糖尿病などでインスリンが増加することで、塩分が過剰になるのです。
これが、肥満や糖尿病になると高血圧が増える原因となります。

肥満を防止する働きが血圧を上げていた?!

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肥満になると増える脂肪細胞は、栄養過多になると、より多くの中性脂肪をため込んで、レプチンというホルモンを作ります。
レプチンは、脳の視床下部にある満腹中枢を刺激して、食欲を抑える働きがあります。
また、レプチンには交感神経を活性化する作用もあります。交感神経は脂肪細胞組織に密に分布していて、神経の末端からノルアドレナリンを放出します。
ノルアドレナリンは、脂肪細胞を刺激することで中性脂肪を遊離脂肪酸に分解して放出させます。分解された遊離脂肪酸は、熱となって放出されます。

このようにして私たちの体には、肥満を防止する仕組みがあるのです。
しかし、その際に交感神経から放出されるノルアドレナリンには、血管を収縮させて、脈拍数心拍出量を増やす作用があります。これによって血圧が高くなるのです。

肥満を解消することが高血圧改善への近道

食べる物が豊富な現代では、美味しいものの誘惑に逆らえず肥満になる人が増えています。
しかし、肥満は血圧を上げる原因や、健康を害する最も大きな脅威となります。

いくら食事で塩分を控えていても、肥満を解消しない限り、高血圧を改善する道のりも遠のいてしまうでしょう。
高い血圧を下げるためには、食事の改善とともに、肥満を解消することが高血圧改善への近道となるのです。

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