高血圧を改善するために、まず実行すべき「3つ」の事
高血圧は、自覚症状がほとんどありません。ある日突然、命を奪うような事態になりかねない、こわい病気です。
しかし、高血圧は生活習慣の改善をすることで予防することができます。そのためには、高血圧の人がまず実行しなければいけない事があります。
それは、「飲酒」「喫煙」「肥満」を改善することです。この3つは、高血圧や動脈硬化、高脂血症を引き起こす最大の要因となるからです。
タバコは心臓や脳の血管障害となる最大の危険因子!?
もしあなたが「高血圧で喫煙者」だとしたら、まず一番に「禁煙」を考えるべきでしょう。
喫煙が原因となる病気としては、肺ガンなどの呼吸器系のガンがよく知られています。しかし、心臓や脳の血管障害などにとっても大変大きな要因となるのです。
タバコは一本吸うだけで血圧を上昇させます。
これは、タバコに含まれるニコチンが、交感神経や副腎髄質に作用し、血圧を上げる物質の分泌を促すためです。さらに、一酸化炭素が血液中のヘモグロビンと結びつくことによって、血液中で酸素不足が起こるため、心拍数が上がり、血圧がさらに上がることになります。
また、タバコには血液中の遊離脂肪酸を増やす作用があります。このため、血栓ができやすくなって動脈硬化も促進されてしまいます。その他にも、タバコは血管の内皮を傷つけたり、血液中の悪玉コレステロールの酸化を促し、善玉コレステロールを減らす作用もあります。
- ニコチンが、血圧を上げる物質の分泌を促す。
- 血液中で酸素不足が起こり、血圧がさらに上がる。
- 血液中の遊離脂肪酸を増やし、動脈硬化を起こす。
- 悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らす。
など、高血圧にとっては悪いことばかり。。
このように、タバコは高血圧や動脈硬化を促し、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めるのです。
喫煙者の中には、健康を気にしてか低タールのものに変えたりする人もいますが、これは無駄な抵抗といえるでしょう。低タールに変えても、本数を減らしたりしても、リスクは無くなりません。
私の父も、以前は止めたくてもなかなか止めることができない喫煙者でした。しかし、ようやく10年程前に禁煙することができ、今は完全にタバコを止めることができました。
けれども、禁煙するまでの30年以上もの長い間は喫煙者だったという事実に変わりはありません。
人間の内臓はその人の“人生の縮図”ともいえます。あなたが食べてきた物や生活習慣によって身体は作られてきたのです。
何十年もの間に蓄積されてきたモノは、そう簡単には無くならないのです。
父のかかりつけ医も言っていましたが、「タバコを止めれない人は私は診ないです」とハッキリと断言していました。
タバコが人の体に及ぼす害は、専門の医者でも救いようがないということでしょう。
それでもどうしても「タバコだけは止めれない!」という人は、タバコと心中する覚悟が必要です。それぐらいの決心があるのか、自分自身にじっくりと問いただしてみるべきでしょう。
あえて「喫煙」に関しては、厳しい助言をさせてもらいます。その理由は、このサイトの趣旨が「薬を使わずに高血圧を治す」というテーマに沿ったものだからです。
タバコの害は医学的にも認められています。とくに高血圧や動脈硬化が進んでいる人にとっては、喫煙が心筋梗塞や脳卒中を招くことにもなりかねません。
健康なカラダをとるかタバコをとるかはあなた自身です。
高血圧でタバコを吸う人は、タバコと心中する覚悟を!
血圧を下げるためにアルコールの摂取量を制限する
お酒に含まれるアルコールは、適量であれば血行を促進し、善玉コレステロールを増やすなど良い影響があります。しかし、飲みすぎると心拍数を上げて心臓に負担がかかり、血圧を上昇させます。
さらに、過度の飲酒が毎日続くと肥満につながり、高血圧の重大な原因となります。また、高血圧の人にとっては、アルコールが脳や心臓の血管障害の引き金になる危険性が高くなるのです。
高血圧の人の場合、一定量を超えるお酒を毎日飲んだり、一時的にでも深酒をするのは危険です。
- 心拍数を上げて、心臓に負担がかかる。
- 血圧を上昇させる。
- 肥満・慢性の高血圧の原因に。
- 脳や心臓の血管障害に。
実際にお酒が好きな人が、節酒や禁酒をしただけで、血圧が1~2週間以内に下がることが多いという報告もあります。逆に、お酒を制限しない限りは、いくら食事療法を行ったとしても十分な改善は望めないでしょう。
毎晩の晩酌が欠かせないという人は、飲む量を減らしたり、週に二日は休肝日を設けるなどしてみてはいかがでしょうか?
食事制限で体重のコントロールをする
肥満になる原因は、食物の過剰摂取や栄養過多によるエネルギーの摂り過ぎ、運動不足などによるものです。
肥満になると、皮下だけでなく、内臓や筋肉、血中にまで、脂肪やコレステロールなどが沈着して蓄積されます。このような状態が進むことで、高脂血症や動脈硬化だけではなく、高血圧、糖尿病などの発症にもつながるのです。
食べ過ぎや肥満は、脂肪細胞が肥大化し、体内で悪さをする物質を作り出します。
- 血圧を上げる物質
- インスリンの効きを悪くする物質
- 血栓を作りやすくする物質
- 炎症を起こして動脈硬化を促進する物質
しかし、これらの肥大化して悪者になった脂肪細胞は、食事療法によって改善することができます。
高血圧を改善するために、食事で気をつける3つのポイント
高血圧は普段の食生活を見直すことで改善することができる病気です。その中でも最も気をつけなればいけないポイントは以下の3つのことです。
- 摂取するエネルギー量を減らす
- コレステロールの多い食事を摂り過ぎない
- たんぱく質やビタミン、ミネラルを十分に摂取する
一方で、野菜や果物、海草、小魚などが不足して、ビタミンやミネラル不足になっている人が多いです。
高血圧の人の食事では、「減塩」ばかりが取りあげられがちですが、食事はトータルバランスが最も大切です。食生活を正していくことで、確実に血圧は下がっていきます。
食生活で血圧をコントロールすることができれば、降圧剤を用いている場合でも、薬を減らしていくことが可能になるでしょう。
いくら運動量を増やしても、今まで通り好きなものを食べたいだけ食べるような食生活を続けていたのでは、改善の余地がありません。
高血圧となる原因は、遺伝や加齢、性別以外なら生活習慣を改善することで防ぐことができるのです。
血圧を下げるだけなら降圧剤を用いればいい話ですが、それでは高血圧を改善する根本的な解決にはなりません。高血圧は生活習慣病の代表的な病気です。「悪い生活習慣」を改めることが、高血圧の根本的な治療となるのです。
動脈硬化や合併症を引き起こす前に、一つでもその要因となるものを減らすことが、根本的な解決への近道です。