カリウムが不足すると、体にはどんな影響がある?
健康を維持するためには、様々なビタミンやミネラルが必要です。
栄養のバランスはとても大切な要素です。特定の栄養素が不足すると、体調不良や健康に悪い影響も出てきます。
そのため、病気や体調によって増やしたい栄養素もそれぞれ変わってくるのです。
今回は、高血圧の人が積極的に摂りたいミネラル「カリウム」について詳しく見ていきましょう。
「カリウム」がどのように働き、不足することで体にはどのような影響があるのでしょうか?
カリウムが不足したらどうなる?

カリウムは、体内の余分なナトリウムの排泄を促す働きをしてくれる。
カリウムは、体内の細胞内に多く含まれるミネラルです。ナトリウムとのバランスをとりながら細胞の正常な働きをサポートしています。
ナトリウム(塩分)が体内に増えると、血圧を上げる要因となるため、高血圧の人は増やさないよう気をつけなければいけません。
そこで、カリウムの働きが重要になってくるのです。
カリウムは、体内に溜まった余分なナトリウムの排泄を促す働きをしてくれます。そうすることで、体内のナトリウム濃度は減少し、血圧を下げる働きをしてくれます。
このカリウムの働きは、様々な研究でも明らかにされていて、カリウムを多く摂ることで血圧が下がることが報告されています。
- 体内の余分なナトリウム(塩分)を排泄する。
- 腎臓の老廃物の排泄を促す。
- 心臓や腸の筋肉の働きを正常に保つ。
- 手足の筋肉の働きを正常に保つ。
つまり、カリウムが不足するとナトリウムの排泄がうまく働かなくなり、体内のナトリウム濃度が増え、血圧が上昇することになります。
ナトリウムの排泄機能がうまく働かなくなり、体内のナトリウム濃度が増えて血圧が上昇する。
カリウム不足を補う食生活
高血圧を予防するためには、食事でカリウムを積極的に摂るようにすることです。
特に、利尿薬を処方されている場合には、尿量が増えるのと比例して、カリウムも尿と一緒に排泄されてしまいます。そのため、高血圧治療で利尿薬を飲んでいる人は、意識してカリウムを多く摂るようにしてみてください。
高血圧予防には、1日に3500mgのカリウムの摂取が推奨されています。
1日に3500mgのカリウムの摂取が推奨されている。
体内の余分なナトリウムを排泄してくれるカリウムですが、過剰に摂取しても、尿として排泄されるので心配はありません。
ただ、腎機能に障害がある場合には、カリウムの摂り過ぎに注意が必要です。腎臓病の人は、カリウムの過剰摂取が、高カリウム血症を引き起こすことがあるため、医師に相談するようにして下さい。
カリウムを多く含む食べ物とは?

カリウムは、果物や野菜、豆類、芋類、海藻類などに多く含まれている。
カリウムを多く含む食べ物は、果物や野菜、豆類、芋類、海藻類などです。
カリウムを摂取する際に気をつけたいのが、水に溶け出しやすい性質があるということです。そのため、茹でたり水にさらす場合にはあまり時間をかけないようにしましょう。
また、野菜を多く摂るためにサラダで食べる際に、ドレッシングを多くかけすぎて塩分を摂り過ぎないように注意してください。
ほうれん草 | 80g | 552mg |
春菊 | 80g | 368mg |
トマト | 1個(150g) | 315mg |
里芋 | 中1個(50g) | 320mg |
さつまいも | 中1/5本(50g) | 235mg |
じゃがいも | 中1/2個(50g) | 205mg |
アボガド | 中1/2個(70g) | 504mg |
バナナ | 中1本(100g) | 360mg |
キウイフルーツ | 大1個(150g) | 435mg |
りんご | 大1/2個(150g) | 165mg |
鮭 | 1切れ(100g) | 490mg |
大豆(乾燥) | 20g | 380mg |
納豆 | 1パック(50g) | 330mg |
ひじき(乾燥) | 15g | 220mg |
カリウムは生の食物に多く含まれているので、なるべく長時間、熱を加えない料理で食べるようにするのがおすすめです。
野菜に含まれるカリウムは水溶性で水に溶け出すため、生で食べない場合にはスープなどにして、汁ごと飲めるようにするといいでしょう。
野菜や海藻などを多く入れた、具だくさんのみそ汁にするのもおすすめの食べ方です。
また、果物にもカリウムが豊富に含まれていますが、糖分も多くなるため食べ過ぎないようにしましょう。
生サラダや、汁ごと飲めるスープ、野菜や海藻たっぷりの具だくさんみそ汁などにする。
カリウムが不足すると、体内の余分な塩分をうまく排出できなくなるため、血圧を上げる原因になります。
高血圧を予防するための食事では、塩分を減らすことだけではなく、意識してカリウムが豊富な食べ物を摂るように心がけましょう。