カリウムを多く含む食品一覧 – 摂取目安量と調理方法
高血圧の人は血圧を下げるための食事として、カリウムをより多く摂取するよう勧められます。
それは、カリウムには血圧を下げる働きがあるからです。
そこで今回は、カリウムを多く含む食品にはどんなものがあるのか食品別の一覧を紹介します。
また、カリウムの摂取目安量や、効率よく摂るための調理方法についても見てみましょう。
カリウムににはどんな働きが?
カリウムには筋肉収縮作用や、余分な塩分を排泄して血圧を正常に保つ働きがあります。
- 心臓や腸の筋肉の働きを正常に保つ
- 腎臓の老廃物の排泄を促す
- 手足の筋肉の動きを正常に保つ
参考書籍:「図解でわかる高血圧」
カリウムの血圧を下げる作用
カリウムは、血圧降下作用のある代表的な栄養素の一つです。
そのため、高血圧の人は減塩と同時にカリウムを積極的に摂り入れることをお勧めします。
様々な研究でも、カリウムの多い食事をとることで、血圧が下がることが報告されています。
カリウムは食品から摂取できる“自然の降圧薬”とも言えます。
- 体内の余分な塩分(ナトリウム)を排泄して、血圧を下げる。
- 昇圧物質であるカテコールアミンやアンジオテンシンなどの分泌や働きを抑えて、血圧の上昇を予防する。
カリウムを多く含む食品
カリウムは野菜や果物、豆類に多く含まれます。
では、どんな食品にカリウムが多く含まれているのか見てみましょう。
カリウムが豊富な食品とその含有量
食品名 | 目安量 | カリウム含有量 |
ほうれん草 | 80g | 552mg |
春菊 | 80g | 368mg |
さつまいも | 中1/5個(約50g) | 235mg |
里いも | 中1個(約50g) | 320mg |
じゃがいも | 中1/2個(約50g) | 235mg |
トマト | 1個(約150g) | 315mg |
キウイフルーツ | 大1個(約150g) | 435mg |
バナナ | 中1本(約100g) | 360mg |
アボガド | 1/2個(約70g) | 504mg |
牛乳 | 200g | 300mg |
大豆(乾燥) | 20g | 380mg |
あずき(乾燥) | 20g | 300mg |
納豆 | 1パック(50g) | 330mg |
枝豆(ゆで) | 15さや(約40g) | 228mg |
ひじき(乾燥) | 5g | 220mg |
和牛もも(脂身なし) | 1切れ(約120g) | 420mg |
さけ | 1切れ(約100g) | 490mg |
まぐろ(めばち) | 刺身5切れ(60g) | 252mg |
あじの開き(焼き) | 中1尾(約60g) | 240mg |
「日本食品標準成分表2010」より
カリウムの摂取量の目安
カリウムの摂取量は特に決まりはありませんが、塩分摂取量の3分の1程度を目安にするといいでしょう。
例えば、1日の塩分量が8〜10g程の場合なら、カリウムの摂取量はその3分の1の3〜4g程度となります。
この量のカリウムを食品から摂るには、野菜なら300g、果物では200g、イモ類や豆類で100gの量が必要となります。
高血圧を予防するためには、1日3500mgのカリウムの摂取が推奨されています。
普段の食事で塩分摂取量が多い人ほど、カリウムを多く含む食品をより多く摂るようにして、余分なナトリウムを排泄することが望ましくなります。
1日3500mgのカリウムの摂取が推奨されている。
カリウムを摂る際の注意点
カリウムの摂取で注意したいのが、腎機能が低下している場合です。
腎機能が低下して正常に機能していないと、カリウムを過剰に摂り過ぎることで「高カリウム血症」になり、血圧の上昇を招くことがあります。
そのため、腎臓が悪い人の場合には、医師と相談しながら食事の目安を考えるようにする必要があります。
腎臓機能が低下していると、カリウムの摂り過ぎで「高カリウム血症」になる場合がある。
カリウムを効率よく摂る方法
高血圧の予防には欠かせないカリウムですが、より効率よく摂取するには、調理方法にも気をつけたいことがあります。
カリウムは水に溶け出しやすい特徴があるため、茹でると茹で汁に溶け出してしまいます。そのため、煮物料理では約30%のカリウムが損なわれます。
カリウムを含む食品を調理する際には、茹でたり、水にさらすときには時間をかけないようにすることです。
カリウムの栄養成分を逃さず摂取する調理方法では、焼き料理がおすすめです。
旬の野菜をレンジの魚焼きグリルで焼いて、お好みのソースやドレッシングをかけて食べるようにするといいでしょう。
- 茹でたり水にさらす場合は短時間で調理する。
- カリウムを効率よく摂取するには、焼き料理がおすすめ。
毎日の食事で野菜や果物、豆類などをうまく摂り入れて、血圧を上げない食生活を心がけてみて下さい。