血管の老化が気になる – 「血管年齢」を測定する方法
血管の老化はあらゆる病気の原因となります。生命に関わるような重大な発作を起こすのも、血管の老化が原因となるのです。
まだ若いからと安心はできません。最近は年齢が若い人でも血管の老化が進み、血管年齢が高くなっている人が増えています。これは、食事や運動などの生活習慣が血管年齢に大きく関係してくるためです。
そこで、自分の血管がどの程度老化しているのかを知るための、「血管年齢」を測定する方法をご紹介します。
「血管年齢」を測定する方法は?

血管年齢の測定は、動脈の硬さや詰まり具合を調べて、血管の老化度を示すもの。
「血管年齢」とは、実年齢のように定期的に決まって増えていくものではありません。そのため、同じ年齢でも血管年齢の高い人や、低い人が出てきます。
血管年齢の測定は、動脈の硬さや詰まり具合を調べて、血管の老化度を示すものです。動脈硬化の状態を測定することによって、血管内の血液の流れが悪くなっていないかを知ることができます。
血管年齢の測定方法は、医療機関で行われる検査があります。
PWV(脈波伝播速度)検査は、脈波が手足に伝わる速度を測定して、動脈がどれくらい硬くなっているかを割り出します。動脈壁が厚くなったり硬くなっていると弾力性がなくなり、脈波が伝わる速度が速くなります。
年齢によっても異なりますが、PWV値が13.5以上だと動脈硬化が進行している可能性があります。
ABI値(足首上腕血圧値)検査は、足首と上腕の血圧を測って比較することで、血管の詰まり具合を測定します。
ABI値が小さいと、血管が詰まっている可能性があります。ABI値が0.9以下の場合は、症状の有無に関わらず、動脈硬化の進行が疑われます。また逆に、ABI値が大き過ぎる場合には、動脈に石灰沈着の可能性が考えられます。
脈波(心臓から送り出された血液によって生じる拍動)が、手足に伝わる速度を測定して、動脈の硬化度を割り出す。
動脈硬化が進んでいると血管の弾力性がなくなり、伝播速度が速まりPWV値が高くなる。
PWV値が13.5以上だと動脈硬化が進行している可能性がある。
足首と上腕の血圧を比較することで、足の動脈の血管の詰まり具合を判定し、閉塞性動脈硬化症の進行程度を割り出す。
ABI値が0.9以下の場合は、症状の有無に関わらず、動脈硬化の進行が疑われる。
また、持病のある方などは正しい数値が測定されない場合もあるので注意して下さい。
「血管年齢」は自宅でも測定できる?

血管年齢は、自宅で「平均血圧」と「脈圧」を測定することでもわかる。
血管年齢は病院で行う検査以外にも、自宅で測る方法もあります。
それは、「平均血圧」と「脈圧」を測定することでわかります。
動脈硬化は細い血管から太い血管へと進行していきます。そのため、抹消の細い血管の動脈硬化の進行を測ることで、動脈硬化が進んでいるかどうかを確認します。
抹消の細い血管に動脈硬化が進むと、平均血圧が高くなります。ですので、平均血圧を割り出して動脈硬化の進行を測ります。
血圧は上(収縮期血圧)と下(拡張期血圧)とありますが、このベースラインとなるのが平均血圧です。
健康な人の平均血圧の目安は 「90」くらいです。110以上になると、細い血管の動脈硬化がかなり進行しているということになります。
平均血圧=拡張期血圧+(収縮期血圧-拡張期血圧)÷3
「90以上」なら要注意
脈圧のボーダーラインとなる目安が「60未満」です。脈圧が「65以上」になると、心筋梗塞や脳卒中を発症するリスクが高まるとされています。
脈圧=収縮期血圧(上)-拡張期血圧(下)
「60以上」なら要注意
ただ、このような血管年齢の測定数値は、あくまでも血管の老化を示す指標となるものです。実際に、動脈硬化がどのような状態なのか詳しいことまではわかりません。
そのため、血管年齢が高くなっていて不安な場合には、動脈硬化を詳しく確認する検査を受けることをおすすします。
動脈硬化の検査には、「頚動脈(けいどうみゃく)超音波検査」などいくつかの検査方法があります。
動脈硬化はそのまま放置して進行すると、命に関わる重大な病気を発症する危険性があります。そのため、早期発見することが重要になるのです。
動脈硬化を早期発見するための検査方法などは、こちらの記事で紹介していますので参考にして下さい。
血管年齢が高くなる原因は?

血管年齢を高くする原因には、血管を老化させる生活習慣と深く関係してくる。
血管年齢は年齢に比例して高くなるものですが、実年齢よりもかなり高くなっている場合は、血管の老化度が速まっていることになります。
血管の老化を早めてしまう原因には、脂質異常症や糖尿病などによって血管そのものが硬くなる「器質的原因」と、高血圧や喫煙、ストレスなどによって一時的に血管が硬くなる「機能的原因」が考えられます。
- 「器質的原因」
脂質異常症や糖尿病などによって血管そのものが硬くなる。 - 「機能的原因」
高血圧や喫煙、ストレスなどによって一時的に血管が硬くなる。
血管の老化現象である動脈硬化は、糖尿病や脂質異常、高血圧や喫煙、運動不足、過度のストレスなどの生活習慣の乱れが原因となって起こるのです。
そのため、血管の老化を防ぐには、このような動脈硬化の要因となる生活習慣を改善することが重要です。
中でも、動脈硬化を加速させる最も大きな要因が、「高血圧」「喫煙」「脂質代謝異常」「高血糖」です。この4つの要因は、それぞれに増えるごとに、血管事故を発症するリスクが高まります。
そのため、先ずはこれらの危険因子を改善することが先決となるのです。
- 高血圧
- 喫煙
- 脂質代謝異常
- 高血糖

食事を改善することで、老化した血管も元気に若返らせることができる。
また、血管の老化を防ぐためには、毎日の食事を見直すことも必要です。
食事を改善することで、老化した血管も元気に若返らせることができます。そのためには、塩分を摂り過ぎないようにして、良質なタンパク質や抗酸化成分の多い野菜などを積極的に摂り入れることです。
血管の老化を防ぐための食生活について、こちらの記事で紹介していますので参考にして下さい。
このように、血管年齢は普段の生活習慣が大きく影響してきます。
まずは血圧や脈圧を測ることで、自分の「血管年齢」を確認してみましょう。
そして、実年齢よりも高くなっている場合には、血管の老化を進行させないよう生活習慣を見直すことが大切になります。