血圧を下げる食べ物はどれ?すぐできる手軽な食事方法も!

私たちの健康は、日々の食生活が大きく影響しています。そして、毎日食べる食事によって体調不良や気になる症状を改善することもできます。

食べ物の中には、血圧を下げる働きをするものがあります。高血圧の人や、血圧が高くなってきた場合にはこのような食べ物を積極的に摂り入れることが大切です。

今回は、血圧を下げる効果のある食べ物の中で、身近に手に入るおすすめの物を紹介します。

血圧を下げる食べ物とは?

血圧を下げる働きをする成分には、「カリウム」「マグネシウム」「カルシウム」「食物繊維」「ビタミン」「ミネラル」等があります。
これらの有効成分を多く含む食べ物をうまく取り入れれば、血圧を下げて高血圧を改善する効果が期待できます。

血圧を下げる食べ物一覧

血圧を下げる効果のある食べ物を一覧表で紹介します。

分類 食べ物 血圧を下げる有効成分
海藻類 昆布、わかめ、ひじき、もずく、のり、めかぶ アルギン酸、フコイダイン、カリウム、カルシウム、マグネシウム
魚貝類 青魚(イワシ、サバ、アジ、サンマ等)、イカ、タコ、あさり、貝類(アサリ、カキ等)、 EPA、DHA、タウリン
穀物・ナッツ・豆類 大豆製品(納豆、豆腐、おから等)、そば、アーモンド、落花生、カシューナッツ、ごま、小豆、枝豆、玄米、はと麦、雑穀 タンパク質、レシチン、リノール酸、サポニン、イソフラボン、食物繊維、ペプチド、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ミネラル(鉄、亜鉛、銅)、ビタミンE、ビタミンB群、葉酸、オレイン酸、ナットウキナーゼ
野菜 玉ねぎ、いも類(じゃがいも、里芋、さつまいも等)、人参、ほうれん草、かぼちゃ、トマト、ブロッコリー、小松菜、モロヘイヤ、春菊、カブ、ゴボウ、大根、ピーマン、キャベツ、アスパラガス、セロリ、オクラ、なす ビタミンC、ビタミンE、ビタミンP、βカロテン、クロロフィル(葉緑素)、リコピン、カリウム、ポリフェノール、イソシアネート、ケルセチン、アントシアニン、ナスニン
果物 バナナ、りんご、柿、ぶどう、みかん、アボガド、キウイフルーツ、スイカ カリウム、アントシアニン、クエン酸、ビタミンC、食物繊維、
その他 キノコ類(椎茸、えのき、しめじ、マイタケ等)、酢、にんにく、黒にんにく、しょうが、乾物(干し椎茸、切り干し大根、ひじき、かつお節等) 食物繊維、ビタミンB1,B2、ビタミンD、エリタデニン、カルシウム、カリウム、マグネシウム、クエン酸、酢酸、アリシン、S-アリルシステイン、ミネラル

血圧を下げる有効成分

「血圧を下げる食べ物一覧」で紹介しているものには、それぞれに血圧を下げる有効成分が豊富に含まれた食べ物です。

海藻類に含まれる有効成分
海藻類に含まれる「アルギン酸」には、体内の余分なナトリウム(塩分)を排出して血圧を下げる作用があります。
また、「フコイダイン」は腸内の悪玉コレステロール(LDL)を吸着・排出して、脂質異常症や動脈硬化を予防します。アルギン酸もフコイダインも水溶性食物繊維で、コレステロールの低下や、血糖値の上昇を抑える働きがあります。
魚貝類に含まれる有効成分
青魚には、血液サラサラ効果の高い「DHA・EPA」が豊富に含まれます。そのため、血圧調整や血栓予防作用もあり、動脈硬化を予防します。
また、悪玉コレステロールを低下させたり中性脂肪の合成を抑える働きもあります。そのため、青魚を積極的に食べることで、血管の老化を予防することにつながります。

イカやタコなどの魚介類には、交感神経の働きを調整したり、アドレナリンが放出されるのを抑える作用がある「タウリン」が豊富です。そのため、ストレス等の緊張によって血圧が上昇するのを防ぐのに効果的です。

大豆製品・ナッツ類に含まれる有効成分
大豆は良質なタンパク質が豊富で、必須アミノ酸がバランス良く含まれています。大豆に含まれる「レシチン」「リノール酸」「サポニン」には、悪玉コレステロールや中性脂肪を低下させて血液をサラサラにする働きがあります。
また、血管を強くする作用もあり、血圧を下げて動脈硬化を強力に防ぐのに効果的な食べ物です。

アーモンドや落花生等のナッツ類には、豊富なビタミンB群や良質なタンパク質が含まれます。他にも、悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やすことで動脈硬化を予防する、「オレイン酸」が多く含まれます。また、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルも豊富で、少量でバランス良く栄養成分を摂取できる優れた食べ物です。

野菜に含まれる有効成分
血圧を下げるのに欠かせない食べ物が、彩り豊富な野菜です。
野菜には抗酸化作用のある「ビタミンC」「ビタミンE」「βカロテン」「ポリフェノール」等が多く含まれています。そのため、酸化を防いで血液をサラサラにしたり、コレステロールを抑えることによって、血圧を下げる働きをします。
特に、赤いトマトや緑のピーマン、紫のナスなど、色の濃い野菜にはポリフェノール等の抗酸化成分が豊富です。サラサラ効果で知られる玉ねぎも、茶色の皮に「ケルセチン」という色素成分が含まれていて、細胞の老化や動脈硬化の予防に役立ちます。
果物に含まれる有効成分
鮮やかな色に代表される果物にも、「ポリフェノール」等の抗酸化成分が豊富に含まれます。また、酸味の元となる「クエン酸」や「ビタミンC」「食物繊維」や「カリウム」も豊富なので、血圧の改善に効果的です。
ただ、甘い糖分は果糖となるため、食べ過ぎないように注意しましょう。
キノコ類に含まれる有効成分
キノコ類は、食物繊維が豊富な上に低カロリーなので、肥満の改善にも役立ちます。
「ビタミンB群」も豊富で、血中のコレステロールの低下や動脈硬化の予防や改善により、血圧を下げるのに効果的です。
また、マイタケから抽出された成分には、血圧の低下や血糖値を下げる働きがあることが実験結果で報告されています。
酢に含まれる有効成分
酢は、穀物や果実等を発酵・熟成させて作られます。そのため、発酵の過程で様々な有効成分が生まれ、「クエン酸」や「酢酸」を主成分に、有機酸やアミノ酸がバランスよく含まれています。
酢酸には、脂質と糖の代謝を促進して、血液をサラサラにして血液循環を良くする働きがあります。それによって、血圧の上昇を抑えることができます。
また、酢に含まれるアミノ酸には、血管を拡張する働きがあり、血液の循環を良くして血圧を安定させる効果があります。
更に、酢のクエン酸には強力な抗酸化作用があるため、悪玉コレステロールの酸化や、血管の老化を防いで動脈硬化を予防する働きがあります。
血圧を下げるための万能調味料として、毎日大さじ1杯の酢を取り続けることをおすすめします。
にんにくに含まれる有効成分
スタミナ料理に欠かせないにんにくですが、血圧を下げる成分も豊富な食べ物です。
にんにく特有のにおい成分「アリシン」には、血栓予防や抗酸化作用、血中のコレステロールを分解して血液をサラサラにする効果があります。
また、全身の血行を良くして疲労を回復する効果や、血液をきれいにして血管壁を丈夫にします。

「黒にんにく」は、にんにくを長期間熟成・発酵させて作られますが、にんにくの有効成分が増加して、更に効能が強化された食べ物です。
中でも注目されるのが、「S-アリルシステイン」という成分が飛躍的に増加することで、免疫力を強力に高めることです。そのため、高血圧だけではなく、抗がん作用や感染症予防にもつながります。

黒にんにくの効能については、こちらの記事で詳しく紹介していますので、参考にして下さい。

乾物に含まれる有効成分
切り干し大根やひじき、干し椎茸などの乾物は、干して水分が抜けるため長期保存ができます。そのため、常備しておくと便利な食べ物です。
栄養面でも優れていて、「食物繊維」や「ビタミン」、「カルシウム」や「カリウム」、「マグネシウム」や鉄などの「ミネラル」も豊富です。その上、低脂肪で低カロリーなので、メタボ解消にもおすすめの食べ物です。

参考書籍:「高血圧のすべてがわかる本」、「高血圧をらくらく下げるコツがわかる本」

ただし、いくら体にいい食べ物でも、食べ過ぎると肥満につながります。くれぐれも一日の適正摂取量の範囲内で摂り入れるように注意して下さい。

毎日食べられる「血圧を下げる食べ物」

食事の改善は、毎日継続して続けることで効果が現れます。そのため、身近で手軽に手に入れることができる物が望ましいですね。
いくら血圧を下げる効果があるからといって、季節外れの野菜や果物をわざわざ買う必要はありません。旬の物は安くて栄養価も高くなりますので、新鮮な旬の食材を多く摂り入れたいですね。

そこで、身近でいつでも手に入れることができて、血圧を下げるのに効果的な食べ物を紹介します。

身近で手に入る「血圧を下げる食べ物」

大豆製品や海藻類は、旬を気にせずいつでもスーパーなどで手に入る食材です。大豆製品や海藻類には、それぞれ血管の老化を防ぐ成分が豊富に含まれています。そのため、血流を良くして血圧を下げる効果が期待できます。

また、料理には必ず調味料を使いますが、酢をうまく活用することで高血圧予防につながります。更に、これらの食材と合わせて、新鮮な旬の野菜や果物を摂ることがおすすです。

血圧を下げるおすすめの食べ物

  • 大豆製品
  • 海藻類
  • 旬の野菜や果物
こちらの記事でも、日々の食事で摂り入れたい食べ物と、その効果について詳しく紹介していますので、参考にして下さい。

血圧を下げる簡単な食事

食べ物は、決して一つの物だけで効果を発揮するものではありません。有効成分の吸収を高めたり、効果を発揮するためには、他の食材と組み合わせて摂ることが必要です。
また、それぞれの栄養成分をバランスよく摂ることも大切です。

そこで、血圧を下げる作用のある食べ物を、バランス良く摂ることができる食事を紹介します。
日々の食事では、手軽に簡単に作れることも必要ですね。今回は、簡単に作れて高血圧の改善や予防に役立てる食事を紹介します。

玉ねぎドレッシング

オリーブオイルとバルサミコ酢で南欧風のドレッシングができます。
さっぱりとした酸味で、サラダはもちろん、温野菜や魚、肉料理にも合います。

【材料】

  • 玉ねぎ 1/4個
  • オリーブオイル 1/4カップ
  • バルサミコ酢(好みの酢) 1/8カップ
  • 塩 小さじ1/5
【作り方】

  1. 玉ねぎをみじん切りにする。
  2. オリーブオイルとバルサミコ酢を混ぜる。
  3. 2に玉ねぎと塩を加えて混ぜる。
玉ねぎは血液をサラサラにする代表的な野菜です。有効成分ケルセチンが脂質の排泄や血圧を調整する働きをします。
また、酢には有機酸やアミノ酸が豊富に含まれているので、血液循環を良くして血圧の上昇を抑えます。

オリーブオイルは、悪玉コレステロールを減らすオレイン酸で、高血圧の予防に効果的な脂質です。
これらを組み合わせて作るドレッシングで、野菜を美味しくたっぷり食べることができ、高血圧予防にも役立ちます。

具だくさん味噌汁

よく塩分の摂り過ぎと言われる味噌汁ですが、実は、味噌汁には“塩分を排出する作用”があります。
確かに味噌に含まれる塩分は少なくありませんが、それ以上に、余分な塩分を排出する働きがあります。

味噌汁の材料には、原料となる大豆、具材になる豆腐や野菜、わかめなどの海藻類があります。
これらの食材には「カリウム」が豊富に含まれています。カリウムは、体内の余分な塩分(ナトリウム)を尿とともに体外に排出する働きをします。
そのため、野菜や海藻をたっぷり入れた“具だくさんの味噌汁”にすることで、味噌自体の塩分もうまい具合に排出されてしまいます。

また、大豆や野菜、海藻類には食物繊維が豊富に含まれています。具だくさんにすることで、汁の量は減り、「ナトリウム」と「カリウム・食物繊維」の相殺効果によって、塩分の摂り過ぎを防ぐことができます。

具だくさん味噌汁なら、大豆の発酵成分や野菜や海藻類などから豊富に摂れるカリウム、食物繊維の効果によって、血圧を下げる効果的な食事となります。

具だくさんみそ汁の血圧を下げる効果

  • 野菜や海藻類の「カリウム」「食物繊維」が、体内の余分な塩分を排出する。
使う具材をわざわざ味噌汁用に買い足す必要はありません。他で使った野菜で捨ててしまう部分など“クズ野菜”を利用することもできます。

味噌汁の具材用に捨てる野菜を取っておいて、少な目の汁で作ると、野菜の旨味が出てミネラルもたっぷり溶け出します。そのため、塩分は控え目でも十分満足できる深い味わいに仕上がります。また、お財布にも優しいのでおすすめです。

サプリで手軽に続ける

サプリメント

手軽に作れる食事は効果的ですが、仕事や家事でご飯を作る余裕がない。帰宅時間が遅くなったり、出張や外出が続き、満足に料理をする時間がない。という人もいると思います。

そんな忙しい人は、栄養補助食品であるサプリメントを活用するのが効果的です。サプリメントなら、いつでも手軽に必要な栄養成分を摂取することができます。

以下の記事では、血圧を下げるのに効果的なサプリメントを紹介しています。それぞれおすすめの商品を、このサイトの管理人「ホコタテ」自身も一定期間試し、効果や感想を詳しく紹介しています。

食事を毎日気にする余裕がないという人は、ぜひ参考にしてください。

食事を改善しても血圧が下がらない?

いくら血圧に良い食べ物を摂っていても、一向に高血圧が改善されない場合もあります。それは、食べ物の効果を阻害してしまう原因があるためです。

食事の改善効果が出にくいタイプ

体調不良や病気を、食事療法で改善したという話はよく耳にします。しかし、その一方で、いくら食事に気をつけていても、改善されないケースもあります。
それには、食事以外の生活習慣が影響している可能性が考えられます。
食事を改善しても、毎晩のように大量のお酒やタバコを吸っていては、その効果も望めないでしょう。
また、仕事のストレスが溜まっていたり、よく眠れないなど、精神状態や睡眠障害も大きく影響します。

食事の効果が出にくいタイプ

  • 食べ過ぎや運動不足によって内臓脂肪が蓄積している
  • タバコをよく吸う
  • 飲酒量が多い
  • ストレスや疲労が溜まっている
  • 睡眠不足などの睡眠障害がある
このような悪い生活習慣がある場合には、食事の改善と共に見直すことが必要です。
その上で、日々の食事で血圧を下げる効果のある食べ物を、積極的に摂り入れるようにするといいでしょう。

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