血圧が急に上がる理由は? – 原因と対処法


普段の血圧値は正常な人でも、一時的に血圧が上がることもあります。

血圧はストレスなどの精神状態や気温でも変化しやすいものです。
また、血圧の変動が起こりやすいタイプの人もいます。
血圧が急に高くなった場合、どうしたらいいのでしょうか?その原因と改善策を見てみましょう。

血圧が急に上がるのはどうして?

血圧が急に高くなる

血圧はストレスや気温でも変化するため、いつもは正常な血圧値でも、急に血圧が上昇することもある。

高血圧を予防するため、家庭での血圧測定を習慣にしている方も多くいると思います。
しかし、いつもは130mmHg以下の正常な血圧値でも、急に血圧が上昇して150mmHg以上になる場合もあります。

数値だけを見ると、確かに高血圧となるため驚く方もいるでしょう。しかし、血圧は常に変動しているものです。ストレスや不安感、緊張状態が続いたり、気温など環境の変化を受けて変動するものです。
また、体調不良を起こした時は、それに伴った症状として血圧が高くなることもあります。
このような一時的な変化によって上昇した血圧は、その要因が改善されることで元に戻ります。

血圧が急に上がる要因にはいくつかありますので、以下の項目を認識しておくと良いでしょう。

血圧が急に上がる原因は?

ストレスが原因

ストレスホルモン

ストレスを受けると、「ストレスホルモン」の分泌によって血圧が上昇する。

日常生活の中では、仕事や家庭、育児や人間関係など様々なストレスに直面しています。
そして、ストレスを受けた時に体内で分泌されるのが「ストレスホルモン」です。

体内で分泌される「ストレスホルモン」

  • コルチゾール
  • カテコールアミン
  • アドレナリン
  • ノルアドレナリンなど
ストレスホルモンは、ストレスから体を守るために分泌されるものです。
しかし、これらのストレスホルモンが分泌されることで、心拍数が上昇して血管が収縮します。そのため、血圧が上昇するのです。

血圧は自律神経と深く関係している

疲労やストレスによる緊張状態で血圧が上がるのは、血圧が自律神経と直接関係しているためです。

自律神経には、交感神経副交感神経があり、交互に働きながら身体機能のバランスを保つ働きがあります。

自律神経

交感神経と副交感神経が交互に働きながら身体機能のバランスを保つ働きをする。

しかし、精神的なストレスや不安などで緊張状態が続くと、交感神経が活発に働いて血管が収縮し、血圧が高くなります。
これとは逆に、心身ともにリラックスした状態だと、副交感神経が優位に働くようになり、血管は拡張して呼吸も落ち着き、血圧も下がってきます。

血圧と自律神経の関係

  • 疲労やストレスで緊張状態が続くと「交感神経」が活発に働き、血管が収縮して血圧が高くなる。
  • 心身ともにリラックスした状態だと「副交感神経」が優位に働き、血管は拡張して血圧も下がる。

気温の変化が原因

気温の変化による血圧の変動

血圧は気温の変化にも影響されて変動して、冬は血圧が上がりやすくなる。

血圧は気温の変化によっても変動します。

通常、血圧は夏に低くなり、冬は高くなる傾向があります。気温が低くなると、体温を保つために血管が収縮するためです。
また、気温が低くなることで汗をかきにくくなり、塩分の排泄が滞ることになります。そのため、冬は血圧が上がりやすくなるのです。
特に高血圧の人は冬に血圧が急上昇する場合があり、脳卒中心筋梗塞が起こるのも、冬が最も高くなります。

冬に血圧を急上昇させないための注意点など、こちらの記事で紹介していますので参考にして下さい。

血圧を高くする動作

このようにストレスや気温の変化で変動しやすい血圧ですが、それと重なることで、更に血圧を急上昇させてしまう動作があります。

血圧を急上昇させる日常の動作

  • 朝、寝過ごしてあわてて飛び起きる
  • 朝、急いで駅の階段を上り電車に飛び乗る
  • 気温が低い冬、トイレでいきむ
  • イライラして興奮して、大声で怒鳴る
  • お酒を飲んだ直後に、お風呂に入る
  • 睡眠不足の状態で重労働をする
  • 冬、外食して食べ過ぎたまま寒い外へ出る
  • 真夏に汗だくのままエアコンの風にあたる
気温の変化や精神状態など悪い条件と重なることで、血圧は不安定になり変動も大きくなります。

更年期で血圧が高くなる

血圧は女性と男性でも違いがあります。女性はホルモン「エストロゲン」が分泌されているため、男性よりも血圧が上がりにくいです。
しかし、エストロゲンの分泌が減少する更年期以降には、血圧が高くなる傾向があります。

そのため、女性は50歳を過ぎる更年期を境に、血圧が上がり高血圧になる可能性が高くなります。

パニック状態になって血圧が急上昇!

ストレスや疲労など、一過性の理由で血圧が高くなる場合には、その要因が改善されれば元の正常値に下がります。
しかし、別の病気が原因で血圧が急上昇する場合があります。

突然の発作によって血圧が急激に高くなる「パニック発作」は、激しい不安感や焦燥感から起こる症状です。

これは、激しい動悸や息苦しさ、めまい、震えや過呼吸などの症状が突然起こる病気で、「パニック障害 」または「パニック症候群」と呼ばれます。
以前は「不安神経症」と言われていて、発症率の高い病気でした。

「パニック発作」で急上昇した血圧は、降圧剤で治療することはできません。
精神科や心療内科の専門医で治療してもらう必要があります。

こんな高血圧には要注意!

高血圧緊急症(悪性高血圧)

短時間で血圧が急上昇する高血圧緊急症(悪性高血圧)は、合併症を併発して死に至る危険性もある。

高血圧は一般的に、じわじわと少しづつ血圧が上がっていくものです。そのため、自覚症状がほとんど表れません。

しかし、ごく短い期間に急速に血圧が上昇して、死に至る危険性がある「悪性高血圧」というものがあります。
このようなケースは発症率は少ないですが、高血圧緊急症(悪性高血圧)と言って、非常に血圧が高くなります。そのため、合併症を併発して死に至ることが多い危険な病気です。

発症するのは若い人に比較的多く、脳や心臓、腎臓、大動脈などに重い障害が起こり致命的となる可能性が高まります。そのため、すぐに降圧治療を開始する必要があります。

血圧の変動が起きやすいタイプ

血圧の変動

高齢者や動脈硬化が進行していると、特に血圧の変動が大きくなりやすい。

精神状態や気温でも変動しやすい血圧ですが、高齢者は特に血圧の変動が起こりやすくなります。

高齢者や高血圧の方は、横になっている状態から急に立ち上がると、「めまい」や「立ちくらみ」を起こすことがあります。これは、下股の血管反射の働きが鈍くなっているためです。特に、収縮期血圧の下がり方が大きくなり、立ちくらみを起こしやすくなるのです。

また、動脈硬化が進行していると血圧変動が起こりやすく、このような立ちくらみがきっかけとなって、脳梗塞心筋梗塞を起こす危険性もあります。

血圧の変動が起きやすいタイプ

  • 高齢者
  • 動脈硬化が進行している
このような血圧の変動は、長時間寝ていた状態から起き上がる、朝の起床時にリスクが大きくなります。
また、お風呂場では水圧を受けて血管が収縮するため、湯船から立ち上がる時に血圧の変動が激しくなり、立ちくらみを起こしやすくなります。

血圧の変動が起こりやすい瞬間

  • 朝の起床時(長時間横になっていた状態から起き上がる時)
  • 入浴時、湯船から立ち上がる時

血圧が急に上がったときには?

呼吸法で血圧を下げる

深呼吸や腹式呼吸にはリラックス効果があり、短時間で血圧を下げる作用がある。

長時間の車の運転や、仕事のストレス、突発的な感情の変化など、普段の生活の中では血圧を急に上昇させる要因があります。

そんな時のために、日頃から緊張を解きほぐすための“リラックス法”を身につけておくこといいでしょう。心身がリラックスすると、高くなった血圧を下げる効果があります

こちらの記事でいくつかのリラックス方法を紹介していますので、参考にして下さい。

また、時間がない時など誰でも簡単に行える効果的な方法が「呼吸法」です。
呼吸することで自律神経に直接影響を与えるため、高くなった血圧を下げる作用があります。

深呼吸の効果

  • 副交感神経を活発にして、リラックス効果が生まれる。
  • 血栓予防血管拡張作用により、プロスタグランジンが作られる。
複式呼吸の効果

  • 静脈の流れが良くなり、体の緊張やストレスを緩めてくれる。
  • 心臓の負担を少なくしてサポートする働きがある。
血圧を下げる「呼吸法」については、こちらの記事で詳しく紹介していますのでご覧下さい。

血圧は常に変動するもので、環境の変化などで急に上がる場合もあります。
しかし、急に血圧が上がるようことが頻繁に起こると、血管への負担がかかり動脈硬化を早めてしまう原因にもなります。
そのため、普段から血圧を上げる動作などには注意する必要があります。

また、疲労やストレスが続いて血圧が上がる要因がある場合には、自分なりのリラックス法を身につけておくことも大切です。


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