血圧を短時間で下げる「3つの呼吸法」とは?

短時間で血圧を下げる「呼吸法」

短時間で血圧を下げるのに効果的なのが「呼吸法」

病院などで血圧を測定すると、家庭よりも血圧が高くなる人もいます。それは、緊張によって血圧が上がるためです。

長時間の運転や仕事の疲れなど、ちょっとしたことでも心身が緊張すると血管が収縮し、血圧は上がります。
そんな時は、すぐに行えて血圧を下げるのに効果的な「呼吸法」がおすすめです。

深呼吸は血管を拡張して血圧を下げてくれる

深呼吸は鼻から息を肺いっぱいに吸って、口から息を吐ききります。これだけのことですが、直接血圧を下げる効果があります。

深呼吸するだけで本当に血圧が下がるの?と思われるかもしれませんが、呼吸は自律神経に影響を与えているため、血圧と深く関係しています。

自律神経には、交感神経副交感神経があります。交感神経は主に日中、エネルギーを消費させて心身を活動的にするように働く神経です。
副交感神経は逆に、夜などに心身を緊張から解きほぐして休息させるよう働く神経になります。

自律神経は2つの相対する神経から成り立つ

【交感神経】

  • 覚醒時や、緊張、不安、怒りなどを感じた時に働く。
  • 心臓の鼓動が早くなる。
  • エネルギーの消費を増大させる。

【副交感神経】

  • 睡眠中や、心が安定している時に働く。
  • 心臓の鼓動はゆっくりになる。
  • エネルギーを蓄えるように働く。

交感神経と副交感神経が交互に働きながら、身体機能のバランスを保っている。

精神的なストレスや不安、緊張すると、交感神経が活発に働き、血管が収縮して脈拍も呼吸も速くなるため、血圧が上がります。
反対に、気持ちが落ち着いてリラックスした状態だと、副交感神経が活発に働きます。そうすると、血管は拡張して脈拍が遅くなり、呼吸も落ち着いてくるため、血圧は自然と下がってきます。

このように、交感神経と副交感神経は、相反する働きを持っていて、体が感じる内と外の環境などによって自動的に切り替わって調整しているのです。
自律神経は感覚神経などとは違い、自分の意志で自由にコントロールすることができません。

しかし、「呼吸法」は、自律神経の切り替えをコントールできる唯一の方法です。

深い深呼吸で血圧が下がる

呼吸が速くなると脈拍も速くなり、呼吸が遅くなると脈拍もゆっくりになるので、呼吸をすることで体の働きを調整することができます。

この自律神経の切り替えを行っているのは、脳の扁桃体という部分になります。緊張して血圧が上がっている時は、深呼吸することで扁桃体がそれを察知して、副交感神経を活発に働かせようとします。ですので、ゆっくりと深呼吸することによって、リラックス効果が生まれ、交感神経の興奮を抑えることができるのです。
その結果、上がった血圧を下げることにつながります。

更に、深呼吸することで肺が大きく膨らむと、血栓が作られるのを予防したり、血管を広げて血圧低下作用のあるプロスタグランジンが作られるという報告もあります。

実際に、数回の深呼吸によって、血圧を30~40mmHg下げることができます。

深呼吸の血圧を下げる効果

  • 副交感神経を活発にして、リラックス効果が生まれる。
  • 血栓予防や血管拡張作用により、プロスタグランジンが作られる。
参考書籍:「高血圧のすべてがわかる本」

複式呼吸は血圧を下げる効果がある

複式呼吸で血圧を下げる

複式呼吸にも血圧を下げる効果がある。

複式呼吸も血圧を下げるのにとても効果的です。

複式呼吸はリラックスした状態で、お腹のおへその下辺りを意識して息を吸い、ゆっくりと吐きます。息を吸い込んでお腹に空気がたまると、お腹の静脈が圧迫されます。そして、息を吐くとお腹の圧力が弱まって静脈の流れが良くなります。
お腹を意識した複式呼吸は、体の緊張やストレスを緩めてくれるため、血圧を下げる効果があります。

複式呼吸のポイントは、息を吸う時よりも吐くのを長くすることです。これは、息を吐く時の方が副交感神経が主に働くためです。
息を吸い込む時は、腹部の大静脈が周囲よりも圧力が低くなり、下半身の血液を腹部に吸い上げる力が働きます。そして吐く時には、大静脈にたまった血液を心臓に押し戻すように働きます。
このように複式呼吸は、心臓の負担を少なくしてサポートする働きがあります。そのため、複式呼吸することで血圧を下げることにつながります。

複式呼吸の方法

  1. 全身の力を抜いて膝を立てて仰向けに寝ます。
  2. お腹に両手を当てて、動きを確認できるようにします。
  3. 鼻からゆっくりと大きく息を吸い込んで、お腹を膨らませます。
  4. ゆっくりと口から息を静かに長く吐いて、お腹から息を絞り出すようにお腹を引っ込めます。

これを1セットで10回程繰り返します。

複式呼吸のポイント

  • 深く息を吸い込む時は、お腹の中でボールをふくらませるイメージで。
  • 息を吐く時は、ボールをつぶすイメージで吐き出します。
  • 吐く息と吸う息は、1:2の割合で吐く息を長くします。
複式呼吸の血圧を下げる効果

  • 静脈の流れが良くなり、体の緊張やストレスを緩めてくれる。
  • 心臓の負担を少なくしてサポートする働きがある。
早朝高血圧夜間高血圧の人は、就寝前や起床時に、そのまま布団の上で行える複式呼吸をするよう心がけるようにするといいでしょう。
複式呼吸をマスターすることで、高血圧予防や心身のリラックスに役立てることができます。また、血圧の上昇を抑えることで、心筋梗塞脳梗塞などの発作を予防することにもつながります。

参考書籍:「高血圧のすべてがわかる本」

片鼻呼吸は血管を若返らせる?!

片鼻呼吸

片鼻呼吸には、一酸化窒素(NO)を活用して血管を若返らせる効果がある。

片鼻呼吸は、一酸化窒素(NO)を活用して血管を若返らせる効果が期待できます。
一酸化窒素は大気汚染物質として知られていますが、体内で作られる一酸化窒素は、神経系、免疫系など体のほとんどの働きに関わり、あらゆる部分の生理機能を正常に保つ働きをしています。

この一酸化窒素の働きは、高血圧とも関係しています。一酸化窒素が血管の平滑筋を緩めて、血管を拡張するため血流がスムーズになり、血圧を低下させる働きがあるのです。

また、一酸化窒素は強力な抗酸化物質なので、活性酸素を除去し、悪玉コレステロール(LDL)の酸化や血栓を予防する作用もあります。これによって、動脈硬化心臓病脳卒中を予防することにつながります。

一酸化窒素は鼻の粘膜から常に放出されています。片鼻で呼吸をすると、鼻粘膜で作られた一酸化窒素は一旦、鼻腔内にたまり、濃度の濃い一酸化窒素が体内に取り込まれるようになります。そのため、片鼻呼吸を行うと一酸化窒素を積極的に体内に摂り入れることができるのです。

一酸化窒素(NO)の血圧を下げる効果

  • 血管の平滑筋を緩め、血管を拡張して血流を促す。
  • 強力な抗酸化作用により、活性酸素を除去する。
  • 悪玉コレステロール(LDL)の酸化や血栓を予防する。
片鼻呼吸の方法

  1. 両鼻の穴をふさぐ。
  2. 右の鼻を開けて息を吸い込む。
  3. 右鼻をふさぎ左鼻を開けて、ゆっくり息を吐く。吐ききったら左鼻で息を吸い込む。
  4. 左鼻をふさぎ、右鼻を開けてゆっくり息を吐く。
これを1セットで、1日20回程行います。

有酸素運動と合わせて呼吸法を習慣化することで、血管内皮細胞の老化を防いで、柔軟な血管を保つことができます。
是非、日常生活の中でこれらの呼吸法を取り入れて、血圧降下を実感してみて下さい。

参考書籍:「高血圧のすべてがわかる本」

血管を健康にして血圧を安定させる

血管ケアで血圧安定

日頃の血管ケアが自信となり、血圧の安定をもたらす。

一時的に血圧が高くなるだけで、まだ高血圧になっていない人でも、血圧が不安定に変動することで血管への負荷がかかることになります。そのような状態が長く続くと、血管の老化が促進されて、動脈硬化の要因となります。

動脈硬化は高血圧となる大きな要因だけではなく、危険な血管病を引き起こす原因でもあります。
一時的な血圧の変動を改善するには呼吸法が効果的ですが、長期的な改善には日々の食生活が大きく影響してきます。
そのため、日頃から血液や血管を健康にする食事を心がけるよう、血管ケアを行うことが大切になります。
毎日の食事で血管を健康にすることで、それが自信となり、血圧の安定にもつながるはずです。

血管を強くして高血圧を予防する食生活について、こちらの記事で紹介していますので参考にして下さい。

血管ケアのための食生活

黒にんにく
血管ケアのためには、血液をサラサラにして血管を健康にする成分が含まれた食べ物を積極的に摂るようにするといいでしょう。
最近、健康食品として注目されている「黒にんにく」には、血液をサラサラにするなど血管ケアに効果的な成分が豊富に含まれています。

「黒にんにく」の効果については、こちらの記事で詳しく紹介していますので、参考にして下さい。

また、日頃仕事が忙しく、外食などが増えて食事が不規則になりがちな人は、栄養の偏りが気になりますよね。
できれば食事で必要な栄養を摂るのが最も効果的ですが、そうできない場合もあると思います。
そんな忙しい人の食生活をサポートしてくれるのがサプリメントです。サプリメントは携帯できるので、いつでも手軽に必要な栄養成分を摂取するのに役立ちます。

こちらの記事に、黒にんにくの成分が含まれたサプリメントを厳選して紹介しています。サプリメントの利用を考えている方は是非、参考にしてみて下さい。

黒にんにくサプリメントの中で、特に人気の商品が『三黒の美酢』です。『三黒の美酢』についての口コミや評判については、こちらの記事で紹介していますので、参考にして下さい。

血管を健康に若々しく保つことで、不安定になりがちな血圧を改善することが期待できます。
是非、からだの中からの血管ケアを行ってみてはいかがでしょう?

サブコンテンツ

悩み別で選ぶ 血圧改善サプリでを試した感想