血圧を下げる身近な食材の効果とは?
血圧を下げる効果のある食材には様々なものがあります。普段何気なく食べているものにも、意外に血圧を下げる効果があったりするのです。
また、同じ食材でも食べ方や種類によって、その効果が増すものもあります。
今回は、身近でよく食べられているもので、意外に知られていない血圧を下げる効果のある食材をご紹介します。
「蕎麦」に含まれるルチンに血圧を下げる効果が!
「ルチン」はポリフェノールの成分で、血管を丈夫にして血圧を下げる働きがあります。そこで、ルチンを効率よく摂取するのにおすすめなのが、蕎麦です。

蕎麦に血圧を下げる成分が豊富に含まれていた。
目次
1日に必要とされるルチンの量は、約30mgです。
蕎麦100gには、約100mgのルチンが含まれています。ですので、蕎麦1食を食べることで、1日で必要なルチンを十分摂ることができるのです。
- 1日に必要なルチンの量 = 30mg
- 蕎麦100mgに含まれるルチンの量 = 100mg
更に、蕎麦に含まれるルチンの成分をしっかりと摂り込むためには、蕎麦を食べた後に蕎麦湯までいただくようにするといいでしょう。
ルチンは水溶性の成分のため、有効成分が蕎麦の茹で汁に流れ出てしまうためです。
また、ルチンはビタミンCと一緒に摂ることで、よりその効果を増します。蕎麦の薬味としてよく付いている大根おろしは、ビタミンCが豊富ですので、お勧めです。
蕎麦の中でも特にお勧めなのが、「ダッタン蕎麦」です。ダッタン蕎麦には、普通の蕎麦の80〜100倍ものルチンが含まれていることがわかっています。
- ルチンは水溶性のため蕎麦湯までいただくようにす
- 大根おろしなどのビタミンCと一緒に摂る
ぶどうやブルーベリーにも降圧作用がある?!

ぶどうやブルーベリーのアントシアニンには血栓予防や血液サラサラ効果がある
赤ワインは、血液をサラサラにする効果があることでよく知られています。これは、赤ワインに含まれるポリフェノールの働きによるものです。
これと同様の効果が、ぶどうやブルーベリー、赤紫蘇(あかしそ)、茄子(なす)にも含まれていることが近年の研究で明らかになっています。
- ぶどう
- ブルーベリー
- 赤紫蘇(あかしそ)
- 茄子
これは、ポリフェノールの一種「アントシアニン」という赤紫色の色素成分によるものです。アントシアニンにはこれ以外にも、毛細血管を保護したり、血栓をできにくくする作用もあります。
- 血液をサラサラにする
- 毛細血管を保護する
- 血栓をできにくくする
- 血液の循環を良くする
- 冠状動脈を拡張して血流を促進する

緑茶に含まれる「カテキン」にも降圧効果が期待できる。
玉ねぎは皮まで血圧を下げる効果がある?
玉ねぎは生のまま食べると辛味がありますよね。この辛味成分、硫化プロピルは、切って置いておくことで酵素と反応して変化します。
この時に出る成分「トリスルフィド」には、血圧を下げる作用があります。また、血液中のコレステロールや中性脂肪を減らす働きもあります。
- 血圧降下作用
- コレステロールの低下
- 中性脂肪の低下

玉葱は炒めてもスープにしても効果的。
トリスルフィドの有効成分は、煮汁にも溶け出していますので、煮込む場合はスープまで一緒に食べるようにすると効果的です。
また、玉ねぎには「ケルセチン」というポリフェノールも含まれています。これは血圧を下げたり動脈硬化を予防する効果があります。この成分は、玉ねぎの皮の部分に豊富に含まれています。
- 血圧降下作用
- 動脈硬化の予防
玉ねぎのうす皮の煎じ汁
- 玉ねぎの茶色のうす皮を、鍋に水と一緒に入れ、半量になるまで煎じて飲む。
※1日の目安量は5〜10g
これらの玉ねぎの有効成分を摂り入れるためには、大量に食べる必要はありません。
1日に食べる量としては、玉ねぎ4分の1個で十分にその成分を摂り込むことができます。しかも、生でも加熱してもその効果に変わりはないので、毎日の食事にも活用しやすいですね。
カリウムを多く含む梅干しにはデトックス効果も?!
血圧を下げるためには、余分なナトリウムを体外に排出させるカリウムが有効ですが、梅干しにはこのカリウムが多く含まれています。
この成分だけでも血圧を下げる効果は十分ですが、更に梅干しにはクエン酸も多く含まれています。クエン酸は代謝をスムーズにして、老廃物を排出する働きがあります。そのため脂肪の沈着を防いでくれます。つまり、梅干しを食べることでデトックス効果も期待できるのです。

梅干しには老廃物の排出やデトックス効果もある。
- 余分なナトリウムの排出して血圧を下げる
- 老廃物を排出して脂肪の沈着を防ぐ
- デトックス効果
ただし、塩分が多く含まれていると効果が半減してしまいますので、低塩、減塩の梅干しを選ぶと良いでしょう。
ごまには血圧の上昇を抑える効果が
ごまには「ゴマリグナン」という特有の成分が含まれています。このゴマリグナンには、強い抗酸化作用があり、血液中のコレステロールを低下させたり、血圧の上昇を抑える作用があるのです。
- 強い抗酸化作用
- コレステロールの低下
- 血圧の上昇を抑える作用
1日にごま大さじ1杯くらいを目安に食べると良いでしょう。ごまは様々な料理に合いますので、日々の食事に習慣的に摂り入れたい食材ですね。
にんにくは「ニオイ成分」に降圧効果がある?

にんにくの臭い成分スコルジニンには血圧降下作用がある
にんにくのニオイは独特ですが、これは「スコルジニン」という成分によるものです。このスコルジニンには、血管を拡張させ、血液の循環を促す効果があります。
つまり、このにんにくのにおい成分には血圧を下げる効果があるのです。
- 血管拡張作用
- 血液の循環を促進
- 血圧を下げる
1日の目安としては、にんにく1片を食べるようにすると良いでしょう。

にんにくを発酵・熟成させた黒にんにくは、有効成分が飛躍的に増加している
また、最近健康食品として話題の「黒にんにく」ですが、これはにんにくの効果が更にアップしているためです。
黒にんにくは、生にんにくを長時間発酵・熟成して作られた発酵食品になります。発酵・熟成することで、にんにくに含まれている有効成分が飛躍的に増加することがわかっています。
それによって、抗酸化作用や免疫力、抗がん作用が更に強まるのです。
黒にんにくの優れた効果については、こちらの記事で詳しく説明していますのでご覧下さい。
ここに紹介した食材は、どれも日常的に食べられているものばかりです。
「血圧を下げる効果がある」ということを意識して、普段の食生活の中で習慣的に食べるようにすると、その効果もいっそう期待できるはずです。