「にんにく」が血圧を下げる – 黒にんにくは更に効果的?

にんにく

食生活の改善で血圧を下げるためには、ある程度の期間継続することによって、その効果が実感できます。しかし中には、食べ始めて直ぐにその効果が実感できる食べ物もあります。

今回は、血圧を下げる有効成分が豊富に含まれるニンニクに注目したいと思います。更に、その効果を高めるとされる話題の健康食品「黒にんにく」ですが、身近でも高血圧が改善されたという声を多く聞きます。その効果について詳しく見てみましょう。

「にんにく」は血圧を下げる効果がある?!

にんにくと言うと“スタミナアップ”や“滋養強壮”のイメージが強く、血圧を上げるのでは?というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。しかし実際には、にんにくには血圧を下げる効果があるのです。
また、高血圧だけでなく低血圧の人に対しては血圧を上げて正常値にする作用も期待できます。そのため、にんにくには血圧を下げる作用があるのではなく、血圧を正常な値に保とうとさせる、ホメオスタシス(恒常性)効果があると考えられます。

血圧が高くなる直接の原因は「心拍数の増加」「血管の弾力性の低下」や「ドロドロ血液」などです。血管にコレステロールが蓄積することにより、血管が細くなることも高血圧の原因となります。

にんにくの高血圧予防・改善効果の仕組み

にんにくが高血圧の予防や改善に効果があるというのには、にんにくが持っている血管拡張作用コレステロールの低下血液をサラサラにする作用があるためです。

にんにくの高血圧を予防・改善する効果

  • 血管を拡張する効能
  • コレステロールを低下させる効能
  • 血液をサラサラにする効能

にんにくの血管を拡張する効能

にんにくを食べると血管が拡張することが確認されています。その仕組みにはいくつかの要因が上げられます。

  • にんにくに含まれるアリシンジアリルスルフィドアデノシンといった成分が血管平滑筋を弛緩させることで血管を拡張させる。
  • にんにくに含まれるスコルジニン末梢血管を拡張させる。
  • にんにくに含まれる硫黄化合物が血液中の赤血球と反応して放出される硫化水素血管を拡張する。
血管が拡張されることで、血流が良くなり血圧は下がります。そのため、にんにくにの血管拡張作用によって、高血圧の予防や改善を促進すると言えるのです。

にんにくのコレステロールを低下させる効能

にんにくに含まれるS-アリルシステインアホエンビニルジチインといった成分が、体内でコレステロール合成に必要な補酵素の働きを妨げます。そのため、コレステロールが生産されるのを抑制する作用があります。
また、にんにくから産出されるジアリルジスルフィドジアリルトリスルフィドといった成分は、肝臓に蓄えられたコレステロールの排出を促進する作用があります。それにより、体内のコレステロール量を減らす効果があるのです。

コレステロールを抑制することで、コレステロールが血管内に溜まり血管が細くなることを軽減することができます。そのため、血圧が高くなるのを防ぐ効果があるのです。

にんにくの血液をサラサラにする効能

にんにくにはスコルジニンという成分が含まれていますが、この成分には血栓を予防したり、末梢血管の血液の流れを改善するという働きがあります。そのため、血液をサラサラにする効果があるのです。

「黒にんにく」になると、更に有効成分が高まる?!

黒にんにく

このように健康にいい成分が豊富なにんにくですが、更にその効果が高まるとされて、最近話題の商品があります。それが「黒にんにく」です。

「黒にんにく」とは、一般の白いにんにくを高温・多湿という環境のもとで、約1ヶ月程度熟成させて作られたものです。にんにくは熟成される過程で徐々に黒くなり、最終的には真っ黒になって熟成が完了します。そのため、「黒にんにく」と呼ばれるようになったのです。
一般的には「黒にんにく」と呼ばれていますが、「発酵黒にんにく」や「発酵にんにく」「熟成にんにく」と呼ばれていることもあります。

黒にんにくが通常のにんにくと比べて異なる点は、色が黒いという以外に、にんにく特有のニオイが無くなることです。また、成分や効能にも変化が出ます。

黒にんにくの特徴

  • 色が黒い
  • にんにく特有の刺激臭が無い
  • 糖度が増え、ドライフルーツのような甘さがある
  • アミノ酸(たんぱく質)が増加する
  • 有効成分「S-アリルシステイン」が増える
  • ポリフェノールが増加する
  • 抗酸化作用が強まる
  • 免疫力強化作用が強まる
  • がんの予防効果が向上する
黒にんにくの成分は、にんにくの種類や熟成の条件によって多少の違いはありますが、青森県黒にんにく協会や三重大学の調査によると、次のような変化が見られたという報告があります。

黒にんにくの成分内容の変化

  • アミノ酸18種のうち13種類が増加した。
  • 炭水化物の量が1.7倍に増加した。
  • S-アリルシステインの量が8倍に増加した。
  • ポリフェノールの量が812倍に増加した。

「黒にんにく」で増える成分で注目される効能

黒にんにくで増加する成分の代表格と言えるのが「S-アリルシステイン」です。S-アリルシステインはにんにくにしか含まれていない成分ですが、通常のにんにくには微量しか含まれていません。
しかし、黒にんにくのようにニンニクを熟成・発酵させることで、S-アリルシステインは急激に増加するのです。

S-アリルシステインの効能で最も特長的なのが、免疫細胞である「NK細胞(ナチュラル・キラー細胞)」を活性化する作用です。これは、佐々木元弘前大学教授の研究報告によって確認されています。
NK細胞とは通常の免疫細胞とは異なり、免疫プロセスを経ずに有害物質を攻撃する細胞で、ウィルスや腫瘍などの排除に威力を発揮します。
黒にんにくがガン予防に効果的だとされるのも、このS-アリルシステインにNK細胞を活性化させる効能があることからです。通常のにんにくにもガン予防作用の効能は確認されていますが、黒にんにくは更に強い効果が見込めると言われています。

その他にも、S-アリルシステインにはニンニクが持つ抗酸化作用を高める働きがあると考えられています。それは、黒にんにくになると通常のにんにくと比べてポリフェノール総量が増加し、活性酸素を除去する抗酸化力が高まるためです。
これも、このS-アリルシステインが大幅に増えることが影響していると考えられます。

また、黒にんにくはアミノ酸も増加する傾向にあります。にんにくの種類や熟成方法によってその内容にはバラつきがあるものの、大きく減少する成分は無く、全体的には増加傾向にあります。
更に、ミネラルに関しても「ナトリウム」「カリウム」「マグネシウム」「」「亜鉛」などが増加することがわかっています。

黒にんにくは今や健康食品やサプリメントとして販売されるほど、健康への効能や効果が期待されている食品です。そもそも黒にんにくは健康増進のための研究過程で生まれたと言われています。
通常のにんにくも多くの効能や効果が期待できますが、熟成発酵された黒にんにくでは、その効能の中で作用が強まるものがあるのです。

黒にんにくの注目される効能

  • 抗酸化作用が強まる
  • 免疫力を高める
  • 抗がん作用が強まる

「黒にんにく」で、更に血圧を下げる効果が高まる?

ニンニクには元々、血圧を正常に戻す働きがありますが、「黒にんにく」になると、その効果が更に高まることがわかりました。

「黒にんにく」には、血管を拡張して血液の循環を良くする作用のあるアリシンが豊富に含まれています。アリシンは、ニンニクのあの独特の臭い成分になります。この物質は殺菌力が非常に強く、ウイルスやコレラ菌などをも殺菌する程で、最近では花粉症などのアレルギーが改善されたり、動脈硬化などの生活習慣病の改善にも役立つのです。
アリシンは元々ニンニクに含まれていますが、100度以上に加熱することでアホエンという成分に変化して、血液をサラサラにする効果が高まるのです。
黒にんにくは熟成されているため、スコルジニンの働きが強化され、アリシンは発酵熟成の過程でアホエンに変換されます。

また、黒にんにくには抗酸化作用が高いポリフェノールが多く含まれているため、血管の活性酸素を除去して血液の流れをスムーズにしてくれます。
更に、黒にんにくだけが持つ特有の成分であるS-アリルシステインには、血中のコレステロールを減少させたり、血栓を防ぐ効果もあります。そのため、黒にんにくは高血圧の予防や改善に高い効果が期待できるのです。
またそれだけではなく、血行を促進して血管を強化するなど、血液に関してのあらゆる効果があると言われています。

黒にんにくは長時間熟成させることで、動脈硬化に効果があるポリフェノールの一種「シクロアリイン」という成分が、にんにくの数十倍に増加します。このシクロアリインは血液の状態を改善してサラサラにし、動脈硬化を改善したり予防する効果が期待できるのです。

このように、ニンニクを熟成発酵することで、様々な有効成分が強化されます。そのため、生のニンニクよりも黒にんにくの方が、血液をサラサラにして高血圧を改善する効果が高まるというわけです。

黒にんにくで増える成分とその効能

  • S-アリルシステイン
    血行を促進したり血管を強化する効果が高まる
  • シクロアリイン
    血中のコレステロール減少、血栓予防、血液をサラサラにして動脈硬化を改善する効果が高まる
  • アリシンアホエン
    血管にできる血栓の発生を予防、血液中のコレステロールの吸収を抑えたり血液の凝固を防ぐ作用で血液をサラサラにしてくれます。
  • ジメチルトリスルフィド
    小板凝集能抑制効果や血液凝固能抑制の効果により、動脈硬化を予防する。
  • スコルジニン
    毛細血管を拡張して、血行促進や高血圧を抑える働きがある。
黒にんにくになって強まる効能として、血液がサラサラになることで血管への圧力が低下し、高血圧を予防・改善することができます。
また、血圧が下がり血液の循環が良くなり血行が促進されることで、血液のトラブルを改善して、脳梗塞心筋梗塞などの予防にも繋がるのです。

「黒にんにく」の摂取量の目安は?

黒にんにくは見た目は真っ黒ですが、あのニンニク独特の臭いは和らぎ、ドライフルーツのような甘味があってとても食べやすいのです。
高血圧動脈硬化の予防や改善には、黒にんにくを毎日食べることで血圧を安定にする効果が期待できます。摂取量の目安は、普通の人では11片ですが、高血圧や動脈硬化などの問題がある場合には、23片程食べるといいでしょう。

このように、にんにくの効能が更に高まった黒にんにくには、血管への圧力を軽減して直接的に高血圧の要因を軽減する働きを期待することができます。
実際に私の周りでも、黒にんにくにを食べだしてから早い段階で血圧が下がったことを実感している人が多くいます。

しかし、高血圧の根本的な要因を改善するためには、運動やバランスのよい食事、十分な睡眠や規則正しい生活といった生活習慣の改善が重要です。これらの生活習慣の改善と合わせて、にんにくの効果をプラスしてみてはいかがでしょう?

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