血圧を下げるツボ – 高血圧の改善とツボについて
頭痛や肩こりなどの体調不良に、ツボを刺激することで症状が軽減されることがあります。
そこで、血圧を下げるのに効果的なツボというのもあるのでしょうか?
今回は、血圧を下げたり、高血圧にともなう不快な症状を緩和するツボをご紹介します。
目次
血圧を下げるツボは?
ツボの刺激で体の不調を改善するのは、東洋医学の考えに基づいています。
東洋医学では、体のエネルギーを「気(き)」「血(けつ)」としてとらえ、「経絡(けいらく)」を通り道に全身を巡っていると考えます。そして、この経絡に点在しているのが「ツボ」です。
「気」や「血」の流れが悪くなると、体に不調が起こり、ツボに強い反応が現れます。そこで、ツボを刺激することによって、気や血の流れがスムーズになり、体調の改善につながります。
ツボ刺激は、内臓や自律神経などにもよい影響を与えて、健康増進にも役立つものです。
血東洋医学での高血圧改善
東洋医学には、「血圧を数値でみる」という概念がありません。高血圧は、「肝(かん)」と「腎(じん)」の働きのバランスが崩れた結果、体液の流れが悪くなり、血液がドロドロになったために現れる症状です。
そのため、高血圧の改善には、「肝」と「腎」の働きを活発にするツボや、血流を改善するツボへの刺激が有効とされています。
また、高血圧が慢性化してともなう、頭痛やめまい、肩こり、のぼせ、動悸などの不快な症状を緩和するために、ツボ刺激によって自己療養に役立てます。
ツボで血圧を下げる効果はあるの?
ツボ刺激を行って、即効的に血圧が下がるものではありません。
ツボ刺激は気長に続けることで、症状がしだいに改善される可能性があります。また、高血圧にともなう不快な症状を和らげたり、血流を改善する効果が期待できます。それによって、ドロドロ血液をサラサラにして、動脈硬化を予防することにもつながります。
ただし、ツボ刺激は高血圧を治療するものではありませんので、重度の高血圧の場合には、必ず医師の診断を受けるようにしましょう。
また、高い血圧をそのまま放置することは危険です。勝手な自己判断はせずに、医師に相談しながらツボ刺激をとり入れるようにするのがいいでしょう。
参照書籍:「高血圧をらくらく下げるコツがわかる本」
血圧を下げる効果が期待できるツボは?
血圧をコントロールする特効ツボ
耳の後ろと足の甲には、血圧に関わる重要なツボがあります。
継続的にツボ刺激することで、不快な症状の緩和や、血圧を下げる効果が期待できます。
ツボの位置:耳の裏側にある、下に向かって出っ張っている骨の下先端から1cm程下のところ。
刺激法:1)人差し指の先で、「5秒押して2秒休む」を3分。2)つまようじを3~5本束ねて、頭の方で「3秒押して1秒休む」を3分。
回数:朝と晩、1日2回。
効果のある症状:高血圧一般
ツボの位置:足の甲側で、親指と人差し指のつけ根。
刺激法:1)人差し指の先で、「5秒押して2秒休む」を3分。2)つまようじを3~5本束ねて、頭の方で「3秒押して1秒休む」を3分。
回数:朝と晩、1日2回。
効果のある症状:高血圧で顔がほてる、ストレスでイライラする、便秘症状の改善に期待できる。
耳の降圧ツボ

耳には、全身に関わるツボが集中していて、上部周辺に 高血圧の改善に効果が期待できるツボがある。
耳は、全身に関わるツボが集中しています。
高血圧の改善には、耳の上部周辺に効果が期待できるツボがあります。
ツボの位置:耳上部の中心にある耳尖周辺。
刺激法:親指と人差し指の先でつまみ、小刻みに前後に動かす。左右1分ずつ。
回数:朝と晩、1日2回。
効果のある症状:高血圧一般
ツボの位置:耳屏の上側の隆起部分。
刺激法:つまようじ1本の頭のほう(尖っていない方)で押す。「3秒押して1秒休む」をリズミカルに繰り返す。左右各3分。
回数:朝と晩、1日2回。
効果のある症状:高血圧一般
ツボの位置:耳屏の上側の隆起部分。
刺激法:つまようじ1本の頭のほうで押す。「3秒押して1秒休む」をリズミカルに繰り返す。左右各3分。
回数:朝と晩、1日2回。
効果のある症状:高血圧一般
高血圧治療の定番のツボ

頭部と足には、鍼灸師がよく使う高血圧の改善やそれにともなう不快な症状をやわらげるツボがある。
高血圧の改善や、それにともなう不快な症状をやわらげるのに、プロの鍼灸師がよく使うツボが、頭部と足にあります。
ツボの位置:後頭部中央の髪の生え際から真上に、指で押し上げると骨がぶつかる。そこから指2本分外側のところ。
刺激法:1)親指の先で、顔面の反対側の目に向かって力を加える感じで押し込む。「5秒押して2秒休む」を3分。2)つまようじ3~5本束ねて、頭の方で押す。「3秒押して1秒休む」を3分。
回数:朝と晩、1日2回。
効果のある症状:血圧が上がって顔のほてり、イライラするときに鎮静効果が期待できる。また、頭痛、肩こり、疲労回復の改善、ストレス解消にも効果的。
ツボの位置:耳たぶのつけ根の真下のくぼみ。口を開けると、くぼむところ。
刺激法:1)人差し指の先でグーッと押し込む。「5秒押して2秒休む」を3分。2)つまようじ3~5本束ねて、頭の方で押す。「3秒押して1秒休む」を3分。
回数:朝と晩、1日2回。
効果のある症状:血圧が上がって顔のほてり、イライラするときに鎮静効果が期待できる。また、頭痛、肩こり、疲労回復の改善、ストレス解消にも効果的。
ツボの位置:膝下のすねの上にある骨の出っ張りから外側に向かって指2本のところ。
刺激法:1)つまようじ3~5本束ねて、頭の方で押す。「5秒押して2秒休む」を3分。2)その後、時間があれば簡単灸を3~5回すえる。
回数:朝と晩、1日2回。
効果のある症状:全身の血流を改善して、自律神経を整える効果が期待できる。動脈硬化の予防やストレス解消にも効果的。
ストレス解消、血流を促す手と足のツボ

手首には、ストレスや疲労の解消に効果が期待できるツボがある。
ストレスや疲労の解消に効果が期待できる手首のツボをご紹介します。
手のツボ刺激は手軽にできるので、習慣的に行うようにすると効果も期待できるでしょう。
ツボの位置:手首の内側。手首のシワの中央から肘に向かって指2本のところ。
刺激法:1)親指の腹で、やや強めに押す。「5秒押して2秒休む」を3分。2)つまようじ3~5本束ねて、頭の方で押す。「3秒押して1秒休む」を3分。
回数:朝と晩、1日2回。その他、必要によって随時。
効果のある症状:ストレスに効果的なツボ。特に心臓系の息苦しさや動悸の解消にも効果が期待できる。
ツボの位置:手首の関節部の小指側の端で、くぼんだところ。
刺激法:1)親指の腹で、やや強めに押す。「5秒押して2秒休む」を3分。2)つまようじ3~5本束ねて、頭の方で押す。「3秒押して1秒休む」を3分。
回数:朝と晩、1日2回。その他、必要によって随時。
効果のある症状:ストレスの緩和や、疲れやだるさを解消するのに効果的。
ツボの位置:肘を曲げたときにできる横じわの親指側。
刺激法:1)親指の腹で垂直に、強く押し込む。「5秒押して1秒休む」を5分。
回数:朝と晩、1日2回。
効果のある症状:血圧が上がって顔のほてり、イライラするときに鎮静効果が期待できる。また、頭痛、肩こり、疲労回復の改善、ストレス解消にも効果的。
ツボの位置:足の親指と人差し指のつけ根から、足首の方向へ指で押し上げて指が止まるところ。
刺激法:1)人差し指の先で押し込む。「5秒押して2秒休む」を3分。2)つまようじ3~5本束ねて、頭の方で押す。「3秒押して1秒休む」を3分。
回数:朝と晩、1日2回。
効果のある症状:ドロドロ血液の改善に効果的。血流を促して血行促進効果が期待できる。ストレス解消にも効果的なツボ。
ツボの位置:足の内くるぶしとアキレスけんとの間で、脈が触れるところ。
刺激法:1)親指の腹で垂直に、強く押し込む。「5秒押して1秒休む」を5分。アキレスけんの裏に向かって押すようにする。
回数:朝と晩、1日2回。
効果のある症状:血行を促進して冷えの改善に効果的。疲れやだるさの軽減にも効果が期待できる。
ツボの位置:内くるぶしの中央から、すねに沿って膝の方へ指4本分上がった骨の内側の際。
刺激法:1)親指の腹で垂直に、強く押し込む。「5秒押して1秒休む」を5分。骨の裏に向かって押すようにする。
回数:朝と晩、1日2回。
効果のある症状:血行を促進して冷えの改善に効果的。疲れやだるさの軽減にも効果が期待できる。
高血圧の不快症状を軽減するツボ
お腹と背中にも、高血圧の不快な症状を軽減するのに効果的なツボがあります。
ツボの位置:へそから真下に指2本分のところ。
刺激法:1)仰向けに寝て、お腹の緊張をゆるめ、親指の腹で押しながら、五百円玉程の円を描くように5分もみ回す。2)ドライヤーなどで5分程温める。3)その後、時間があれば簡単灸を3~5回すえる。
回数:朝と晩、1日2回。
効果のある症状:気力を増すツボで、体を温めて冷えの緩和に効果が期待できる。汗をかきやすい人にも効果的。
ツボの位置:へそから真下に指4本分のところ。
刺激法:1)仰向けに寝て、お腹の緊張をゆるめ、親指の腹で押しながら、五百円玉程の円を描くように5分もみ回す。2)ドライヤーなどで5分程温める。3)その後、時間があれば簡単灸を3~5回すえる。
回数:朝と晩、1日2回。
効果のある症状:腹式呼吸の「丹田(たんでん)」にあたるツボ。体を温めて冷えの緩和に効果が期待できる。汗をかきやすい人にも効果的。
背中の両側には、循環器系の働きをよくするツボが集まっています。
ツボの位置:肩甲骨の下端を結んだ線上の背骨から2つ下の背骨と、すぐ下の背骨の間から両側に指2本分
のところ。
刺激法:うつ伏せに寝て、誰からに親指の腹でグーッと押し込んでもらう。「5秒押して2秒休む」を5分。時々10秒くらい長く押し込むとより効果的。
回数:朝と晩、1日2回。
効果のある症状:肝機能と結びつきの深いツボ。肝機能の働きを高めて、消化を促進する効果が期待できる。高血圧で顔のほてりや、イライラしやすい症状の緩和に役立つ。
ツボの位置:左右の骨盤の上端を結んだ線上の背骨から2つ上の骨と、すぐ下の背骨の間から両側に指2本分のところ。
刺激法:うつ伏せに寝て、誰からに親指の腹でグーッと押し込んでもらう。「5秒押して2秒休む」を5分。時々10秒くらい長く押し込むとより効果的。
回数:朝と晩、1日2回。
効果のある症状:腎機能の働きを高めて、腰部の血行をよくするツボ。腰痛の軽減や体の冷えの緩和などに効果が期待できる。
注釈:本記事を参考にして、怪我や体調不調が起きた場合、サイト運営者は責任を負いませんので、専門の治療院で指導の元行うことをお勧めします。
ツボを刺激する方法と注意点
ツボの見つけ方は、同じツボへの刺激を1週間程行います。刺激が体に馴染んできたら、そのツボが体質に合っているということです。
逆に、変化がなければ、ツボの位置をずらして試してみます。
- 押すと気持ちいい
- 硬くグリグリしている
- 押すとズシンと響く
- 周囲より冷たかったり、温かかったり、温度差がある。
- 皮膚がざらざらしている
- 親指の腹で押す
- つまようじで押す
- 灸で温める
- 小さい突起物で刺激する
寝る前など、リラックスしている時に行うのが効果的です。
また、ツボ刺激はやり過ぎないように注意します。心地よい疲労感を感じて、体が温まってくる程度に行うようにするといいでしょう。
- 1回に刺激するツボは、左右一ヶ所のツボで三箇所までにする。
時間は最大30分を限度に。 - 飲酒時、発熱時、空腹時、入浴前後1時間、体調が弱っている時は避ける。
- 外傷や化膿がある箇所は避ける。
- 刺激中に、のぼせや疲労感、冷や汗や生唾が出るようであれば、すぐに中断する。
ツボ刺激のまとめ
ツボ刺激は、病気を治したり、即効的な効果があるものではありません。しかし、根気良く続けることで、不快な症状の緩和や改善に効果が期待できます。
また、自宅にいて自分で行えるのも利点です。
体全身の巡りをよくするためにも、自分に合ったツボを見つけてみてはいかがでしょう?