その血圧測定方法、間違ってる?病院と自宅で違うのはなぜ
高血圧を管理していく上で、食事療法や運動などの他に、何ができるでしょうか?
積極的に実践すべきことのひとつに、血圧測定があります。中でも欠かせないのが「血圧の自己測定」です。
病院など、医療機関で医師が測定する血圧を「外来血圧」といいます。これに対して、自宅で測定する血圧は「家庭血圧」となります。
ただし、外来血圧と家庭血圧の値に、大きく差が出る場合があるのです。
病院と自宅で血圧が違うのはなぜ?
医療機関で血圧を測ると、自宅で測る値より高くなる場合があります。これは「白衣高血圧」といって、よく見られる現象です。外来で測った血圧の方が、高くなってしまうのです。
その理由は、病院という独特の雰囲気の中、白衣を着た医師や看護師さんを前にして、緊張することによって、一時的に血圧が上がってしまうからです。
緊張することによって一時的に血圧が上がるだけなので、心血管病や脳卒中などに繋がる心配はあまりないと思われます。
しかし、最近ではその逆で、外来では正常血圧なのに、自宅で測ると血圧が高くなるという「仮面(逆白衣)高血圧」という場合があります。
この「仮面高血圧」の場合、病気の発見が遅れる可能性が高まります。治療効果の判断の誤りにつながりやすく、合併症のリスクも高まりますから、注意が必要です。
そこで、高血圧の人は日常生活での正しい血圧を把握することがとても大切になってくるのです。
家庭での正しい血圧の測り方は?
最近は、手軽に血圧を測定できる機器が普及しています。そのため、自宅や外出先でも血圧を測る方が多いようです。自分で血圧を測定する時に、特に注意する点は、測る時間・タイミングです。
血圧は、睡眠時は低くなり、起きている日中は高くなります。また、一般的に明け方から高くなり始めて、目覚めた直後がピークとなります。
早朝の血圧が特に高い状態を「早朝高血圧」といいます。この時間帯に突然死などの起こるリスクが高くなるのです。
病院での測定では、このような血圧の変動が分かりません。自宅での測定で、自分の血圧の変動を把握することが大切です。
自宅で血圧を正しく測定するためには、以下のことに注意が必要です。
- 起床後や就寝前の、毎日決まった時間に測定する。
- 血圧を測る前の10〜15分間は安静にして、測定中はしゃべらない。
(しゃべるだけでも血圧は約10mmHg上がります) - 測定前にトイレは済ませておく。
- 食前に測定する。
- 運動後・興奮したり寒い場所にいた後は、30分以上間をあける。
- 測定器のカフを巻いた腕が、心臓の高さと同じ位置になるようにし、座って測定する。
- 血圧を記録する時は、2〜3回測定して、その平均値を記す。
血圧の自己測定は、起床後1時間以内の、排尿後の食事前。それから、就寝前に1回の、1日2回。毎日一定の時間に測定することです。
いつも同じ条件で測定することで、血圧の変動を把握することができます。