降圧剤にはどのような副作用があるのか?


近年、高齢者の半分以上の人が高血圧治療で薬を処方されて飲んでいます。
降圧剤を長年飲み続けると心配になるのが、“薬の副作用”です。

どんな薬にも副作用はつきものです。ましてや、長期間服用し続けることになると、薬が体に及ぼす影響が心配になります。
しかも、降圧剤の副作用では認知症が早まるという話も耳にします。

そこで、降圧剤にはどのような副作用があるのか、詳しく見ていきましょう。

薬

薬の副作用については、人によっても違いますし、必ず発症するものでもありません。
それでも、「この薬にはこんな副作用がある」という知識を持っていれば、体に何らかの異変を感じた場合、それが副作用によるものかどうかを判断する材料にはなります。

どんな薬にも副作用はつきもの

自分が飲んでいる降圧剤には、どのような副作用があるかを認識しておくと、体の異変が副作用によるものかを判断できる。

降圧剤の種類と副作用

高血圧治療に用いられる「降圧剤」ですが、薬によって血圧を下げる仕組みが異なります。また、同じ薬でも何種類もの働きを持つものもあります。
そのため、薬によって起こる副作用も異なります。例えば、カルシウム拮抗薬β遮断薬は長年服用することで、急に止めると血圧が上昇してしまうリバウンド現象が起こる副作用があります。
また、利尿薬を5年間飲み続けた人では、他の薬を使っていた人に比べて糖尿病になる人が多いという報告もあります。

降圧剤は、1種類だけ使用することもあれば、2~3種類の薬を併用することもあります。どの薬をどれだけ使うのかは、高血圧の重度や患者さんの年齢、合併症の有無などによって医師が判断して処方されます。

降圧剤の特徴と主な副作用

降圧剤 特徴 主な副作用
カルシウム拮抗薬 心拍数を抑えたり、血管を拡張することで血圧を下げる。血管が拡張され、脳や心臓、腎臓などの臓器への血流がよくなるため、これらの臓器に疾患のある人や高齢者に使われる。  顔面紅潮、頭痛、動悸、むくみ、便秘、歯肉増殖、服用を止めるとリバウンドが起こる
アンテジオンⅡ受容体拮抗薬(ARB)  抹消血管を拡張し、心臓や腎臓の負担が軽くなる。降圧効果がよく副作用も少ないことから、カルシウム拮抗薬に次いでよく使われる。  高カリウム血症、から咳、めまい、動悸、頭痛など
ACE阻害薬 アンテジオンⅡの生成を阻害し、血圧を下げる物質の生成を促す。降圧作用が強力で、利尿作用や心臓の負担が軽くなる。糖や脂質、尿酸などの代謝への影響も少ない。 咳、喉頭のむくみ(副作用の多いのが難点)
利尿薬 腎臓の水分やナトリウムの排泄を促し尿量を増やすことで血圧を下げる。始めに用いられることが多い薬で、むくみやすい女性に適している。主に他の薬との併用で使われる。 低カリウム血症、通風、高脂血症、耐糖能異常(糖尿病)、脱水、勃起不全、日光過敏性皮膚炎、月経異常、腎結石、高尿酸血症、腎障害の悪化、糖尿病の悪化、脂質異常症の悪化
β遮断薬 心臓から送られる血液の量を抑えると共に、抹消血管の拡張を促す。心拍数が多いなど交感神経の緊張が高ぶっている人に適している。  除脈、低血糖、だるさ、手足の冷え、運動能力の低下、糖尿病の悪化、脂質異常症の悪化、気管支喘息の誘発、慢性閉塞性肺疾患の悪化、抹消血管の循環の悪化、服用を止めるとリバウンドが起こる
α遮断薬 血管を収縮させる、交感神経のα受容体に働いて、血管の緊張を和らげて血圧を下げる作用がある。心臓や腎臓など他の臓器への影響が少なく、糖や代謝にも悪影響は与えない。  立ちくらみ、めまいなど

降圧剤のリスクとは?

血圧は、心臓から全身に血液を送り出す圧力です。血液には、酸素や栄養素を全身の細胞に運ぶ大切な役割があります。

高齢になると血圧が高くなりがちですが、加齢に伴って血圧が高くなるのは自然なことなのです。それは、加齢に伴い動脈硬化が進行して、ある程度は血液の循環が悪くなるため、酸素や栄養分を細胞の隅々まで送り届けるのが困難になるからです。
そのため、心臓は送り出す圧力を強くして血圧を上げ、栄養を全身に送り届けようとするのです。

血圧を薬で無理に下げようとすると、全身の細胞に必要な栄養が届けられないという弊害が生まれる恐れが出てきます。

高齢になるほど血液の循環が悪くなる

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血圧が上昇することで、栄養が全身に届くようになる

重症な高血圧の場合、血管病などの合併症を引き起こして、突然死を招く危険性もあるため、薬物治療を行う必要があります。
しかし、そうでない場合は、降圧剤の副作用のリスクも考えた上で、服用を検討することも大切になります。

カルシウム拮抗薬の副作用には発がん性も?!

日本で最もよく使われている降圧剤に「カルシウム拮抗薬」があります。特に、長時間作用型カルシウム拮抗薬は、脳血管障害虚血性心疾患の発症防止効果も高く、幅広く使われています。

そこで心配になるのが、副作用です。実は、カルシウム拮抗薬を長期間使用した場合の体への影響は未解明なのです。カルシウム拮抗薬は、カルシウムチャンネルにフタをする作用で血圧を下げるものです。

カルシウム拮抗薬の作用

カルシウム拮抗薬が働きかけるカルシウムチャンネルは、血管の平滑筋だけでなく、体の全ての細胞にあります。ですので、他の重要な細胞のカルシウムチャンネルにまでフタをすることになるのです。

そうなると、細胞が本来の機能を果たせなくなる危険性が出てくるのです。

カルシウム拮抗薬の不安

全ての細胞のカルシウムチャンネルにフタをしてしまう可能性がある。

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細胞が本来の機能を果たせなくなってしまうかもしれない。

最も問題となるのが、免疫細胞の不活性化です。免疫細胞は、体に侵入した病原菌やウィルスなどを退治する働きがあります。体内に常に出現しているガン細胞や、ガンに発展する異常細胞を見つけ出して退治する働きを持っています。

しかし、カルシウム拮抗薬を服用することで、免疫細胞の活力が低下してうまく働かなくなる可能性があるのです。このことから、退治するべきガン細胞の芽や、すでにできているガン細胞を見逃してしまうことになるという懸念が出てきます。

これについては、NIPPON研究(日本循環器管理研究協議会による循環器疾患基礎調査 NIPPON DATA)や茨城県の疫学調査によると、ガンを誘発させる可能性を否定できないという結果が出ています。
これは、血圧低下で組織に必要な酸素や栄養分が減少したことや、免疫細胞の低下によるものだということも十分考えられるのです。

カルシウム拮抗薬によって免疫細胞の活力が低下

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退治すべきガン細胞を見逃してしまう

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ガンの誘発を招く危険性も

薬の副作用免疫細胞が低下するというのは、カルシウム拮抗薬に限ったことではありません。
薬は元々自然界に存在しているものではありません。人工的に作り出された化学合成物です。そのため、薬が体内に入ってくることで、異物を消化するために大量の消化酵素が必要となります。

薬で免疫力が低下する

全ての薬には、免疫細胞の機能を低下させる影響がある。

そうなると、体を作るための代謝酵素が不足することになり、免疫力が低下することにつながるのです。
免疫力がどう体に影響しているのかは、こちらの記事で紹介していますので参考にして下さい。

薬の服用を考える時、目先のすぐに出る結果(改善効果)にとらわれがちです。
しかし、10年後、20年後と長期間服用し続けた場合、それによって起こる可能性がある「薬の害」も頭に置いておく必要があります。

降圧剤の副作用で血圧が下がり過ぎることも?

高血圧で動脈硬化が進んでいたり、高齢者の場合には、血圧をコントロールする機能がうまく働きにくくなっています。
そのため、血圧の変動が生じやすく、降圧剤で必要以上に血圧が下がり過ぎる症状が出ることもあります。

血圧が下がり過ぎると、頻繁に立ちくらみがしたり、動悸、脈拍数が高くなります
このような症状が出た場合には、担当医に相談して処方されている薬を調整してもらう必要があります。

降圧剤で血圧が下がり過ぎた場合の症状

  • 頻繁に立ちくらみがする
  • 動悸
  • 脈拍数が高くなる
血圧が下がりすぎたからと、自己判断で勝手に薬の量を減らしたり、飲むのを止めたりするのは危険です。
必ず、担当医に症状を伝えて、処方薬を見直してもらうようにしましょう。

高齢者で注意したい症状

寝た状態や座った状態から急に立ち上がったとき、血圧が急激に下がることがあります。
そうすると、立ちくらみやめまいを生じたり、場合によっては一時的な失神を起こすこともあります。
このような症状があった場合、「起立性低血圧症」が疑われます。

起立性低血圧症

  • 寝た状態や座った状態から立ち上がったとき、血圧が急激に下がる症状。
  • 立ちくらみやめまいを生じたり、場合によっては一時的な失神を起こすこともある。
主な原因としては、自律神経の失調が関係して起こると考えられていますが、降圧剤の副作用で起こる場合もあります。
中でも、中枢性交感神経抑制薬であるα遮断薬「メチルドパ」、「塩酸クロニジン」などで起立性低血圧症が起こりやすいとされています。

起立性低血圧症が起こりやすい降圧剤

α遮断薬「メチルドパ」、「塩酸クロニジン」など

起立性低血圧症のような血圧の変動は、高齢者になるほど大きくなることがわかっています。

高齢者で注意したい症状

立ちくらみやめまいなどを起こす「起立性低血圧症

起立性低血圧症」については、こちらの記事で詳しく紹介していますので参考にして下さい。

降圧剤の副作用で認知症が早まる?

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近年、特に降圧剤の副作用で心配されるのが、高齢者の「認知症」です。
降圧剤を飲み続けると、認知症になりやすくなるという話を聞きますが、本当なのでしょうか?

降圧剤の中には、血圧を下げるために脳の中の「自律神経」に働きかける成分が入っているものがあります。このため、人によっては軽いうつ症状や食欲が無くなるなど、自律神経失調症に似た症状が現れることがあります。

また、降圧剤が自律神経に影響を与えることにより、「認知症になるのが早まる」という報告もあります。
それは、脳の血流が低下することや、交感神経の刺激を抑制することによって、脳の活動が低下することが原因だろうと考えられています。

降圧剤で認知症になるのが早まる?

  • 脳の血流が低下する。
  • 交感神経の刺激が抑制され、脳の活動が低下する。
特に、高齢者に強い降圧剤を与えると、急激に脳血流が減って一過性の“認知症状”が出るという報告もあります。

降圧剤で血圧を下げることにより、脳卒中心筋梗塞の発症を防ぐことはできるかもしれませんが、知的活動身体活動や、認知脳が低下することで、他の要因による死亡率が高まることも起こりうるのです。

降圧剤による脳への影響については、こちらの記事で紹介していますので参考にして下さい。

高血圧を薬以外で治すには?

血圧計

血圧を下げるためにできることは、薬を飲むことだけではない。

重症の高血圧症の場合は、脳卒中心筋梗塞を起こす可能性があるため、薬物治療を行う必要があります。
しかし、そうでないのなら、薬物治療を始める前に血圧を上げている原因を改善することが先決です。

塩分や脂質の摂り過ぎ、カルシウムやカリウム不足など栄養の偏った食生活や、喫煙、過度の飲酒、運動不足など、日常生活の中に血圧を上げている原因がきっとあるはずです。もし心当たりがあれば、血圧を上げている「悪い習慣」を改善することで、血圧は下がることが期待できます。

高血圧の原因となる悪い生活習慣

  • 過食と肥満
  • 偏った食生活
  • アルコールの過剰摂取
  • 喫煙
  • 運動不足
  • 睡眠不足
  • ストレスの蓄積

高血圧を改善する効果な方法については、こちらの記事でも紹介していますので参考にして下さい。

降圧剤には血圧を下げる作用はありますが、高血圧を根本的に治すことできません。そのため、降圧剤で血圧を下げていた人が薬の服用を中止すると、再び血圧が上昇してしまいます。
薬だけに頼って血圧を下げようとしていると、一生その薬を飲み続けることになります。

薬物治療を始めるということは、血圧値は下がるかもしれませんが、少なからず薬の害も出てくる可能性があるということです。
慌てて薬を飲む前に、まずは血圧を上げている「悪い習慣」を見直すことが、最も大切なことなのです。

根本的な高血圧の改善には

血圧を上げている「悪い生活習慣」を改善することが重要。

食生活の改善で血圧を下げる

食事

薬以外で血圧を下げるためには、毎日の生活習慣の見直しが大切になります。中でも、食生活の改善はとても効果的です。
日々食べている物を見直すことで、確実に体には変化が起こるものです。

血圧を上げる原因となる「悪い食べ物」を減らし、血圧を下げる「良い食べ物」を増やすことで、この先何年か後の体は決して今と同じ状態ではないはずです。
毎日食べる物を見直して改善することは、日々の積み重ねになります。

特に、高い血圧を下げるためには、血管に良い効果のある物を積極的に食べるようにするといいでしょう。

血管に良い食べ物をこちらの記事で紹介していますので、是非参考にして下さい。

降圧剤を処方されている場合、急に中止すると急激に血圧が上昇する場合もあるため、すぐに止めることは難しくなります。
しかし、食生活の改善は今日からでもすぐ始めることができます。
是非、毎日の食事を見直すことで、高血圧を根本的に改善してみてはいかがでしょう?


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