血圧を下げる薬 – 降圧薬と市販薬との併用には注意
高血圧の治療に処方される降圧薬ですが、他の薬と併用する際には注意する必要があります。
一般的によく飲まれる薬の中にも、降圧薬と併用することで体調不良を起こすものもあります。
また、ある種の降圧薬の服用には、合わせて食べない方がいい物もあります。
降圧薬を飲まれている場合、これらの併用に注意する必要があるものを頭に入れておきましょう。
降圧薬と市販薬の服用には注意
降圧薬を服用している際に注意しなければいけないのが、他の市販薬との併用です。
降圧薬は、血圧を下げる作用がある薬です。一般の市販薬の中には、その降圧作用を弱めたり、逆に強めるものもあります。
そのため、降圧薬を服用中には、薬の作用に影響するものには十分に注意する必要があります。
- 市販の風邪薬
アセトアミノフェンなどの解熱鎮痛剤には、降圧薬として処方される「利尿薬」の作用を弱める作用があります。
1日くらいなら問題ないかもしれませんが、1週間ほど続けて服用する場合には、かかりつけ医に相談してから服用するようにしましょう。 - 市販の胃腸薬
胃腸薬には、炭酸水素ナトリウムが含まれています。炭酸水素ナトリウムを含有する薬を長期間服用すると、血圧が上がりやすくなることがあります。
また、胃・十二指腸潰瘍に使われる「ヒスタミンH2受容体拮抗薬」は、カルシウム拮抗薬の作用を強めます。 - 漢方薬
グリチルリチンを含む甘草の入った漢方薬は、血圧を上昇させることがあります。
- 非ステロイド性抗炎症薬
- 副腎皮質ホルモン
- 経口避妊薬
- 三環系抗うつ剤
- フェニルプロパノールアミンなど
降圧薬が効きにくい場合、「治療抵抗性高血圧」かも?
このように、市販薬の中には降圧薬の作用を弱めるものがあります。降圧薬を服用していても、目標の血圧値まで下がらない場合、他の薬が影響していることも考えられます。
また、市販薬だけではなく、他にも降圧薬の効果を下げる要因がいくつかあります。
降圧薬はだいたい何種類かの薬を組み合わせて処方される場合が多いです。しかし、3剤以上の降圧薬を飲んでいても血圧が下がりづらい場合には、「治療抵抗性高血圧」の疑いがあります。
例えば、肥満や過度の飲酒、睡眠時無呼吸症候群などがそうです。このような要因がある場合、降圧薬を飲んでいてもその効果が現れにくくなるのです。
治療抵抗性高血圧については、こちらの記事で詳しく説明していますので、参考にして下さい。
治療抵抗性高血圧の場合には、その要因となるものを取り除くことで、薬の降圧効果が十分に得られることがあります。
降圧薬の作用に影響する食べ物
現在、降圧薬として一番よく処方されているのが「カルシウム拮抗薬」です。
カルシウム拮抗薬にもいくつか種類がありますが、中にはグレープフルーツと一緒に摂ると、血中濃度が上昇して血圧が下がり過ぎることがあります。
カルシウム拮抗薬を飲んでいる人は、グレープフルーツと一緒に摂らないよう注意しましょう。
カルシウム拮抗薬とグレープフルーツについては、こちらの記事で詳しく説明しています。
一見、血圧とは関係のないように思われる市販薬でも、中には降圧薬との併用で問題のあるものもあります。
降圧薬はある程度の期間、継続して服用することになります。そのため、自己判断で市販薬を服用すると危険な場合もあります。
降圧薬と他の薬を併用する際には、必ず医師や薬剤師に確認してから服用するようにしましょう。
生活習慣の改善で血圧を下げる
降圧薬は血圧を下げるための薬ですが、高血圧そのものを改善することはできません。
しかも、降圧薬は長期間服用し続けることで、中止すると血圧が急上昇する「リバウンド現象」が起こることがあります。
そのため、医師の許可無く勝手に薬を飲むのを止めることは危険です。
しかし、そうかといってこのままずっと降圧薬を飲み続けることにも不安を感じることでしょう。
高血圧を改善するためには、血圧を上げる原因となる生活習慣の見直しが必要です。
薬を飲んで血圧が下がっているからと安心して、そのままの生活を続けていたのでは、いずれ薬の作用が弱まり、薬を増やさなければいけない状態になります。
そうならないためにも、早い段階で生活習慣を改善することが大切なのです。
血圧が高くなる原因には、血管の老化が大きく影響しています。
運動不足や過食、過度の飲酒や喫煙、ストレスなどは血管の老化を促進させる要因です。
高血圧の人は少なからず血管の老化が進行している状態だと言えます。
そのため、普段の生活の中で血管を老化させる要因を取り除くことが大切になります。
そして、老化した血管をイキイキと若返らせる生活習慣を心がけることです。
血管を強くして老化を防ぐ生活習慣については、こちらの記事を参考にして下さい。
老化した血管を若返らせるには、適度な運動習慣と食生活の改善が効果的です。
特に、毎日食べる食事を見直すことで、確実に体の中は変化するものです。
今まで食生活で血管ケアを特に意識していなかった人は、血管をケアする効果の高い食べ物を積極的に摂るようにするといいでしょう。
毎日の食事で積極的に摂りたい食べ物については、こちらの記事で紹介していますので是非参考にして下さい。
食事で血管をイキイキと若返らせて、薬に頼らない生活を目指してみてはいかがしょうか。