降圧剤で血圧が下がり過ぎる?その症状とは?
血圧を下げるために処方される降圧剤ですが、種類や人によっては血圧が下がり過ぎる場合もあります。
では血圧が下がり過ぎた場合、どのような症状が起こるのでしょうか?具体的な症状と、どのように対処したらいいのか見てみましょう。
降圧剤で血圧が下がり過ぎた場合の症状とは?

血圧が下がり過ぎると、頻繁に立ちくらみがしたり、動悸、脈の数が多くなる
健康な人であれば、極端に血圧が高くなったり低くなったりしないよう、体内の調整機能が働きます。
しかし、高血圧治療で降圧剤を飲んでいる人は、その体内の調整機能がうまく働かない状態でもあります。
そのため、血圧の変動が生じやすくなり、極端に血圧が高くなったり、逆に下がり過ぎることもあるのです。
血圧が下がり過ぎるとどのような症状が現れるかというと、頻繁に立ちくらみがしたり、動悸、脈拍数が高くなります。
このような症状が出た場合には、担当医に相談して処方されている薬を調整してもらう必要があります。
決して自己判断で勝手に薬を飲むのを止めたり、減らしたりするのは危険です。必ず医師や薬剤師の人に状況を説明してから、薬の調整をしてもらうようにしましょう。
- 頻繁に立ちくらみがする
- 動悸
- 脈拍数が高くなる
特に、薬物治療を開始したばかりだと、薬の効果が把握できていないこともあります。
そのため、降圧剤を飲み始めたときには、めまいなど血圧が下がり過ぎる症状には十分に注意することです。
- 利尿薬を服用中での飲酒
- 薬物治療を開始したばかりの人
降圧剤の副作用で血圧が下がり過ぎる?

降圧薬の副作用で血圧が下がり過ぎることもある
薬を処方された場合には、必ず薬の効能と副作用が記された説明書も一緒に渡されます。
それぞれの薬によって、副作用の症状も異なります。自分が飲んでいる薬にはどんな副作用があるのか、ちゃんと把握しておくことも大切です。
処方されている薬の副作用を認識しておくことで、体調がおかしくなったとき、それが薬の副作用によるものなのかどうかを判断することができるからです。
降圧剤にはいくつか種類があります。それぞれ薬の副作用については、こちらの記事を参考にして下さい。
起立性低血圧症とは?

急に立ち上がったとき、血圧が急激に下がる「起立性低血圧症」
寝た状態や座った状態から、急に立ち上がったとき、血圧が急激に下がることがあります。
そうすると、立ちくらみやめまいを生じ、場合によっては一時的な失神を起こすこともあります。
このような症状があった場合には、「起立性低血圧症」が疑われます。
原因としては、自律神経の失調が関係して起こると考えられています。
寝た状態や座った状態から立ち上がったとき、血圧が急激に下がる症状。
主な原因は自律神経の失調が関係している。
起立性低血圧症のような血圧の変動は、高齢者になるほど大きくなることがわかっています。
また、起立性低血圧症が起こるのは決して血圧が低い人だけではありません。
高血圧で動脈硬化が進んでいる人も注意する必要があります。動脈硬化が進行していると、このような立ちくらみがきっかけとなって、脳梗塞や心筋梗塞を起こす危険性があるからです。
- 高齢者
- 動脈硬化が進んでいる人
また、降圧剤を服用している人は、薬の副作用で起立性低血圧症を起こす場合もあります。
降圧剤の中でも、中枢性交感神経抑制薬であるα遮断薬、「メチルドパ」や「塩酸クロニジン」などで症状が起こりやすいとされています。
- α遮断薬
メチルドパ、塩酸クロニジンなど
夜間の血圧の下がり過ぎに注意する

降圧剤を飲んでいて体調の変化を感じたら、必ず担当医に相談することが大事。
夜間は血圧が最も低下する時間帯です。重度の高血圧症で強力な降圧剤を飲んでいる人など、夜間の血圧が下がり過ぎる場合があります。
特に高齢者の人は、夜間にトイレに立つ頻度も多くなりがちです。そんな時に、血圧が下がり過ぎて立ちくらみを起こし、ケガや意識を失う危険性も考えられます。
血圧が下がり過ぎる症状が続いて心配な場合には、必ず担当医に相談して処方されている薬を調整してもらう必要があります。
病院では検査による数値は把握できても、自宅での状況までは把握することはできません。そのため、薬を飲んでいて体調に変化を感じたら、どんな些細なことでも報告したほうがいいでしょう。
「これくらいなら大丈夫だろう」と勝手に自己判断して放置しておくことで、重大な発作を起こす原因になることもあります。
降圧剤は血圧を下げるだけではなく、思ってもいなかったような体の変化が現れることもあるのです。
薬を飲んでいるという認識をしっかり持って、身体の変化には十分注意するよう心がけることが大切です。