高血圧症が進むと引き起こされる「怖い病気」
高血圧症は、何故そのまま放っておいてはいけないのでしょうか?
それは、高血圧が進むことで、様々な病気を引き起こす要因となるからなのです。
高血圧が原因の「動脈硬化」と血管年齢
健康をテーマにしたテレビ番組や書籍などで、よく「血管年齢」という言葉を耳にしますよね。
文字通り、血管は若い頃は弾力があってしなやかです。しかし、年齢を重ねるほどに弾力が失われて硬くなっていきます。
この血管の状態を年齢に例えて「血管年齢」という呼び方をしているのです。
高血圧症が原因で起こる病気「動脈硬化」は、血管年齢と大きく関係しています。
動脈硬化は、血管が硬くなるだけではなく、血管の内側が盛り上がることで、血液の通り道が狭くなり、血流が滞る状態です。
その様子は、まるで古くなったホースのように、硬くなって内側に水あかやヘドロのようなものがたまった状態です。やがてひび割れや、そこから水漏れを起こします。
このような状態が血管で起こるのが、動脈硬化です。
血管の壁にコレステロールなどが溜まり、血管が狭くなって、血栓ができて血管が詰まるのです。また、血管壁自体がこぶのように広がって、破れてしまうこともあります。
このような状態にまでなると、重大な後遺症が残ったり、ときには命にもかかわる重態にもなるのです。
動脈硬化はなぜ怖いの?
動脈硬化が進むと、詰まった血管が破れたりして、血流が滞ります。そうすると、その先の細胞が死滅してしまい、臓器の機能低下が起こるのです。
中でも怖いのが、血管が詰まったり破れたりする循環障害が、脳や心臓などの臓器で発症することです。
その代表的なものが、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞、脳出血、大動脈瘤です。
これらはまさに「命取り」となる病気です。命を落とさないまでも、日常生活を著しく規制されることになる大変な病気なのです。その他にも、能動脈硬化症、閉塞性動脈硬化症などもあります。
どんな人が動脈硬化になりやすいの?
動脈硬化になりやすい人というのは、コレステロールをはじめとする血中脂質が高い人です。中でも、LDL-コレステロールが高いことが第一の要因となります。
他の要因としては、高血圧、喫煙、糖尿病、通風、肥満症、ストレス、運動不足、加齢などが関係して起こることがわかっています。
動脈硬化を改善する方法
動脈硬化になってしまった血管を、元の健康な血管に戻すことは、現状ではなかなか難しいことです。
しかし、血液中のLDL-コレステロールを減らして、炎症を抑え、動脈硬化の進行を抑えたり改善することは可能です。
そうすることで、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患のリスクを低下させることができます。
また、高血圧や喫煙などの生活習慣が原因で動脈硬化になった場合は、その要因となる生活習慣を改善することで、動脈硬化を防ぐことができると言えるでしょう。