高血圧治療はいつから?高血圧のガイドラインについて

「高血圧治療ガイドライン」を基準にして高血圧と判断される

高血圧症と判断されるには、「高血圧治療ガイドライン」を基準に決められています。
では、その基準となるガイドラインとはどのようなものなのでしょう?また、高血圧症と診断された場合には、薬物治療が必ず必要になるのでしょうか?

高血圧治療の基準とされるガイドラインとは?

高血圧治療が必要となる血圧の基準値は、日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン」に定められています。これは5年毎に見直されているもので、最新のガイドラインは2014年4月に改定されています。

「高血圧治療ガイドライン2014」

分類 収縮期血圧(最高血圧) 拡張期血圧(最低血圧)
至適血圧  <120  かつ <80
正常血圧  <130  かつ/または <85
正常高値血圧  130~139  かつ/または 85~89
Ⅰ度高血圧  140~159  かつ/または 90~99
Ⅱ度高血圧  160~179  かつ/または 100~109
Ⅲ度高血圧  ≧180  かつ/または ≧110
収縮期高血圧  ≧140  かつ <90

 

家庭と病院での血圧測定に差があるのは?

家庭血圧

「診察室血圧」と「家庭血圧」とでは基準値が変わる。

病院などの診察で測定する血圧「診察室血圧」と、家庭で測る血圧を「家庭血圧」とでは基準値が変わります。

「高血圧治療ガイドライン2014」では、診察室血圧で140/90mmHg以上、家庭血圧135/85mmHgを高血圧の診断基準としています。
また、家庭血圧を優先するという基準も新たに加わりました。一般的に、家庭での測定は血圧が低めになり、診察室血圧は高くなる傾向があるためです。

高血圧の診断基準

診察室血圧 140/90mmHg以上
家庭血圧 135/85mmHg以上

※家庭血圧を優先する

では、なぜ家庭で測定した場合と診療室で測定した場合とでは血圧に差があるのでしょう?
それは、病院などで医師や看護師を前にすることで、緊張して血圧が上がりやすくなるからです。これは「白衣高血圧」と呼ばれる現象です。
逆に、家庭ではリラックスした状態で測定できるため、本来の血圧値を測定することができます。

そのため、血圧を管理して血管病を予防するためには、家庭血圧が重要となるのです。

医療機関での測定は、だいたいが日中に行われます。しかし、家庭で測定する場合は、朝起きた時や就寝前など、いつでも血圧を測定できるため、血圧の変動を把握することが可能です。

また、家庭血圧を測定することによって、腎機能の低下などを早期に発見できるため、自覚症状のない危険な腎臓病を未然に防ぐこともできるのです。

家庭血圧の重要性

  • リラックスした状態で測定できるため、本来の血圧値を測定できる。
  • 血圧の変動を把握することができる。
  • 腎機能の低下などを早期に発見できる。

家庭血圧を測定することでわかる危険な病とは?

仮面高血圧

「仮面高血圧」は病院などの健診では発見されにくい。

家庭血圧を測定することでわかる最大のメリットは、「仮面高血圧」を発見することができるということです。
仮面高血圧とは、白衣高血圧とは逆で病院の健診などでは正常な血圧値が、家庭や職場では血圧が高くなる場合のことです。
仮面高血圧には、夜になっても血圧が下がらない「夜間高血圧」、朝の血圧が異常に高くなる「早朝高血圧」、職場での血圧が高くなる「職場高血圧」があります。

病院の健診では発見されない「仮面高血圧」

  • 夜間高血圧
  • 早朝高血圧
  • 職場高血圧
仮面高血圧は病院などの健診では正常値のため、高血圧だと認定されにくいのです。また、自分が高血圧だという自覚がないため、血圧が高い状態をそのまま放置することになります。
高血圧は治療せずに放っておくと、動脈硬化を進行させてしまいます。動脈硬化の怖さは、「突然死」を招く危険性が高くなるということです。
動脈硬化が進むと、血管が詰まったり破れたりする循環障害が起こります。それによって、心筋梗塞脳梗塞大動脈瘤などの重大な血管病を引き起こすことになるのです。

動脈硬化が進むことで起こる病気については、こちらの記事を参考にして下さい。

家庭血圧を測定することは、これらの重大な病気を予防することに繋がるのです。
また、家庭血圧を習慣にすることで、病院や医師まかせの治療に頼るだけではなく、自ら高血圧を治療することにもなるのです。

家庭血圧でわかる最大のメリットは、「仮面高血圧」を発見できること

高血圧と診断されたら必ず薬物治療が必要?

高血圧の薬物治療

高血圧と判断されてすぐに薬物療法が必要となるのは、高リスクの高血圧の人。

高血圧と診断されても、すぐに薬物治療が必要となるわけではありません。薬物療法が必要となるのは、高血圧のリスクや体質などによっても違ってきます。
一般的に、高血圧と判断されてすぐに薬物療法が必要となるのは、高リスクの高血圧の人になります。

高血圧で薬物療法を始めるタイミングについては、こちらの記事を参考にして下さい。

それ以外の場合、まずは血圧を上げる原因となっている「生活習慣の改善」から始めなければいけません。一定期間、生活習慣を改善しても血圧が下がらないようであれば、他の病気が原因で高血圧となっている「二次性高血圧」の可能性も考えられます。

また、血管にダメージを与えるような「悪しき習慣」が血圧を上げる原因となっている場合もあります。
過度の飲酒や喫煙、肥満などは血管に悪影響を及ぼし、血圧を上げる大きな要因となります。
このような要因がある場合には、生活習慣の改善として何よりも優先して行うべき事となります。

心当たりのある人は、こちらの記事を参考にして下さい。

他にも、運動不足やストレス、睡眠などが血圧を上げる原因となっていることもあります。
特に、夜間や早朝の血圧が高くなる原因として、「睡眠時無呼吸症候群(SAS )」があります。
これは、いびきが大きい肥満気味の男性に多く見られる症状です。最近では事故の原因などでニュースに取りあげられることもあるため、よく耳にすることも多いと思います。
このような症状がある場合には、そのような生活習慣を改善することで血圧が下がることも期待できます。

血圧を上げる原因となる「睡眠時無呼吸症候群(SAS )」については、こちらの記事をご覧下さい。

血圧を上げる原因となる生活習慣

  • 過度の飲酒や喫煙
  • 肥満
  • 運動不足
  • ストレス
  • 睡眠不足
  • 睡眠時無呼吸症候群
高血圧によって引き起こる危険な血管病を予防するためには、日々の血圧を管理することが大切です。
血圧が気になってきた場合には、家庭での血圧測定を習慣にするようにしましょう。

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