高血圧に「牛乳」が良いというのはウソだった?!
高血圧の人が積極的にとりたい栄養素の一つにカルシウムがあります。カルシウムと高血圧は、一見するとあまり関係がないように思えますが、実は深く関係しているのです。
カルシウムが不足すると、不足した分を補うために、骨からカルシウムが溶け出し、血管の平滑筋(血管の壁にある筋肉)の細胞に入り込みます。カルシウムには、平滑筋を収縮させる働きがあるため、血管を収縮して血圧が上がるのです。
- カルシウムが不足する
- 不足した分を補うため、骨からカルシウムが溶け出す
- 血管の平滑筋にカルシウムが入り込む
- カルシウムが血管を収縮し、血圧が上がる
そこで、一般的には、カルシウムが多く含まれているとされる「牛乳」を多く飲むように勧められます。しかし、牛乳を飲むことが、逆にカルシウム不足を引き起こす原因になるのです。詳しく説明します。
実は牛乳を飲むとカルシウム不足になる?
日本人にはなぜか「牛乳=カルシウム」というイメージが定着しています。実際に、病院でもカルシウムを摂取するために牛乳を勧めるところが多いようです。
しかし、日本人が牛乳を飲んでもカルシウムを増やすことはできないのです。それどころか、カルシウム不足になる場合もあるのです。
牛乳には多くのカルシウムが含まれているのは確かです。しかし、牛乳のカルシウムは乳糖のなかに含まれているため、乳糖が分解されない限りは、カルシウムを体内に取り込むことはできません。
ところが、日本人の約85%の人は、乳糖を分解するための「ラクターゼ」をいう消化酵素を持っていないのです。
日本人も、赤ちゃんの頃は母乳を分解するために、このラクターゼを持っています。しかし、これは3歳くらいになると消えてなくなってしまいます。
つまり、消化酵素ラクターゼを持たない8割以上の日本人は、牛乳を飲んでもカルシウムを体内に摂りいれることはできないということです。
牛乳を飲むと逆にカルシウム不足になる?!
日本人にとっては、牛乳はカルシウムの供給源にならないどころか、むしろ飲めば飲むほどカルシウム不足になるおそれもあるのです。
牛乳を飲むと、牛乳に含まれるタンパク質によって、血液は酸性に傾こうとします。ところが、人間の体には常に一定の状態に保とうとするシステムが働いて、酸性になるのを防ごうとします。
そうすると、血液の酸性を中和するために、せっかく摂取したカルシウムが使われてしまいます。それで追いつかない場合、骨からカルシウムを放出して、その中和に充てられることもあります。
つまり、牛乳を飲むことで、カルシウムを補うどころか逆にカルシウムが不足してしまうことにもなりかねないのです。
牛乳の摂りすぎは高血圧を悪化させる原因に
日本人には、牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素「ラクターゼ」が少ないため、飲むとお腹がゴロゴロする原因になったり、腸内腐敗を引き起こしてしまいます。
さらに、牛乳の脂肪には飽和脂肪酸が多量に含まれているため、牛乳を多く摂りすぎることで、動脈硬化や高血圧、不整脈や心臓病を起こす原因ともなるのです。
カルシウムは日本の伝統食で効率よく補給できる
日本人にとって、カルシウムを効率よく摂取するためには、小魚や大豆、海藻類が効果的です。
例えば、田作りにわかめと豆腐の味噌汁、ひじき、小松菜のおひたしなど、日本の伝統食はまさにカルシウム不足を補える食事となるのです。