高血圧の症状 – 目の病気と関係があるの?

高血圧目の病気は、一見関係がないように思われますが、そうではありません。
実は、高血圧と目は密接に関係しているのです。目の奥の眼底を見ることで、高血圧の重症度がわかります。
また、高血圧が進行することで視力のトラブルや目の病気を発症して、最悪の場合には失明に至る場合もあるのです。

高血圧が進行すると、視力が低下することも?

老化とともにある程度の視力の低下は避けられません。また、疲労などによって一時的に視力が低下することもあります。

しかし、高血圧の人が一時的に視力が落ちた場合には注意が必要です。
例えば、急に片方の目が見えなくなったり、瞬間的に物が見えなくなったといった症状が出た場合、一過性の虚血発作の疑いがあります。

また、高血圧が原因で眼底の動脈硬化が進行すると、視神経にくる血管が侵されて、目が疲れやすくなったり、しょぼしょぼすることがあります。更に進行すると、物が重なって見えたり、視野が半分暗くなるなどの症状が現れます。

高血圧と目の病気

  • 一過性の虚血発作
    急に片方の目が見えなくなったり、瞬間的に物が見えなくなるといった症状。
  • 眼底の動脈硬化の進行
    目が疲れやすくなったり、しょぼしょぼすることがある。
    更に進行すると、物が重なって見えたり、視野が半分暗くなるなどの症状が現れる。
目には、第二の脳神経である太い視神経の他に、脳の血管が出入りしているため、自覚症状の出ない初期段階で、血管の変化を発見することが大切です。
そして、病状が悪化する前に、早い段階で治療することが望ましいのです。

網膜の血管で高血圧の進行度がわかる?

目の奥の眼底には、無数の血管が網目状に走っている網膜があります。網膜は、人体の中で唯一、動脈を直接見ることができるところです。

眼底検査は、眼球を通じて肉眼で血管を観察できる方法です。眼底の状態を見ることで、高血圧による動脈硬化が原因として起こる出血血栓網膜組織の異常を観察することができます。
そして、網膜の血管の状態を見ることで、高血圧の進行度を判断することができるのです。また、動脈硬化の程度や、脳の血管の状態、糖尿病による合併症の有無を判断することもできます。

眼底検査

  • 高血圧による動脈硬化が原因として起こる「出血」や「血栓」、「網膜組織の異常」を観察することができる。
  • 高血圧の進行度を判断することができる。
  • 動脈硬化の程度や、脳の血管の状態、糖尿病による合併症の有無を判断することができる。
網膜の状態と高血圧の重症度の目安

  • 第Ⅰ度(軽症高血圧)
    動脈の幅が少し狭くなり、軽い動脈硬化が出ている
  • 第Ⅱ度(中等症高血圧)
    動脈の幅は更に狭く、動脈硬化が見られる
  • 第Ⅲ度(重症高血圧)
    第Ⅱ度の変化に加え、出血、白斑はくはん(出血跡や梗塞による停滞跡)などが見られる
  • 第Ⅳ度(悪性高血圧)
    第Ⅲ度の変化に加え、眼底の乳頭(視神経が脳へ出て行く出口)の境界が不鮮明で、むくみが見られる。

高血圧が進行すると失明の危険性もある?!

高血圧が進行すると、網膜に出血が見られたり、白い斑点やむくみが出てきます。これは「高血圧性網膜症」という病気です。

高血圧性網膜症が悪化すると、視力障害が起こり、更に眼底出血を起こすことになります。眼底出血は、出血量が多くなると「失明」に至る危険があるのです。

高血圧性網膜症になる原因は、網膜に生じる動脈硬化によるものです。
眼底検査で網膜の動脈硬化症が確認された場合には、脳や心臓、腎臓などの細動脈でも、同じような動脈硬化が起こっていると考えられます。
その場合には、高血圧を治療して、動脈硬化を起こす危険因子を取り除く必要があります。

動脈硬化の血管

動脈硬化を進行させる主な危険因子については、こちらの記事で紹介していますので参考にして下さい。

高血圧の目のトラブルは早期発見が重要に!

このような目のトラブルを悪化させないためには、動脈硬化が生じていない軽症の高血圧の場合でも、血圧を下げて眼底の状態を正常に戻すことが大切です。

高血圧が進行すると、網膜の中に血液が流れない部分ができます。そうすると、血液を送るために新しい血管(新生血管)が生まれます。新生血管は弱くてもろいため、破れて出血する可能性があるのです。
特に糖尿病があると、新生血管ができやすく出血しやすくなるため、注意が必要です。

高血圧に糖尿病がある場合は要注意

網膜に新生血管ができやすく、破れて出血する可能性が高くなる

高血圧で目に何らかのトラブルが生じた場合には、早い段階での診察や検査を受けることが大切です。
そして、動脈硬化や予兆が見られた場合には、高血圧を進行させないように注意しなければなりません。
そのためには、動脈硬化を進行させるような生活習慣を見直すことが最も重要になるのです。

動脈硬化を進行させないためには、血管を老化させないことが大切になります。そのためにも毎日の食事や運動などの生活習慣は重要になります。
血管の老化を防ぐ生活習慣と「血管力」を上げる食事について、こちらの記事で紹介していますので参考にして下さい。

高血圧動脈硬化は放っておくと、重大な目の病気を発症させる原因にもなります。
そのため、自覚症状がない軽度のうちに改善することが大切です。先に紹介しているような生活習慣の見直しや、血管の老化を進行させないような生活が、目の病を予防するだけではなく、体全体の健康にもつながります。
動脈硬化の危険因子がある場合には、早目に改善するように心がけましょう。

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