高血圧の人は「肉」を食べない方がいいの?
高血圧の人にとって、肉は食べない方がいいという人もいますが、果たして実際のところはどうなんでしょう?
肉は本当は食べない方がいい?
肉は、腸内で腐敗しやすい物質です。腐敗菌である悪玉菌(人体に有害な作用をもたらす腸内細菌)は、動物性の脂肪やタンパク質をエサとするからです。
頻繁に肉を食べていると、腸内で悪玉菌が大繁殖し毒性物質を作り出します。この毒性物質によって、内臓の細胞を傷つけ、がん細胞を生み出したり、老化を促進する原因にもなるのです。
では、肉はまったく食べない方がいいのでは?と考えてしまいそうですが、決してそうではありません。
肉には、アミノ酸をつくり出すたんぱく質が豊富に含まれています。それに、老化とともに減少していく「性ホルモン」は、肉に多く含まれるコレステロールが材料となります。
性ホルモンは、イキイキと若々しく生きるための活力を与えてくれるホルモンです。これが減少してしまうと、抑うつ感や不安・疲労感・記憶力の低下や、睡眠障害が起こります。
この性ホルモンの分泌は、50歳前後くらいから落ちてくるといわれています。ですので、更年期障害に悩む人や、加齢とともに気力が落ちてきたと感じる人などは、適度に肉を食べると良いでしょう。
では、どのくらいの割合で肉を食べればいいのでしょうか?
頻繁に食べると、腸を汚す原因になりますが、週2回程度であれば腸への悪い影響を心配することもないでしょう。
肉料理を食べるなら「頻度」に気をつける
- 毎日食べると、腸の負担に!
- 週2回くらいなら健康にも良い
血液を汚さない血管にとって「良い肉」とは
肉には、良質なたんぱく質が含まれています。
頻繁に食べ過ぎることが無ければ、体を作る材料となり、血管が若返る際の内皮細胞の材料にもなります。
しかし、肉の種類や部位によっては、悪玉のLDLコレステロールを増やす、飽和脂肪酸が多く含まれているので、気をつけなければいけません。
頻繁に食べてしまうと、血液の濃縮度が増してドロドロになりやすいのです。
- 牛肉(バラ、サーロイン、リブロース、ひき肉)
- 豚肉(バラ、ロース、ひき肉)
- 鶏肉(手羽)
- ベーコン、ソーセージ
- 牛肉(ヒレ、もも、肩)
- 豚肉(ヒレ、もも)
- 鶏肉(ささみ)
脂肪が少ない、良質のたんぱく質が多い赤身の肉であれば、たまに食べることで血管にとっても良いでしょう。
肉を食べるときのおすすめの食べ方は?
肉を食べる時に気をつけたいのが、たっぷりの野菜と一緒に食べることです。野菜と一緒に食べることで、悪玉菌が異常に繁殖することも無くなります。
腸内細菌にとって最大のごちそうは食物繊維です。食物繊維がエサとなることで、悪玉菌は異常繁殖することも、毒性物質を放散することも無くなるということが分かっています。
ですので、肉を食べる時には食物繊維が豊富な野菜と一緒に食べることが効果的なのです。では、どんな野菜と食べるのがいいのでしょう?
食物繊維には、2つのタイプがあります。水に溶ける「水溶性」のものと、水に溶けない「不溶性」のものです。
腸内細菌がより好むのは「水溶性」の食物繊維です。ですので、肉を食べる時には水溶性の食物繊維と食べ合わせるのが効果的です。
- 昆布やワカメなどの海藻類やコンニャク
- インゲン豆や小豆、大豆、ヒヨコ豆などの豆類
- エシャロット、ニンニク、ごぼう、キャベツ、アボガド、梅干
- 納豆、オクラ、モロヘイヤ、サトイモなどネバネバした食品
50歳を過ぎたら、週2回程度は良質なたんぱく質を含む肉を、たっぷりと食物繊維と一緒に食べるといいでしょう。