高血圧の治療に効果的な運動とは?
運動することが健康に良いというのは、常識として考えられています。そこで気になるのが、「高血圧も運動によって改善することができるのか?」ということです。
果たして、どのような運動が高血圧を治療するのに効果的なのでしょうか。
運動することで血管若返り効果がある?
運動することが健康に良い作用をもたらすのは、血管の状態が良くなるためです。
体を動かすことで血流が促され、血液の流れがスムーズになります。そうすると、血管内の内皮細胞が刺激されて、細胞が活性化されます。それによって、血管が丈夫に強くなるのです。
血管が健康な状態だと、血管の拡張や血栓ができるのを防ぐことができます。また、運動することで老化していた血管が若返ることにより、血糖や血中脂質の改善にも効果があります。ドロドロになった血液がサラサラになることで、内臓脂肪型肥満の解消にも役立つのです。
高血圧の改善や、その他の生活習慣病などを予防するためにも、運動することで血管を若返らせることがとても効果的な方法となるのです。
高血圧治療にはこんな運動が効果的
では、実際に血圧を下げるためにはどのような運動をしたらいいのでしょう?
運動というと、なるべく体を激しく動かすようなハードな運動が効果的だと思われそうですが、決してそうではありません。運動強度が高くなると、乳酸という疲労物質が分泌されることになります。
ハードな運動で血液中にこの乳酸が増えると、高血圧の改善には逆効果となってしまいます。
ですので、血圧を下げるためには、乳酸が増えない程度のソフトな運動が適しているのです。
そのためには、ゆっくり体を動かして酸素を十分取り込みながら行える「有酸素運動」が効果的になります。
適度な有酸素運動をすることで、昇圧作用のあるノルアドレナリンの分泌を抑えることができます。また、降圧効果のあるホルモンの分泌を増やし、降圧物質であるドーパミンやプロスタグランディンE、タウリンなどを増量することがわかっています。
降圧効果を期待するには、息切れしない程度の少し早歩きのウォーキングがお勧めです。更に、継続的に運動を続けることで、血圧を下げる効果があることが明らかとなっています。
ウォーキングやストレッチに合わせて筋力トレーニングを行うと、更に効果的です。
運動療法による降圧効果は、高血圧の程度や年齢によっても違ってきます。
実際に高血圧に効果のある運動や、その効果の現れ方などの違いについては、こちらの記事で詳しく説明しています。
定期的な運動の効果とは?
ウォーキングなどの運動を定期的に行うことで、体の代謝機能が良くなります。そうすると、血圧や血糖値、中性脂肪値なども下がる効果があります。また、善玉のHDLコレステロールが増えることもわかっています。これによって、動脈硬化の進行を予防することができるのです。
そのため、加齢などによって老化した血管も、定期的な有酸素運動などを行うことによって、血管の柔軟性を取り戻すことができます。
このように、定期的な運動をすることで、血管を若返らせて健康な状態に戻すことができるのです。
また、運動などによる血管ケアを行うことは、脳卒中や心筋梗塞などの重大な血管病を防ぐことにも繋がるのです。