高血圧の薬を飲んでも効かない – その理由とは?
血圧を下げるために処方されるのが降圧薬です。高血圧で薬物治療を始めているほとんどの人が、この降圧薬を飲んでいることになります。
しかし、薬を飲んでいるにも関わらず、実際に血圧をコントロールできているのは約半数しかいないという報告があります。
これは一体どうしてなのでしょう?
市販薬には血圧を上昇させる薬がある?
降圧薬を飲んでいても、血圧のコントロールができている人と、できない人がいます。
この違いはどこにあるでしょうか?
それには、いくつかの理由が考えられます。
まずは、降圧薬を正しく服用しているか確認してみることです。
市販薬の中には、降圧薬と併用して服用することで、血圧を上昇させる薬もあります。
非ステロイド抗炎症剤、解熱鎮痛剤には血管を収縮する作用がある為、血圧を上昇させます。
また、漢方の天草などにも同様の作用があります。
これらの薬を服用する場合には、医師や薬剤師に確認する必要があるのです。
- 風邪薬
- 鼻炎、咳止め薬
- 胃腸薬
- 頭痛薬
- 非ステロイド抗炎症剤
- 解熱鎮痛剤
- 漢方薬
血圧を上昇させる作用のある薬剤については、こちらの記事に詳しく記載していますので、参考にして下さい。
降圧薬を飲んでも血圧が下がらない理由は?
降圧薬を3剤以上服用していても、目標の血圧値まで下がらない人もいます。これは「治療抵抗性高血圧」と呼ばれ、その割合は半数以上とも言われています。
こういった状況の背景には、薬で病気が治るものだと勘違いしている人が多いということが考えられます。
降圧薬は血圧を下げるための薬ですが、これで高血圧が治るというものではありません。
問題となるのが、降圧薬を飲んでいても生活習慣を改めずに過ごしている人が意外にも多いということです。
いくら降圧薬を飲んでいても、血圧を上げるような生活を続けていたのでは、その効果もありません。
降圧薬を飲んでも血圧が下がらないという場合、このような生活習慣を続けていないか確認してみる必要があります。
- 内臓脂肪の蓄積
- 過食や肥満
- 運動不足
- 大量の飲酒や喫煙
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)
- 塩分や糖分の摂り過ぎ
- 疲労やストレスの蓄積
血圧が下がらない理由は睡眠障害かも?
高血圧は中高年の男性に多くなる傾向がありますが、それには睡眠が関係している場合もあります。
特に、いびきがひどく睡眠が浅くなりがちで、飲酒量が多い人などは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があります。
睡眠は血圧に大きく影響してきます。SASは治療することで、高血圧だけではなく他の危険な病気の予防にも繋がります。
SASの疑いがある場合には、早目に検査を受けることをお勧めします。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)と高血圧の関係については、こちらの記事に詳しく記載していますので参考にして下さい。
血圧は毎日の生活習慣に大きく影響されて変動するものです。そのため、生活習慣を改善していくことで、血圧のコントロールも可能になるのです。高血圧を治すためには、薬だけに頼らずに、日々の生活習慣を見直すことが最も大切なことなのです。