飲み始めると止めるのは困難?高血圧の薬の問題点とは
高血圧の治療は、まず生活習慣を改善することから始めます。しかし、それでも血圧が目標値まで下がらない場合には、薬物治療が必要となります。
そこで心配になるのが、「薬を飲み始めると止められないのでは?」ということです。
高血圧の薬は、飲み始めると本当に止めることはできないのでしょうか?
高血圧の薬は、飲み始めると一生飲むことになるの?
一般的に、「高血圧の薬は、飲み始めると一生飲み続けることになる」と当たり前のように言われています。しかし、食生活の改善や運動療法などを行うことで、実際に薬を止めることができる人もいます。
では、なぜ薬を止めることができる人と、一生飲み続けることになる人がいるのでしょうか?
高血圧の薬、飲むだけでは改善されない?
血圧を下げるために処方される薬、「降圧薬」にはいくつかの種類があります。しかし、どの薬にも共通していることは、一時的に血圧を抑える作用はあっても、本来の高血圧自体を改善することはできないということです。
よく勘違いされている人がいますが、降圧薬を飲んでいたら、そのうち高血圧が治ると思っている人がいます。これは大きな間違いです。
降圧薬に限らず、どんな薬でもそうですが、薬は一時的に症状を抑える効果はあっても、病気そのものを治すことはできないのです。
薬は、一時的に症状を抑える効果がある。しかし、病気そのものを治すことはできない。
では、病気を治すためにはどうしたらいいのか?と思われるでしょう。
高血圧の場合は、血圧を上げる原因となっているものを改善することです。そもそも高血圧というのは、悪い生活習慣を続けていることで発症する「生活習慣病」ということを忘れてはいけません。
降圧薬を飲んでいるからと言って、今までの生活習慣を改善しないままでいると、更に高血圧を悪化させてしまうことにもなりかねません。
また、そうなってしまうと、一般的に言われているように「一生薬を飲み続けること」になるのです。
根本的な原因(生活習慣など)を改善せずに、薬を飲み続ける。
更に高血圧が悪化する。
一生薬を飲み続けることになる。
降圧薬を減らしたり止めるためには?
高血圧の薬は、血圧の状態が正常に戻れば止めることはできます。
そのためには、血圧を上げない生活習慣を常に心がけることです。また、血管にとって悪い影響を与える生活をしている人は、それを改善することから始めなければいけません。
例えば、喫煙や多量の飲酒、塩分や脂質の摂り過ぎ、肥満、運動不足などがそうです。
まずやめるべき習慣については、こちらの記事も参考にして下さい。
血圧を上げない生活習慣、食事や運動などを実践していくことで、血圧を下げることは可能なのです。そして、その効果が表れると、処方されている薬の量を減らしたり、止めることも期待できます。
ただし、脳や心臓、腎臓に合併症がある場合や、重度の高血圧症の人などは、生命の危険性を伴うため、薬物治療が必要となります。
それ以外の高血圧症であれば、生活習慣の改善に取り組みながら、血圧を測定して変化を記録していくことです。日々の改善によって、やがて血圧降下を実感できるようになるはずです。
効果が表れてきたら、主治医と相談しながら、薬の調整を行ってもらうようにしましょう。