高血圧の人の食事 – 注意するべき5つのポイント
高血圧の改善には、毎日の食生活が大きく影響してきます。
そのため、食事を見直すことで高血圧の予防や改善ができるのです。
そこで今回は、食事で高血圧を改善するための基本的な5つのポイントをご紹介したいと思います。
目次
塩分を減らすよりもカリウムを多く摂る
高血圧と言えば「減塩」のイメージが強く根付いていますが、塩分を減らすことよりもカリウムを多く摂ることを意識するといいでしょう。
カリウムを摂取することで、食塩(ナトリウム)を排出する作用があります。そのため、カリウムを多く含む野菜や果物を積極的に摂るようにすることです。
血管の弾力低下を防ぐ、良質のタンパク質を多く摂る
高血圧の改善には、高血圧そのものよりも高血圧によって引き起こされる動脈硬化を予防することが重要になります。
動脈硬化が進行すると、血管病になるリスクが高まるからです。そのため、健康で丈夫な血管を作ることが高血圧の改善に繋がるのです。
そのためには、血管の弾力性を保つために欠かせない良質なタンパク質をしっかりと摂ることです。
脂肪の少ない動物性タンパク質や、大豆タンパク質を積極的に摂り入れるようにするといいでしょう。
動物性脂質を摂り過ぎないようにする
脂肪の多い肉類の摂り過ぎは、悪玉のLDLコレステロールを増加させてしまいます。
悪玉コレステロールが増え過ぎると、血管壁に沈着し酸化されて動脈硬化を進行させます。
脂身の多い牛肉や豚肉は食べるのを控えるようにして、鶏肉や魚などの飽和脂肪酸で総脂肪の低いものを食べるようにするといいでしょう。
肉を食べる時には、皮や脂を取り除いて、網焼きや蒸したり茹でたりする調理法がおすすめです。
ビタミンやミネラル、食物繊維を十分摂る
血管を健康に保つためにビタミンは欠かせません。
例えば、ビタミンCは血液をサラサラにして血管を補強する効果があります。ビタミンB6、B12は血液中のホモシステイン濃度が高くなるのを防いで動脈硬化を予防します。また、ビタミンDはカルシウムの吸収を良くします。
更に、血管や血液の状態を良くするためには、ミネラルをバランス良く摂る必要もあります。
ナトリウムを排出するためのカリウム、動脈硬化を予防するカルシウム、血管の収縮や拡張をコントロールするマグネシウム。これらは高血圧の予防や改善には欠かせないミネラルです。
ミネラルはお互いに協力して働くだけではなく、拮抗関係にもあります。そのため、バランスよく摂ることが大切なのです。
あと、高血圧を改善する食事には、水溶性の食物繊維を十分に摂ることです。
押し麦などに多く含まれる水溶性の食物繊維には、悪玉コレステロールを低下させ、ナトリウムを排泄させて便秘を解消する働きがあります。それによって、血圧を下げる効果があるのです。
摂取カロリーが多くなり過ぎないようにする
栄養成分や食べる物に注意していても、全体の摂取カロリーが高くなると血圧を上げる要因となります。
高い血圧を下げるためには、トータルの摂取カロリーを抑えることが大切です。
特に肥満の人など、脂質や糖分を控えて高カロリーとなる食事を控える必要があります。
体重と血圧は密接に関係しています。肥満の人の場合、体重を5kg減らせば収縮期血圧が約40mmHg、拡張期血圧で20mmHg下げることが期待できるのです。
普段食べ過ぎにある傾向や、肥満気味の人などは、先ずは腹八分目を心がけるようにしてみましょう。
このように必要な栄養面を見てみると、日本で古くから食べられてきた伝統食は、高血圧の改善に適した食事となることがわかります。
和食を基本に、果物やヨーグルトなどをデザートすると、高血圧の予防や改善に効果的な食事となります。
食事は毎日の積み重ねです。まずはできるものから取り入れてみてはいかがでしょう?