高血圧が進行して起こる病気 – 高血圧のタイプ

高血圧になる人は、成人の約3人に1人の割合で、日本で最も多い病気です。
特有の自覚症状がないため危険な病気という意識が低く、そのまま放置されるケースも多くあります。

しかし、高血圧の状態が長く続くと、命に関わる危険な病を発症する可能性があります。
また、病院の検診では発見されにくい高血圧のタイプもあります。

今回は、高血圧が進行することで起こる危険な病気と、高血圧のタイプについて紹介します。

高血圧を放置すると重大な病気に?!

高血圧

血圧は慢性的に高くなってもほとんど自覚症状がありません。
そのため、高血圧と診断されても、治療をせずにそのまま放置される場合もあります。

また、検診以外で定期的に血圧を測る機会がないと、血圧が高くなっても気づかない人も多いようです。
しかし、血圧は加齢と伴に高くなる傾向があるため、長く放置するほど更に上昇することになります。

血圧が高いということは、数値上の問題だけではなく、「血管や心臓に負担がかかり続けている」状態です。そのため、高血圧の状態が長く続くことで動脈硬化が進行して、場所によっては命に関わる重大な病を発症する危険性が高まります。

高血圧が進行して起こる重大な病気

  • 脳では、脳卒中(脳梗塞、脳出血)
  • 心臓では、狭心症心筋梗塞、心臓肥大により心不全につながる。
  • 腎臓では、腎機能の低下により腎硬化症が起こり、更に進行すると腎不全におちいる。
高血圧が進行して起こる病気については、こちらの記事で詳しく紹介していますので、参考にして下さい。

高血圧と判断する基準は?

高血圧とは、血圧の数値が一定の基準を超えた状態です。
そして、治療が必要となる血圧の基準値は、日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン」によって定められています。

高血圧とは?

  • 血圧とは、血管の中を血液が通るときに血管にかかる圧力のこと。
  • 血圧の数値が一定の基準を超えると、「高血圧」と診断される。
高血圧の診断基準値

  • 収縮期(最大血圧=上の血圧):140mmHg 以上
  • 拡張期(最低血圧=下の血圧): 90mmHg以上
血圧は加齢と伴に上昇するため、年齢や性別によって標準値は変わります。

年齢と性別で変わる血圧値については、こちらの記事で詳しく紹介していますので、参考にして下さい。

高血圧になったらどうしたらいいのか?

しかし、血圧が診断基準値を超えたからといって、必ずしも治療が必要になるとは限りません。

高血圧治療を開始するタイミング

高血圧の治療が必要となるタイミングについては、「高血圧治療ガイドライン」を元に、他の疾患など高血圧のリスクや年齢、体調などによって医師が判断します。
一般的に、高血圧と判断されてすぐに薬物療法が必要となるのは、「高リスクの高血圧の人」になります。

治療が必要となる高血圧のガイドラインについては、こちらの記事で詳しく紹介していますので、参考にして下さい。

高血圧になったら先ずすることは?

高血圧は、原因のはっきり特定できない「本態性高血圧」と、他の病気などが原因となって起こる「二次性高血圧」に分類されます。

高血圧の種類

  • 本態性高血圧
  • 二次性高血圧
現在、高血圧症と診断されている約9割りは「本態性高血圧」です。

「本態性高血圧」となる原因の多くは、普段の生活習慣にあります。
そのため、血圧を上げる原因となる生活習慣を見直すことが先決となります。

お酒の飲み過ぎや喫煙、肥満などは血管に悪影響を及ぼし、血圧を上げる大きな要因となります。
また、運動不足やストレス、睡眠不足などが血圧を上げる原因となります。

血圧を上げる原因となる生活習慣

  • 過度の飲酒や喫煙
  • 肥満
  • 運動不足
  • ストレス
  • 睡眠不足
  • 睡眠時無呼吸症候群
特に血圧に悪影響を及ぼす生活習慣について、こちらの記事で詳しく紹介していますので、参考にして下さい。

家庭と病院とで変わる血圧

Doctor measuring blood pressure of a senior patient

家庭で血圧を測定すると正常なのに、病院では血圧が高くなってしまう人もいます。
これは、医師や看護師を前にして緊張してしまうことが原因の「白衣高血圧」と呼ばれるものです。

軽い高血圧の人のうち、約2~3割の人が「白衣高血圧」のタイプだと言われています。
血圧は常に変動していて、緊張やストレスなどの精神状態も大きく影響します。
「白衣高血圧」の場合は、緊張で一時的に血圧が高くなっているだけで、普段は正常値のため特に治療の必要はありません。

「白衣高血圧」については、こちらの記事で詳しく紹介していますので、参考にして下さい。

家庭血圧の重要性

家庭ではリラックスした状態で血圧を測定できるため、本来の血圧値を知ることができます。
また、日頃から血圧を管理することで、血圧の変動を把握することもできます。

家庭血圧の重要性

  • リラックスした状態で測定できるため、本来の血圧値を測定できる。
  • 血圧の変動を把握することができる。
  • 腎機能の低下などを早期に発見できる。
「高血圧治療ガイドライン2014」では、診察室血圧で140/90mmHg以上、家庭血圧135/85mmHgを高血圧の診断基準としています。また、家庭血圧を優先するという基準も新たに加わりました。
一般的に、家庭で測定する血圧は低めになり、診察室血圧は高くなる傾向があるためです。

こんな症状には要注意!

高血圧は「サイレント・キラー」と呼ばれるように、基本的に自覚症状がほとんどありません。しかし、血圧が高い状態で、たまに頭痛やめまい・吐き気などの症状が起こることがあります。

そのような場合には、高血圧に伴う合併症によって起きている可能性も考えられます。
そのため、このような症状が度々起こる場合には、早目に医師の診断を受けることが必要です。

高血圧に伴う症状

  • 頭痛
  • 吐き気
  • めまい
  • のぼせ
  • 動悸
  • 息切れ
  • 倦怠感
高血圧に伴って起こる合併症の症状については、こちらの記事で詳しく紹介していますので、参考にして下さい。

病院では発見されない高血圧もある?

また、検診で測る血圧は正常値のため、病院では発見されない「隠れた高血圧(仮面高血圧)」もあります。

中でも、近年特に問題とされているのが、朝起きた時の血圧が高くなる「早朝高血圧」です。
「早朝高血圧」には、目覚める前後に血圧が急上昇するタイプと、夜になっても血圧が下がらないまま上昇するタイプがあります。

早朝高血圧は健診では発見されにくいため、高血圧と診断されませんが、悪化すると重大な血管病を引き起こすリスクが高まります。

早朝高血圧のタイプ

  • 早朝上昇型(モーニング・サージ・タイプ)
    朝、目が覚める前後に血圧が急上昇するタイプ
  • 夜間持続型(持続タイプ)
    夜の血圧が下がらないまま緩やかに上昇するタイプ
早朝高血圧は動脈硬化が進行している場合や、高齢者の方に起こりやすくなります。

早朝高血圧を発見する方法など、こちらの記事で詳しく紹介していますので、参考にして下さい。

日本人に最も多い病気となっている高血圧ですが、症状によってタイプがあります。
しかし、どのような高血圧でも進行することで、重大な病につながることは同じです。

そのため、血圧値が高くなってきた場合や、気になる症状がある場合には、早目に予防することが大切です。

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