高血圧になる原因は腎臓だった?対処法は?
高血圧を引き起こす原因には、様々な要因が考えられます。その中でも、腎臓の働きは血圧と密接に関係しています。腎臓の機能が低下することで、高血圧となる場合もあるのです。
腎臓の機能が低下すると、なぜ血圧が上がるのか?
腎臓は主に、余分なナトリウムを排泄して血液をろ過する働きをしています。
血液の中から、体に必要なものは心臓へ送り返し、ナトリウムや体内で生じた毒素や老廃物などは尿として排泄されるのです。
この腎臓の働きによって、血液中の成分や血液量は一定に保たれているというわけです。
腎臓の働き=血液のろ過
血液の中から、毒素や老廃物を尿として排泄する。
従って、腎臓の機能が低下すると、血液中の老廃物が多くなります。そうすると、腎臓は汚れを取り除こうとして、ますます多くの血液を処理しなければならなくなります。
そのため、腎臓からレニンというホルモンが多く分泌されることになります。レニンは、血圧を上げるアンジオテンシンⅡを増やす働きがあるため、血圧を上げることになるのです。
腎臓の機能が低下
血液中の老廃物が多くなる
腎臓の処理が多くなり、血圧を上げる物質が多く分泌される。
高血圧が続くと腎臓病にもなりやすい?!
腎臓はもともと、血圧と非常に深い関係がある臓器です。
そのため、腎臓病があると、高血圧を招きやすくなります。腎臓病が原因で起こる高血圧を「腎性実質性高血圧」と言います。
また、その反対に、高血圧が続くことで腎臓が悪くなることもあります。
高血圧が続くと、腎臓の細動脈硬化を促進させることになります。腎動脈にアテローム硬化や、細動脈硬化が起こると、血管内腔が狭くなり腎臓の血流が悪くなります。そうなると、腎臓が硬く萎縮して小さくなってしまうのです。これが「腎硬化症」と呼ばれるものです。
更に、腎硬化症が進行して、腎臓の正常な働きができなくなると、腎不全を招くことになります。
腎不全になると、老廃物が血液中に多く残り、血液が汚れた状態になります。そのため、血液透析を受けなければいけなくなるのです。また、腎不全になると更に高血圧を悪化させることとなってしまいます。
このように、高血圧が続くと腎臓に大きなダメージを与えることになり、それによって更に高血圧を悪化させることになります。
そして、高血圧が進行すると、それが腎臓の機能を更に悪くするといった悪循環に陥るのです。
腎臓を健康に保つためには?
血圧が高くなることで血管が痛み、体の中の様々な臓器に影響を及ぼします。中でも、血圧による影響を最も受けやすいのが、生命に関係する臓器、心臓や脳、腎臓なのです。
そのため、血圧を下げて正常値に保つことができれば、これらの血管への損傷も防ぐことができるのです。
高血圧を改善することは、腎臓への負担を防ぐことに繋がります。また、それだけではなく、心不全や脳卒中、腎臓障害など生命に関わる病気を未然に防ぐことができるのです。
また、高血圧の人は、定期的に尿検査や血液検査を受けることで、他の合併症などの危険性を防ぐことにもなります。
腎臓の機能を低下させないためには、高血圧を改善することです。そのためには、血圧を上げている原因となる生活習慣を見直すことが最も大切になります。