高血圧を予防・改善する食事療法 – 7つのポイント

高血圧を改善する食事療法

高血圧を予防・改善するための食事療法とは

高血圧の予防や改善するための食事療法では、先ずは血管を老化させる食事を控えることです。そして、血管と血液の状態を良くして血圧を下げる働きのある食材を摂ることが大切になります。
血管がしなやかに、血液がサラサラになることで、高くなった血圧を下げることができます。

そのためにも、普段の食生活で気をつけたい7つのポイントをご紹介します。

1. 高カロリーの制限

血圧と体重は密接に関係しています。1kg体重が減ることで、血圧は1~2mmHg下がります。
肥満の人が体重を5kg減らせば、血圧は収縮期で約40mmHg、拡張期では約20mmHg下がることが期待できます。

体重が減ると、その分血圧が下がる

  • 1kgで:約1〜2mmHgの低下
  • 5Kgで:約20〜40mmHgの低下

肥満が原因で高血圧になっている人の場合、先ずは食事で脂質と糖質のカロリーを制限することです。低カロリーのおかずや、胃の膨れる汁物などを摂るようにすれば、食べる容量を抑えることができます。

2. 良質なタンパク質を摂る

高血圧を改善するための健康な血管作りには、血管の材料となるタンパク質をしっかり摂ることが大切です。脂肪の少ない動物性や良質な大豆タンパク質を摂るようにしましょう。

特に“畑の肉”と呼ばれる大豆には、必須アミノ酸がバランス良く含まれています。
大豆に含まれるレシチン、リノール酸、サポニン、ポリフェノールの、一種イソフラボンなどの成分は、悪玉のLDLコレステロール中性脂肪を低下させます。
それによって、血液をサラサラにする働きがあり、血圧を下げて動脈硬化を強力に防ぐのです。

この他にも、大豆には血圧の低下作用を示すペプチドや、抹消血管の血行を良くするビタミンE、抗酸化作用のあるイソフラボン、肥満や便秘予防に役立つ食物繊維など、血圧を正常に保つ成分が豊富に含まれています。

大豆を食べることで「良質なタンパク質」を摂ることができる!

3. 動物性脂質の摂り過ぎを避ける

脂質の多い肉類の摂り過ぎは、悪玉のLDLコレステロールを増加させます。コレステロールは細胞膜の構成成分であり、血管の柔軟性を保つために必要な成分です。
しかし、摂り過ぎると悪玉のLDLコレステロールが血管に沈着し、酸化されて動脈硬化を進行させることになります。

動脈硬化

植物油に多いリノール酸の過剰摂取は、悪玉コレステロール(LDL)も善玉コレステロール(HDL)も減少させてしまうことがあります。

植物油を摂るなら、オレイン酸の多いオリーブオイルなどを摂るようにするといいでしょう。

4. ミネラルを十分摂る

カリウムカルシウムマグネシウムは、高血圧の予防や改善に必要なミネラルです。
カリウムは余分なナトリウムを排出します。カルシウムが不足すると、骨から溶け出し、血管に沈着して動脈硬化の原因となります。マグネシウムは血管の平滑筋細胞の収縮・拡張をコントロールして、高血圧を予防します。
※平滑筋細胞.. 血管の壁を作っている細胞。

高血圧の予防・改善に必要なミネラル

  • カルシウム
  • マグネシウム
  • カリウム
これらの「ミネラル」は、特に日本人には不足しがちです。十分なミネラル摂取を心がけることが大切です。

また、ミネラルは互いに協力して働くだけではなく、吸収を抑制して互いの働きを打ち消すような拮抗関係にあります。ですので、ミネラルはバランスよく摂ることが大切になってきます。

5. 食塩を制限する

減塩の目標値は、1日6g未満です。これには加工食品などに含まれる塩分や、野菜などに含まれるナトリウムも考慮しなくてはいけません。また、調味料などにも塩分が多く含まれています。

塩分をうまく排出するためにも、食塩を排泄するカリウムや、血圧の上昇を抑えるカルシウムを多く摂る工夫が必要です。

6. ビタミンを十分に摂る

コレステロールと並ぶ血管病のもう一つの元凶は、ホモシステインです。ホモシステインは、肝臓でアミノ酸が代謝される過程で作られるものですが、肝臓から血中に出て行くと動脈硬化を引き起こします。

ホモシステイン

ホモシステインは、必須アミノ酸のひとつであるメチオニンの代謝における中間生成物である。ホモシステインの代謝には、葉酸・ビタミンB6・ビタミンB12が関与している。

出展:Wikipedia「ホモシステイン

ホモシステインの代謝過程で必要なビタミンB6、ビタミンB12、葉酸が不足すると、血液中のホモシステイン濃度が高くなってしまいます。
血液中のホモシステイン濃度は、加齢と共に増えますので、これらのビタミンは積極的に摂る必要があります。

ビタミンB6,ビタミンB12が不足する

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ホモシステインの濃度が高くなる

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ホモシステインが血中に出ていくと動脈硬化の原因に

対策:ビタミンB群を積極的に摂るようにする

他にも、ビタミンCはストレスに対する抵抗力を高めて、血圧を下げるサポートをしています。

また、カルシウムは不足すると血圧の上昇を招いて動脈硬化の進行を促します。高血圧予防にはカルシウムは重要な成分です。
このカルシウムの吸収を良くする働きがあるのがビタミンDです。

このようなビタミンをバランスよく十分に摂ることが、高血圧の予防や改善につながるのです。

7. 食物繊維を十分摂る

食物繊維は、水に溶ける「水溶性」と、水に溶けない「不溶性」に分けられます。
水溶性の食物繊維には、海藻類に多いアルギン酸フコイダン、果物に多いペクチンなどの種類があります。

アルギン酸は腸の中でナトリウムを吸着して便と一緒に排出する働きがあり、これによって血圧を下がる効果があります。

食物繊維を十分摂るためには、主食で摂るようにすると効果的でしょう。ご飯に押し麦やごぼうを加えて炊くのもお勧めです。
押し麦には水溶性の食物繊維が多く含まれているので、悪玉コレステロール(LDL)の低下、ナトリウムの排泄などによって、血圧を下げる効果が期待できます。

高血圧の改善には、一汁三菜が効果的?

食事

昔ながらの「和食」にこそ、健康的な食生活の秘訣があった。

高血圧の予防や改善のために実践したい7つのポイントですが、和食の基本でもある「一汁三菜」によってバランスよく摂ることができます。

一汁三菜とは、主食のご飯に対して、汁物1品、3品のおかず(主菜1品、副菜2品)で構成された献立のことです。
ご飯でエネルギー源となる炭水化物、主菜で魚や肉、卵、豆腐などのタンパク質、副菜2品は野菜や芋類、大豆、キノコ、海草などでビタミン食物繊維ミネラルなどの栄養をバランスよく摂ることができます。

副菜を多めにとれば、余分な脂肪や糖分、塩分を排出する効果も期待できます。

和食の基本である「一汁三菜」は、健康面でもバランスのとれた、理に適った食事ということですね。

高血圧の予防・改善に積極的に摂りたい食べ物

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このように、高血圧の予防や改善には、ミネラルやビタミンなどの必要な栄養素をバランスよく摂ることが大切になります。

また、血管の老化を防いで血管をケアする作用の高いものを多く摂ることで、老化した血管もイキイキと若返らせることが期待できます。
血栓を防いで血液をサラサラにしたり、中性脂肪を減らして悪玉のLDLコレステロールを減らすことで、動脈硬化の進行を抑えて高血圧を予防することにつながります。
このような作用のある成分を豊富に含む食べ物を、毎日の食事で積極的に摂るようにするといいでしょう。

血管ケア効果の高い食べ物をこちらの記事で紹介していますので、是非参考にして下さい。

日々の食生活は血管の状態に大きく影響してきます。そのため、食生活の見直しは健康で若々しい血管のためにも、とても重要になります。
是非、明日からの食事にこれらのポイントを取り入れてみてはいかがでしょう?

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