酵素を補給して動脈硬化を改善する – 食事療法のメリット
高血圧の治療では、ほとんどの人が降圧剤を処方されて飲んでいます。降圧剤は血圧を下げるための薬です。私の父も長年、この降圧剤を飲んでいる患者の一人です。
そこで疑問に感じるのが、「長年薬を飲んでいるのに、なぜ高血圧は治らないの?」ということです。
薬で病気が治ると思っている人は多いですが、薬は一時的に症状を抑えることはできても、病気そのものを治すことはできないのです。
では、病気を根本的に治すためにはどうしたらいいのでしょう?

薬はあくまでも、一時的に症状を抑えるもの。根本治療とは言えない。
目次
食事療法で動脈硬化を改善することができる
「薬以外の方法で、高血圧を根本的に改善することはできないのか?」
私自身、そのように考え、食事療法での改善策を調べていく中、「免疫力を高める」ことによって、人間の体に備わっている「自然治癒力」を高めるという方法に辿り着いたのです。
そして、いくつか効果があるとされる食事療法を試してみることにしたのです。
その中でも特に効果的だと実感できたのが、「酵素を補う」ということです。
動脈瘤破裂の緊急手術によって命を救われた私の父。父は、約一ヶ月半の入院生活を経て、退院することができました。退院してからは、今までの食生活を徹底的に見直すことで、動脈硬化を改善することにしました。
手術の時に明らかになったのですが、今回処置した場所と全く違う場所にも、まだ動脈瘤があるということが分かったからです。
しかも、できている場所が悪いため、その動脈瘤もなるべく早く処置しなければいけないという状況でした。
そのため、三ヶ月後のCT検査で進行を確認し、次の処置方法を決めることになったのです。やっと無事に退院できたかと思ったら、また次の処置=手術が待っているのです。
このような状況の中、何とか手術をせずに動脈瘤を小さくすることはできないのだろうか?と考えた末、「食事療法」での体質改善を行うことにしました。その中で行った一つが、「酵素を補う」ということでした。
退院してから父は毎日、果物や野草で作った自家製の酵素シロップを飲み始めました。
そして、その二ヵ月後のCT検査では、血管の状態が良くなり、手術が必要とされていた動脈瘤が小さくなっていたのです。その結果、計画していた動脈瘤の手術をする必要がなくなりました。
果物や野草で作った自家製の酵素シロップを毎日飲むこと。
2ヶ月後のCT検査で、血管の状態が良くなっていた。
この結果を聞いてすぐさま頭に浮かんだことは、「酵素」が血管の状態を良くして動脈瘤を小さくしたのではないか?ということです。
もちろん、他にも食生活には気を使っていましたし、運動もできる範囲で行っていました。しかし、この二ヶ月という期間で考えてみると、「酵素の補給」は、今までと比べて最も大きな変化だったのです。
そこで今回は、なぜ私が「酵素」を補給することが動脈瘤の改善になると考えたのか、そして「酵素」がどのように人の体に影響するのかをご紹介したいと思います。
「酵素」とはいったい何?

酵素は自然界に存在する物質。人間の生命活動には欠かせない物質。
「酵素」という言葉はよく耳にするけれど、いったい何なのかよくわからない。という人は多いと思います。
「酵素」は、自然界のあらゆる生命体に宿る物質で、人の体内にも存在しているものです。そして、酵素は人間の生命活動に欠かすことのできない物質であることがわかっています。
そんな酵素がもつ力に注目したアメリカのエドワード・ハウエル博士は、50年もの歳月をかけて酵素の研究をして、「酵素栄養学」という著書を発表しています。
エドワード・ハウエル博士
米国の医学者。食物酵素理論を提唱した、酵素栄養学のパイオニア
写真:幸食研究所
人の体内で作り出される酵素には限りがあります。そして、食生活やライフスタイルによっては酵素が必要以上に多く消費されることになり、酵素不足となるのです。
酵素不足が病気を引き起こす原因に?
酵素は大きく分けて、人の体の中にある「潜在酵素」と、外部から食物によって取り入れる「食物酵素」に分けられます。さらに「潜在酵素」は、食物の消化に使われる「消化酵素」と、体をつくり病気を治したりする、人間のすべての生命活動に必要な「代謝酵素」に分けられます。
様々な酵素の種類
- 潜在酵素:人の体内にもともと存在する酵素。
- 食物酵素:食物に含まれる酵素。
- 消化酵素:食べた物の消化(分解)に使われる酵素。
- 代謝酵素:体内で生成され、生命活動全般に必要な酵素。
体内にもともとある「潜在酵素」は、年齢と共に量が減っていきます。ですので、食事などで外から酵素を補給していく必要があるのです。
しかし、生野菜や新鮮な果物を食べずに、加熱した料理ばかりを食べていると、生きた酵素を摂り入れることができず、酵素不足となります。また、肉類や揚げ物などの油物の食事が多いと、消化酵素が大量に使われることになります。
そうすると、食べ物の消化に多くの酵素が必要となるため、生命活動を活発にする「代謝酵素」が少なくなってしまうのです。
さらに、病気になった時に病原菌をやっつける役割もあります。そのため、消化で多くの酵素を消費(浪費)してしまうと、代謝酵素が不足し、「病気にかかりやすく、治りにくい体」になると言えるのです。
薬を飲み続けると酵素不足になる?
高血圧に限らず、病気を患っていると何らかの薬を処方され、毎日飲むことになります。しかし、薬は人間の体の中に入ると「異物」として認識されます。そのため、薬を解毒するために必要な体内酵素が大量に消費されることになります。
そうすることで、代謝に使う酵素が欠乏するということになるのです。
病気の治療などで、どうしても薬が必要となる場合もあります。何らかの疾患で薬を飲んでいる人は、特に大量に消費される酵素を補う必要があるのです。
そのために、食事で外から酵素を摂り入れることが、病気を治す上でもとても大切になります。
こんな生活習慣が酵素不足を引き起こす!
私の父が入院時、病院食として出されている食事を見て驚きました。それは、血管病の患者に対して、毎食のように動物性タンパク質や油物の食事が出されていたからです。

肉類・揚げ物などは、消化酵素が大量に使われる。
しかも、食品衛生管理のためか、生野菜はほとんど出されず、加熱した食事が中心でした。最も食事に気をつけなければいけない場所で、胃腸に負担をかける食事や、酵素不足になるような食事が出されているのです。
病院ではカロリー計算やビタミン、ミネラルなどの栄養素は重視されていますが、「酵素」を意識した食事指導をする栄養士や医師は、ほとんどいないというのが現状です。
このような状況から、食事で病気を改善するためには、自分自身で学ぶ必要があることを実感しました。そして、「家庭での日々の食生活を見直すことが、最も大切になってくる。」と考えたのです。
では、どんな食事をして酵素を補えばいいのでしょう? それにはまず、無駄に酵素を消費しないような食生活を心がけることが大切になります。
- 朝食に加熱したり脂質の多い食事。
- 炭水化物やタンパク質の量が多い食事。
- お腹が一杯になるまで食べる(食べ過ぎてしまう)。
- 白砂糖や、質の悪い油脂の摂取。
- スナック菓子や清涼飲料の過剰摂取。
- 酸化した食品を多く摂る。
- 特定の栄養素を多く摂るような、偏った食生活。
中高年になっても若い頃と同じような食事を続けていると、胃もたれを起こしたり、お腹の調子が悪くなることが増えていきます。これは内臓が老化して、消化酵素の生産能力が衰えてきている証拠です。
私たちの体の中には、「消化酵素」と「代謝酵素」がありますが、どちらも加齢と共に量が減っていきます。
健康な体作りには、日々の食生活で、いかに酵素を無駄使いしないかということが重要になります。
食生活で「生きた酵素」を補給する
不足した酵素を補うためには、毎日の食事で酵素をたっぷりと体内に摂り入れることが大切です。
では、どのような食事が酵素を豊富に取り入れることができるのでしょう?それは、「生野菜と果物」をできるだけ多く摂ることです。生野菜や果物には、「生きた酵素」がたっぷり含まれています。
また、他にも健康を守る上での様々なメリットがあります。
生野菜や果物を食べるメリット
- 抗酸化栄養素(ファイトケミカル、ビタミン、ミネラル等)が多く含まれている。
- 良質な水分がたっぷり含まれている。
- 良質なアミノ酸が多い。
- 食物繊維が豊富。
- 果糖、ブドウ糖などの糖分が最良のエネルギー源となる。
- 質の高い脂質が含まれている。
すべての野菜を生で食べることは難しいかもしれませんが、毎食一品でも生野菜を使ったメニューを加えてみるといいでしょう。果物や野菜を使ったジュースや、野菜を擦り下ろして摂ることも、酵素の補給には効果的です。
特に大根などの野菜は、擦り下ろすことで酵素が活性化します。そうすることで、さらに体にプラスの作用を与えるのです。
動脈硬化や高血圧予防に限らず、酵素は免疫力を高める上でも重要になってきます。病気の予防や改善のためにも、普段の食生活で「生きた酵素」を補給することをおすすめしたいと思います。