血糖値を下げるには? – 血糖値を下げる食事の摂り方

血糖値が高くなると、糖尿病になるリスクが高まります。
高血糖を克服するためには、生活習慣を見直す必要があります。特に食生活は血糖値への影響が大きくなります。

そこで、血糖値を下げるために効果的な食事方法を紹介したいと思います。

血糖値を下げるには?

血糖値を下げる食事

炭水化物や糖質の摂り過ぎ、食べ過ぎなどはインスリンの働きを悪くして血糖値が下がりにくくなる。

血糖値を下げるためには、インスリンの働きを悪くする原因を改善する必要があります。
そのためには、炭水化物や糖質の摂り過ぎ、食べ過ぎなどの食生活を見直すことが大事です。

血糖値が高くなる原因

血糖値」とは、血液中に含まれるブドウ糖の量です。
食事で炭水化物を摂取すると、体内で分解されてブドウ糖になります。

ブドウ糖

炭水化物が体内で分解され、作り出される。

ブドウ糖は、脳や体温維持、体を動かすなど私達の生命活動を維持するために必要なエネルギー源です。
そのため、体内ではブドウ糖が不足しないよう、常に一定量に保つ働きがあります。その働きをしているのが、「インスリン」です。

食後は誰でも一時的に血糖値が高くなります。しかし、すい臓から分泌されるホルモン「インスリン」の働きで、食後1〜2時間で元に戻るようになっています。

体内の血糖値(ブドウ糖)コントロール

体内のブドウ糖は、空腹時でも70〜100mg/dlくらいに保つようコントロールされている。
食後の血糖値の上昇は、インスリンの分泌によって元に戻る働きがある。

しかし、暴飲暴食や炭水化物を多く摂取する食生活を続けていると、インスリンの働きが悪くなったり、分泌量が低下してしまいます。そのため、血糖値が下がりにくくなります。
そのまま放っておくと、常に「高血糖」状態となり、糖尿病を発症するリスクが高まります。

糖尿病の判断の目安

  • 血糖値(早朝空腹時)126mg/dl以上は「糖尿病型」
  • ヘモグロビンA1c(HbA1c)6.5以上は「糖尿病型」

この2つが確認されると「糖尿病」となる。
※この値はあくまでも目安のため、正式な診断は専門医を受診すること。

血糖値を急上昇させない食事方法

食事の順番

食事の順番を変えるだけでも、血糖値の急上昇を防ぐことができる。

血糖値は食事の後に上昇するものですが、急上昇させないことが大切です。
血糖値が急上昇すると、インスリンが過剰に分泌されて、血管への負担がかかることになります。そうなると、インスリンが正常に分泌されなくなり、血糖値が下がりにくくなります。

血糖値を急上昇させないためには、食事の順番に気をつけることが大切です。

血糖値を急上昇させない食べ方

血糖値の急上昇を防ぐには、食事の順番を野菜から食べて、ご飯を最後に食べるようにするのが有効。

ご飯やパン、めん類、イモ類などの炭水化物を多く含むものを先に食べると、糖質が吸収されやすいため食後に血糖値が急上昇します。
野菜などの副菜から食べ始めるようにすると、糖質の腸管での吸収がゆるやかになり、急激な血糖値の上昇を避けることができます。

また、食物繊維などを多く含む野菜類を先に食べることで満腹感が得られるため、食べ過ぎを防ぐことにもつながります。
この食事の順番は、糖尿病の治療にも有効な食事療法として認められています。

参考:書籍「「血管を鍛える」と超健康になる!」

血糖値を下げる食べ物

食べ物の中には血糖値を下げる働きをするものがあります。特におすすめしたいのが、「里いも」と「山芋」です。
里いもと山芋は、日本では昔から栽培されてきた“ぬめり”や“ねばり”のある代表的な食べ物です。この“ぬめり”や“ねばり”には、昔から体にいいと言い伝えられてきたように、優れた効能があります。

「里いも」で血糖コントロール

里いも

里いものぬめり成分には血糖値の上昇を抑えてコントロールする働きがある。

「里いも」はイモ類の中ではカロリーが控えめですが、ボリュームがあるため満腹感を得られます。しかし、消化吸収されるスピードはご飯よりも2〜3割り遅くなります。

成分的にはカリウムが豊富に含まれる他、特有のぬめり成分としてガラクタンムチンなどの食物繊維が豊富に含まれます。このぬめり成分には、血糖値の上昇を抑えてコントロールする作用があります。
他にも、コレステロールの低下や便秘解消などにも効果的です。

また、糖質をエネルギーに変える働きを助けるビタミンB1や、脂肪を効率よく燃焼させるビタミンB2も豊富に含まれているため、血糖値が高めの人には積極的に摂り入れたいおすすめの食べ物です。

参考:書籍「高血圧をらくらく下げるコツがわかる本」、「野菜がクスリになる50の食べ方」

「山芋」のねばりで血糖値を下げる!

山芋

山芋のジオスコランという成分には、血糖値を降下させる働きがあることがわかっている。

とろろ汁に使われる「山芋」ですが、デンプン分解酵素の「ジアスターゼ」が豊富に含まれています。そのため、一緒に摂った他の食品の栄養素を、無駄なく速やかに消化して吸収してくれます。

また、山芋の「ジオスコラン」という成分には、血糖値を降下させる働きがあることがわかっています。
食品を現代医学と漢方の両面から研究している、東洋食治研究会の田村哲彦会長(薬学博士)によると、中国医学会の発表で、漢方の山薬(山芋の乾燥品)10gを食事で摂取し続けた患者さんは、血糖値が30%程低下したという結果があります。これは生の山芋に換算すると、毎日100g(10cm程の長さ)ほど摂取することと同じだそうです。

参考:書籍「野菜がクスリになる50の食べ方」

「酢」で血糖値の上昇を抑える

お酢
疲労回復効果などで知られる「酢」ですが、血糖値の上昇を抑える作用もあります。

食事中に摂ることで胃で食べた物が長くとどまるため、血糖値が急上昇するのを抑えて、インスリン抵抗性の分泌を抑えられます。
インスリン抵抗性とは、肝臓や筋肉、脂肪細胞などでインスリンが正常に働かなくなった状態のことをいいます。
そのため、調味料として酢を積極的に使うことで、糖尿病を予防することに役立ちます。

参考:書籍「高血圧のすべてがわかる本」

50歳からは血糖値が高くなりやすい?

高糖質

50歳を過ぎる頃から「高糖質の状態」になりやすいため、炭水化物や糖質の摂り過ぎに注意が必要。

中高年になると血糖値が高くなる人が多いですが、血糖値の上昇は年齢的なものも関係しています。
それは、エネルギーを生成する機能が50歳前後で変化するためです。そのため、50歳を過ぎる頃からは、「高糖質の状態」になりやすい傾向があります。
体が高糖質の状態になると、エネルギーを生成するミトコンドリアエンジンが誤作動を起こし、取り込んだ酸素を活性酸素に変えてしまうことになります。

50歳頃からは「高糖質の状態」になりやすい

エネルギーを生成する機能が50歳前後で変化する。
50歳頃を境に、「解糖エンジン」から「ミトコンドリアエンジン」がメインに働くようになる。

そのため、50歳頃からは糖質が多く含まれるものには注意して、主食を減らしたり、ご飯に押し麦や雑穀を混ぜるようにするといいでしょう。

糖質の体への影響については、こちらの記事で詳しく紹介していますので、参考にして下さい。

糖分は控えているつもりでも、知らないうちに多く摂っている場合もあります。
例えば、缶コーヒーやジュースには甘味料が多く入っています。また、さっぱりとした飲み口の清涼飲料水にも、意外に多くの糖分が入っています。

血糖値を下げるためには、普段の食事を見直して、血糖値を急上昇させない心がけが必要となります。

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