薬を使わず高血圧症を改善する方法 – 食事と運動
高血圧症になり始めの場合、薬を使わなくても食事療法と運動療法で、ある程度血圧を下げることができます。
健康診断などで「高血圧症」と診断された場合、まずはあなたの生活習慣を見直してみてはいかがでしょう?
生活習慣の改善で血圧は下がる?!
最近の研究によると、食事や運動など生活習慣を改善することによって、血圧が下がることが報告されています。では、どのような改善方法で、どれだけ血圧を下げることができるのか、具体的な数字で確認してみましょう。
10kgの減量 | 収縮期血圧が5〜20mmHg下がる |
食塩の摂取制限 (1日7g以下) |
収縮期血圧が2〜8mmHg下がる |
飲酒の制限 (ビール20ml以下/日本酒1合以下/ワイン240ml以下) |
収縮期血圧が2〜4mmHg下がる |
運動療法 (ウォーキングやジョギング、水泳等の有酸素運動) |
収縮期血圧が4〜9mmHg下がる |
※運動量の目安は、1週間に2〜3回、30〜60分続けることで、1〜2ヶ月後に効果が現れるとされています(日本高血圧学会『高血圧治療ガイドライン』より)。

定期的な運動習慣は血圧が下げる効果がある。
定期的に適度な運動を続けることで、血圧が下がることがわかっています。
年齢や体力によっても、運動方法は変わってきます。
どのような運動をどれくらい続ければ効果があるのか、血圧を下げるのに効果的な運動療法について、こちらの記事で詳しく紹介しています。
食生活の改善で血圧を下げる方法
高血圧になる原因のひとつとしてよく知られているのが、塩分の摂り過ぎです。
これは、血液中のナトリウム(食塩の主成分)が増えると、ナトリウムの血中濃度を薄めようとして、血液中に水分を取り込むために起こるものです。
血液中に水分を取り込もうとすると、血液量が一時的に増えます。その結果、血管壁にかかる血液の圧力が強くなり、その結果、血圧が上がるのです。
この場合、もし腎臓に障害があると、余分なナトリウムと水分を十分に排泄できなくなります。そのため、更に血圧が上昇し、高血圧症に進行する可能性があります。
これが塩分と高血圧のメカニズムになります。
適度な塩分の摂取量はどれくらい?
血圧の上昇と塩分の摂取量とは、深く関係しています。
ですので、血圧を下げるためには、塩分の摂取量をコントロールすることがとても重要になるのです。
ちなみに、1日の塩分摂取量は、7gに抑えるのが望ましいとされています。では、普段口にする食事では、どれくらいの塩分量になるのか見てみましょう。
・ラーメン :8.1g
・たくわんの漬け物(30gあたり) :1.3g
血圧を上げないためには、ラーメンを食べるときはを全部飲まずに残すようにしたり、刺身を食べる際には、しょう油をダシ割りしょう油にするなど、ちょっとした点に気をつけることが大切です。
体内の塩分コントロール機能をアップする!

カリウムを多く含む食材を摂ることで、塩分コントロールを調整する効果がある。
また、塩分の摂取ばかりではなく、体内の余分な塩分を排出することも重要になります。
体内の塩分(ナトリウム)を排出するためには、カリウムを含む食材を多く摂る必要があります。カリウムは体内に溜まった余分な塩分を排出する作用があるので、塩分コントロールを調整する効果があるのです。
更に、塩分を控えているのに血圧が思うように下がらないという人は、“糖質”を摂り過ぎているせいかもしれません。
甘い物などの糖質を多く摂っていると、体内のカルシウムが不足することになります。カルシウムは血圧を下げるのに必要な栄養素です。
糖質の摂り過ぎが血圧を上げる原因になることは、あまり知られていないようです。
体内の塩分コントロールを働かすための食事や、糖質の摂り過ぎについて、こちらの記事で案内していますので参考にして下さい。
食事は毎日のことです。毎回、少しづつの積み重ねが、身体には大きく影響してきます。
薬に頼らずに血圧を下げるためにも、是非、明日からの生活習慣を見直してみてはいかがでしょう?