薬で下がらない高血圧、どうしたら治るの?
高血圧の治療をしている人は、ほとんどが降圧薬を処方されて飲んでいます。
しかし、薬を飲んでいても一向に血圧が下がらないということもあるのです。
血圧を下げる薬を飲んでいるのに、その効果がないのは一体どうしてなのでしょう?
薬で下がらない高血圧とは?
高血圧には、遺伝や生活習慣が原因で血圧が上がる「本能性高血圧」と、別の病気が原因で血圧が上がっている「二次性高血圧」とがあります。
- 本能性高血圧
遺伝や加齢、生活習慣などが原因の高血圧 - 二次性高血圧
腎臓疾患や内分泌疾患などの病気が原因の高血圧
しかし、二次性高血圧の場合だと、他の病気が原因で血圧が上がっているため、その病気自体を治療しない限り高血圧が改善されないことになります。
二次性高血圧となる原因で多いのは、慢性糸球体腎炎や慢性腎盂腎炎などの腎臓の病気です。他にも、血管の病気や内分泌の異常、薬の副作用などが原因で高血圧となっている場合もあります。
二次性高血圧の場合には、原因となる病気を治療することによって、高血圧も改善されるのです。
降圧薬の効果を妨げる薬もある?
二次性高血圧以外にも、他の原因で薬が効かない高血圧があります。
その一つが、降圧薬以外の薬を併用して飲んでいる場合です。
血圧とは一見関係ないように思えても、降圧薬の効果を妨げる薬もあります。風邪薬などの市販薬や漢方薬の中には、血圧を上げる作用のものもあります。
降圧薬と併用して他の薬を飲む場合には、必ず担当医や薬剤師の人に確認してから服用するようにしましょう。
- 非ステロイド性抗炎症薬
- 副腎皮質ホルモン
- 経口避妊薬
- 三環系抗うつ剤
- 甘草
- フェニルプロパノールアミンなど
降圧薬が効かない「治療抵抗性高血圧」とは?
降圧薬にはいくつか種類がありますが、だいたい2~3種類併用して処方される場合が多いです。しかし、3種類以上の薬を併用しても、なかなか目標値まで血圧が下がらないという場合もあります。
これは「治療抵抗性高血圧」といって、腎臓内科外来や高血圧専門外来では、およそ半数以上いるという報告もあるのです。
薬を飲んでいるのに、血圧が下がらない理由はなぜでしょう?
その原因には、生活習慣の影響が考えられます。肥満や過度の飲酒、喫煙、睡眠障害やストレスなどが原因で、薬を飲んでいても血圧が下がらない場合があるのです。
- 肥満
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)
- 喫煙
- 大量の飲酒
- 塩分の摂取過剰
- 心配事やストレス
降圧薬は血圧を下げる作用はあっても、高血圧自体を治すものではありません。
高血圧を根本的に治療するためには、血圧を上げる原因となる生活習慣の見直しが最も大切になるのです。