薬を使わずに血圧を下げる – まずやめるべき習慣とは?

薬以外で血圧を下げる方法として、食事療法が効果的です。それ以外にも、普段の生活習慣を少し見直すだけで、高血圧を改善できることがあります。

その中でも、今回は特に血圧に悪影響を及ぼすといわれる生活習慣をご紹介します。生活習慣を改善するために、まずは悪い習慣を断ち切ることから始めてみませんか?

運動の習慣

血圧を下げるために、まずやらなければいけない事は?

高血圧は、日頃の生活習慣が原因となって起こることが多いです。普段から体に悪いと分かっていても、なかなかやめることができない習慣というものがありますよね。
しかし、高血圧が長期間続くことで、動脈硬化脳梗塞心筋梗塞などの大きな病気を引き起こすことにも繋がります。

また、自覚症状がない高血圧は、症状が現れた時には既に手遅れということも十分にあり得ます。
人によって症状や進行具合も違ってきます。もし、あなたが長年にわたる高血圧や重度の高血圧症で悩んでいるのなら、これが悪い生活習慣を断ち切るチャンスになるかもしれません。

タバコは一本吸うだけで血圧を上昇させる

タバコ

タバコは、1本吸うだけでも血圧を上昇させてしまう。

喫煙者には耳が痛い話ですが、「タバコは百害あって一利なし」と言われるように、高血圧の人にとっても害になることは明らかです。

タバコは、一本吸うだけで血圧を上昇させます。これは、タバコに含まれるニコチンが、交感神経や副交感神経に作用して、血圧を上げる物質の分泌を促すためです。
さらに、喫煙によって血液中の酸素が不足するため、心拍数が上がってさらに血圧が上昇することとなります。

また、喫煙は善玉コレステロール(HDL)を減少させ、悪玉の酸化LDLコレステロールを増加させてしまいます。そのため、動脈硬化を急激に促進させる原因にもなるのです。

タバコは血圧を上げる原因になる

  • タバコを一本吸うだけで血圧を上昇させる
  • タバコに含まれるニコチンは、自律神経に作用して血圧を上げる物質を分泌する
  • 喫煙によって血液中の酸素が不足して心拍数が上がり、血圧が上昇する
  • 喫煙は善玉コレステロールを減少させ、悪玉の酸化LDLコレステロールを増加させる
タバコは高血圧だけではなく、肺がん心筋梗塞脳卒中など様々な病気の危険因子としても知られています。
もしあなたが高血圧で、自力で禁煙することができない場合、医療機関の「禁煙外来」を利用するのも一つの方法でしょう。

アルコールは高血圧にどう影響するのか?

お酒

毎日お酒を飲んでいると、血圧の変動を繰り返して慢性的な高血圧になってしまう

高血圧の人でお酒を飲む場合は、飲み方に注意が必要です。
アルコールと高血圧の関係を調べた研究によると、毎日飲酒する人は、飲まない人に比べて高血圧になる確率が高くなるとされています。
アルコールには血管を拡張させる作用や、心身をリラックスさせる効果があるので、適量の飲酒であれば血圧を下げる効果を期待することもできます。しかし、これはあくまでも適量を摂取した場合です。

しかも、重症の高血圧の人や、肝臓病を合併している場合には、この範疇ではありません。
毎日お酒を欠かせない人の場合、「適量」で終わらせることがなかなか難しいことが多くなります。そういう場合は一度、きっぱりと「禁酒」するくらいの潔さが必要かもしれません。

お酒を飲んでいる間は、アルコールによって一時的に血管が拡張されて血圧は下がりますが、酔いがさめる頃には血圧は上がります。
そのため、毎日のように晩酌していると、夜はお酒で血圧が下がり、朝方にはまた血圧が上がるという血圧の変動を繰り返すことになり、慢性的な高血圧になってしまうのです。

アルコールと血圧の関係

  • 適量のアルコールは血管拡張作用で血圧を下げる
  • 毎日飲酒している人は、飲まない人に比べて高血圧になる確率が高くなる
  • 毎日多量のお酒を飲んでいると、血圧変動を繰り返して“慢性的な高血圧”を招く

肥満は高血圧の大敵だった?!

肥満

肥満は血圧を上昇させる「危険因子」であることは明らかとなっている

肥満は、脳や心臓血管障害糖尿病痛風など、生活習慣病をはじめとした様々な疾患の要因となります。高血圧も例外ではありません。
肥満の人が必ずしも高血圧になるとは限りませんが、一般の人と比較すると肥満者に高血圧の人が多いのは事実です。高血圧疾患者の約4〜5割は肥満を伴っているという報告もあります。

肥満はなぜ高血圧を進行させるのか?

では、なぜ肥満になると高血圧になるのでしょうか?その原因はいくつかあります。
まず、肥満による体重の増加は心臓への負担が大きくなるため、結果として血圧を上昇させることになります。

また、栄養過多運動不足による肥満の場合、血管にコレステロールなどの脂質を蓄積して動脈硬化を促進する要因となります。動脈硬化が高血圧を促進することは明らかです。

血管にコレステロールが溜まり、動脈硬化の原因に

さらに、肥満の人が陥りやすい「糖尿病」を合併することで、インスリンと呼ばれる血液中の糖分を下げるホルモンが多くなります。このインスリンの代謝異常血圧を上昇させることになるのです。

いずれにしても、肥満は血圧を上昇させる大きな危険因子であることは間違いありません。特に、「りんご型肥満」と呼ばれるお腹回りを中心に上半身に脂肪がついた「内蔵脂肪型肥満」の人は、メタボリックシンドロームと関係のある肥満で、高血圧になりやすいのです。

肥満になると高血圧となる原因

  • 体重の増加で心臓への負担が大きくなり、血圧が上昇する
  • 血管にコレステロールが蓄積し、動脈硬化を促進させる
  • 糖尿病を合併すると、インスリンの代謝異常で血圧を上昇させる
また、降圧薬を用いている場合でも、肥満が薬の効果を半減させてしまうこともあります。本能性高血圧の多くは、減塩ダイエットによって血圧が下がることが分かっています。

悪い生活習慣を断ち切るためには?

手術

悪いと分かっていても、今までやめることができなかったものは、よほどのきっかけがない限りきっぱり断ち切ることは難しいものです。

私の父の場合も、二度の大動脈瘤破裂という大きな事態を免れてきましたが、一度目ではやめることができなかったお酒を、二度目でようやくきっぱりと禁酒することができました。
それもそのはずで、ここでやめなければ次は命がかかっているからです。

それまで毎晩一日も欠かさず飲んでいたお酒ですが、二度目の大動脈瘤破裂の手術をきっかけに、きっぱりとやめることができました。というか、やめざるを得ない状態になったからというのが正直なところでしょう。
二度目の手術が無事成功した後、しばらく入院生活が続いたというのも、禁酒できるチャンスになりました。
よく大病してから生活を改める人が多いですが、父の場合もまさに同じケースです。

このように、人間は好んで続けてきた習慣を断ち切るためには、命に関わる経験をするか、それと同等のことが起きない限りは無理なのかもしれません。

しかし、父の場合は二度目の手術も奇跡的な状況が重なって命を救われたわけで、もし状況が少しでも違えば、この時に命を落としていたということも十分に可能性はありました。
そう考えると、一度目の手術の時にも禁酒するきっかけはあったのです。ですので、禁酒のチャンスを二度与えられたということになりますね。

もしかしたら、気づいていないだけで、あなたにも小さなきっかけが既に与えられているかもしれません。私の父のような強運の持ち主ならいいですが、そうでない場合は、そのチャンスは二度訪れるとは限りません。
与えられたチャンスを見過ごさないよう、ぜひこの機会に生活習慣を見直してみてはいかがでしょう?

また、悪い習慣を断ち切ると同時に、食生活の見直しも大切です。
高血圧を改善する食事療法のポイントをこちらで紹介していますので、是非参考にしてみて下さい。

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