「免疫力を高める」ことは、動脈硬化の改善にもつながる?!
健康食品などのキャッチコピーでよく見かけるのが“免疫力アップ!”という言葉です。しかし、「免疫力」とはいったいどういう働きをするものなのかご存知ですか?
“免疫力を高める”と聞くと、「何となく健康にいいのは分かるけど、いったいどういう作用で体にいいのかはわからない」という人が多いのではないでしょうか?

「免疫力アップ」体に良いのは分かるけど、詳しいことはよく分からない?
私自身も、「免疫力を高める」ことが、どのように人の体に影響があるのかよく分からず、色々と調べてみました。
そうすると、「免疫力を高める」⇒「自然治癒力が上がる」という体の働きのつながりに納得することができたのです。
そして、「免疫力を高める」ことが「動脈硬化の改善」にもつながるのでは?と考え、父親の動脈硬化の改善策として、まず「免疫力を高める」ことを目的として、食生活を改善することにしました。
その結果、約2ヶ月という短い期間にも関わらず、血管の状態が良くなり手術が必要だと言われた動脈瘤を小さくすることができたのです。
そこで、免疫力を高めることが、どのように体に影響するのか? また、実際に行った「免疫力を高める」ための食生活をご紹介したいと思います。
「免疫力を高める」とはどういうこと?
元々、人の体には外敵から体を守り、病気になるのを防いだり、病気を治そうとする力が備わっています。これが「免疫力」です。
具体的には、「健康の維持」や「老化・病気の予防」があります。
免疫力を高めることで、病気の感染を防いだり、疲労や病気などの回復を早めることができるのです。また、新陳代謝を活発化し、体の機能低下を防いだり、細胞組織の老化を防いだりすることができます。
すなわち“免疫力を高める”ということは、元々人の体に備わっている「自然治癒力」を高めるということにつながるのです。
健康の維持
- 病気の感染を防ぐ
- 疲労回復
- 病気からの回復
- 新陳代謝の活発化
- 体の機能低下の予防
- 細胞組織の老化を防ぐ
免疫力を高めるためには?
免疫力の約70%は腸でつくられ、残りの30%は心が作っていると言われています。そのため、免疫力を高めるためには「腸内環境」を良くすることが重要になるのです。
まず、免疫力を高めるために「腸内環境」を良くするには、「腸内細菌」の種類と数を増やすことが大切になります。
腸内細菌を増やすには、発酵食品を摂るのが効果的です。発酵食である納豆や味噌、キムチやヨーグルトなどを積極的に食べることで、それらの細菌が体内に入り、腸内細菌が増えるのです。
また、加工食品などに含まれる防腐剤などの「添加物」は、腸内細菌を弱らせる原因となります。そのため、添加物などが多量に含まれている食品をなるべく体内に摂り入れないようにすることも大切です。
腸内細菌の種類と数を増やすことが大切。
- 発酵食品を積極的に食べること。
- 加工食品など、添加物の多い食品はなるべく摂らないようにする。
腸内環境を良くすることが病気の改善や予防につながる
前述したように、免疫力の約70%は腸で作られています。そのため、腸内細菌のバランスが崩れて腸内環境が悪くなると、あらゆる病気を引き起こす原因にもつながるのです。
食生活の乱れやストレスなどによって、腸内細菌のバランスが崩れることで悪玉菌が増え、それによって様々な病気を引き起こすことになるのです。

腸の不調は、免疫力の低下に直結する。食事やストレスは、腸にダメージを与える大きな要因。
逆に、腸内細菌のバランスを整え、腸を健全にすることで、病気の予防や改善にもつながるということです。
健康な人の腸は、腸内細菌が一定のバランスを保っています。腸内の悪玉菌を減らして善玉菌を増やし、腸内細菌のバランスを整えることで、あらゆる病気の予防や改善につながります。
もちろん、高血圧が原因となって引き起こる動脈硬化の予防や改善にもなるはずです。
動脈硬化は、血管の老化が原因で起こる病気です。腸内細菌のバランスを改善することで、血液の状態を正常化させ、血管の老化を防ぎ、健康で強い血管をつくることにつながるのです。
腸内細菌のバランスを整え、腸を健全にする
血液の状態が正常化され、血管の老化が防げる
高血圧・動脈硬化の予防に繋がる
「発酵食」で免疫力を高める!
腸内細菌のバランスを整えるには、普段の食事で発酵食を多く摂り入れるのが効果的です。大豆を発酵させた納豆や味噌、キムチやぬか漬け、ヨーグルトなどには、豊富な乳酸菌やビフィズス菌が含まれています。
これらの食品を食べることで、腸内の悪玉菌を減らして、善玉菌を増やすことができます。
発酵食品の一例
- 納豆
- 味噌
- キムチ
- ぬか漬け
- ヨーグルト
特に、納豆は整腸効果に優れた食べ物です。「1グラムの納豆には数十億の納豆菌がいる」と言われています。
納豆菌には、ビフィズス菌を増やす働きがあることが分かっています。しかも、納豆の原料となる大豆には、ビフィズス菌のエサとなるオリゴ糖も豊富に含まれています。

納豆に含まれる豊富な菌や栄養成分が、腸を健全に保ってくれる。
- 納豆菌には、ビフィズス菌を増やす働きがある。
- 原料となる大豆には、ビフィズス菌のエサとなるオリゴ糖が豊富に含まれている。
豆乳ヨーグルトは、腸内細菌を増やすのに効果的?
豆乳ヨーグルトは、植物性の乳酸菌になります。植物性乳酸菌は、牛乳でできたヨーグルトに含まれる動物性乳酸菌に比べて、腸まで届く力が強いのです。
そのため、植物性乳酸菌の豆乳ヨーグルトを食べると、腸内での乳酸菌の生存率が高くなり、腸内細菌の数を増やす効果が高まります。

豆乳ヨーグルトは、一般の動物性乳酸菌のヨーグルトよりも乳酸菌が生きて腸に届く力が強い。
植物乳酸菌は、腸の中まで届くことで血中の免疫細胞「マクロファージ」を増殖してくれます。これによって、免疫力がアップする効果が高まるのです。
牛乳と同様に、病院からはカルシウムを摂るのにヨーグルトを摂ることを勧められます。しかし、日本人にとっては牛乳を飲んでもカルシウムを増やす効果は期待できません。むしろ逆に、日本人にとっては牛乳を飲むことでカルシウムを減らしてしまうこともあるのです。
※牛乳はカルシウムを減らす場合もある。詳細は以下の記事で解説しています。
しかし、一般にスーパーなどで売られているヨーグルトは、牛乳から作られた「動物性乳酸菌」のヨーグルトです。しかも、ほとんどの商品には添加物が多く含まれています。
そのため、父の病気を改善するために、私は玄米と豆乳から作る自家製の「豆乳ヨーグルト」を摂ることを勧めたのです。
以前は市販のヨーグルトでお腹の調子が悪くなっていた父も、豆乳ヨーグルトを食べるようになってからは腸の調子が明らかに良くなったのを実感しています。
食物繊維で腸内細菌を増やす
他にも、腸内細菌のバランスを整えるのに効果的なのが、食物繊維を多く摂り入れることです。食物繊維は海藻類や豆類、野菜、未精製(みせいせい)の穀物などに多く含まれています。
高血圧の人は特に、海藻類を積極的に食べることをおすすめします。
海草に含まれる食物繊維には、アルギン酸やフコイダンなどの“水に溶ける繊維”と、トコロテンや寒天などの“水に溶けない繊維”があります。
水に溶ける食物繊維は、水に溶ける際にまわりの物質を一緒に取り込む性質があります。アルギン酸などを多く含んだ海草を食べることで、高血圧の原因のひとつといわれているナトリウムを吸収して排除してくれるのです。
一方の水に溶けない食物繊維には、腸内細菌のエサとなって腸の働きを活発にしてくれる働きがあります。
- 水に溶ける食物繊維
高血圧の原因であるナトリウムを吸収して排除してくれる。 - 水に溶けない食物繊維
腸内細菌の餌となり、腸の働きを活発にしてくれる。
バランスよく食べることが大切。
食生活の改善で免疫力は高まる
「たかが食事を改善しただけで、本当に病気が改善されるの?」と思われるかもしれません。しかし、「食事こそが体を健康にする源」となるのです。

毎日の食事があなたの体を作っている。当たり前のことだけに、おざなりにしている人も多い。
実際に、私の父は一度目の動脈瘤破裂の手術の後、特に大きく生活習慣を変えることはありませんでした。しかし、二度目の動脈瘤破裂の手術後には、食生活を大きく改善することにしたのです。
それは、その次に控えている動脈瘤の手術があったからです。
そして、「免疫力を高める」ことを目的とした食生活を摂り入れました。結果として、二ヶ月程の間で血管の状態が良くなり、手術が必要とされていた動脈瘤がかなり小さくなり、その後の手術をする必要がなくなったのです。
食生活と合わせて、運動や睡眠の質にも気をつけるようにしていましたが、最も影響があったのは、食生活を改善したことだったと思います。
それも、毎日の食事に豆乳ヨーグルトや発酵食などを積極的に摂り入れて、それを習慣にできたことが結果として現れたのではないかと思います。
発酵食品などを食事に積極的に摂り入れて、腸内環境を良くすることで、自分の体に元々備わっている「自然治癒力」を高めることができるのです。そして、それは“薬を使わずに病気を治す”ことにつながるのです。
是非、あなたも自分自身の中にある“免疫力”を高めて、「薬に頼らない健康な生活」を手に入れてみてはいかがでしょう?