納豆が血圧を下げる – 納豆の高血圧を予防する効果とは
健康にいいとされる納豆は、血液をサラサラにする効果があることでよく知られています。
しかしそれだけではなく、納豆には血圧を下げる効果もあるのをご存知ですか?
実は発酵食品である納豆には、高血圧を予防する優れた効果があるのです。
納豆の血圧を下げる効果とは?

納豆には、血栓予防の他に高血圧を予防する成分も豊富に含まれている。
納豆の原料となる大豆は、「畑の肉」と呼ばれるほど良質のタンパク質が豊富です。また、ビタミン類やミネラルもバランスよく含まれていて、ほとんどの栄養素をカバーできる食品なのです。
そして、この大豆の効用がさらに強化されたのが「納豆」です。
煮大豆に納豆菌で発酵して作られる納豆は、大豆そのものには含まれない酵素成分「ナットウキナーゼ」が加わります。
ナットウキナーゼの最も大きな働きが、血栓を溶かして分解する作用です。そのため、納豆を食べることで血液サラサラ効果がパワーアップするのです。
血管内に血栓が詰まっていると、血圧を高くする原因にもなります。そのため、血栓を予防して血液をサラサラにすることで、高くなっている血圧を下げる効果が期待できます。
また、最近の研究によると、ナットウキナーゼによって収縮期血圧および拡張期血圧が低下したことが認められています。そのため、ナットウキナーゼの摂取が高血圧の予防や治療に有効なことがわかってきたのです。(高血圧関連の研究論文が掲載されるHypertension Researchより)
ナットウキナーゼの詳しい効果については、こちらをご覧下さい。
しかし、納豆に含まれる血圧降下作用はそれだけではありません。
納豆には納豆菌が作り出す「プロテアーゼ」という消化酵素があります。プロテアーゼは、大豆タンパク質を分解するときに、血圧を上昇させる原因である“アンジオテンシン変換酵素”の働きを抑制する物質を作り出すのです。そのため、血圧を下げて高血圧を予防する効果があります。
血圧を上昇させる原因である“アンジオテンシン変換酵素”の働きを抑制する物質を作り出して高血圧を予防する。
納豆は動脈硬化を予防して高血圧を防ぐ

納豆には、動脈硬化を予防して血圧を下げる効果が豊富。
納豆の特徴である糸を引く粘り気ですが、これは大豆のタンパク質がアミノ酸に分解されている証拠です。
納豆を作る過程で、タンパク質をアミノ酸に分解する“プロテアーゼ”、デンプンをブドウ糖に分解する“アミラーゼ”、脂肪を分解する“リパーゼ”の他にも、“トリプシン”や“カタラーゼ”などの消化酵素が生成されるのです。そのため、消化がよくなり整腸効果が期待できます。
また、納豆には食物繊維も豊富に含まれているので、腸内の悪玉菌を減らして腸内環境も良くなります。
さらに、納豆に豊富に含まれる「大豆サポニン」は、動脈硬化の原因となる過酸化脂質の生成を抑制する作用があります。
また、細胞膜を作るのに欠かせない「レシチン」も多く含まれています。レシチンは、血中のコレステロールや中性脂肪を溶かす働きがあります。
そのため納豆を食べることで、これらのサポニンやレシチンの働きによって、動脈硬化を予防して、高血圧になるのを防ぐのです。さらにはそれが、心疾患や脳卒中を予防することにもつながるのです。
- プロテアーゼ
タンパク質をアミノ酸に分解する。 - アミラーゼ
デンプンをブドウ糖に分解する。 - リパーゼ
脂肪を分解する。 - トリプシン、カタラーゼ
消化を促して整腸効果がある。 - 食物繊維
腸内の悪玉菌を減らして腸内環境を良くする。 - 大豆サポニン
動脈硬化の原因となる過酸化脂質の生成を抑制する。 - レシチン
血中のコレステロールや中性脂肪を溶かす働きがある。
納豆の効果的な食べ方とは?

納豆は、ねぎやあさつきを加えてご飯と一緒に食べるのが効果的。
納豆に含まれる成分「ナットウキナーゼ」の効果は、食後2時間から効き始めて、8~12時間その作用が持続します。
そのため、血栓予防や血液サラサラ効果を実感するには、納豆は朝や昼よりも夕食に食べるのがおすすめです。
血流も良くなるため、早朝に血圧が高くなる人にも効果が期待できます。
また、納豆はご飯と一緒に食べることで相乗効果が生まれます。
日本人に好まれる白米は、必須アミノ酸のうち、体内でタンパク質を合成する働きをする「リジン」が極端に少なくなります。必須アミノ酸は、一種類でも規定値に満たないものがあると、他の全てのアミノ酸の機能が低下してしまいます。
そのため、白米を食べる時には、足りない必須アミノ酸「リジン」を多く含む納豆を一緒に食べるのが効果的なのです。
さらに、「リジン」を多く含む木綿豆腐のみそ汁も一緒に食べるようにすると、理想的な夕食となります。
また、納豆と一緒に食べたいのが、ネギやあさつきなどです。
納豆にはカロチンやビタミンAとCが含まれていないので、これらの栄養素を多く含む野菜と一緒に食べるようにするといいでしょう。
よく納豆にはネギやのり、シソなどの薬味を加えて食べられますが、これは栄養面でも理にかなった食べ方なんですね。
納豆の粘り気が気になるという人は、大根おろしやレモン汁、酢を加えると食べやすくなります。
- 夕食に食べることで血栓予防効果が高まる。
- ご飯や豆腐のみそ汁と一緒に食べるとアミノ酸の機能がアップする。
- カロチンやビタミンA、Cを含む野菜を加えると、栄養バランスが良くなる。
日々の食事に納豆を積極的に摂り入れることで、高くなった血圧の改善や、動脈硬化を予防することにもつながります。
是非、日本の誇るべき伝統食でもある「納豆」を、毎日の食卓に加えてみてはいかがでしょう?