妊娠高血圧症の症状 – こんな症状が出たら要注意!

妊娠中高血圧

女性は、妊娠中と出産後、更年期以降に高血圧症となる傾向がある。

女性特有の症状として、妊娠中出産後更年期以降高血圧症となる傾向があります。
特に、妊娠中の高血圧は重大な病気につながる危険性もあるため、注意が必要です。

妊娠中毒症による高血圧に注意する

一般的に妊娠中は、通常よりも1020mmHg程血圧が低い状態が続きます。ですので、低めの血圧が正常と考えた方がいいでしょう。
しかし、妊娠中は妊娠中毒症によって高血圧になる場合があります。また、もともと高血圧の素因のある人は、妊娠をきっかけに高血圧になることもあります。

それは、妊娠すると普段よりも多い量の食事や、体重が増え過ぎることで肥満になりやすくなることが主な原因です。肥満になると妊娠中毒症になりやすいため、高血圧になることが多いのです。

妊娠中の高血圧

食事の量が多くなり、体重が増えて肥満になることが主な原因になる。

病院でも指示されると思いますが、妊娠中は太りすぎに注意しなければなりません。
妊娠中の体重増加は、標準体重の人でkg以内、多くても10kg以内に抑えるようにすることです。
太りすぎを防ぐことが、妊娠中毒症の予防に繋がるのです。

妊娠中の高血圧の分類

日本産婦人科学会では、妊娠に関連する高血圧を4つに分類しています。

妊娠に関連する高血圧の分類

妊娠高血圧 妊娠20週以降に初めて血圧が140/90mmHg以上になり、分娩後12週までに正常に戻る場合。
子癇前症 妊娠高血圧と同様に、妊娠20週以降に初めて血圧が140/90mmHg以上になり、たんぱく尿を伴うもので、分娩後12週までに正常に戻る場合。
子癇(しかん)  妊娠20週以降に初めてけいれん発作を起こしたもので、てんかんや二次性けいれんは否定されるもの。
加重型子癇前症
  • 高血圧が妊娠前あるいは妊娠20週までにすでに認められ、妊娠20週以降にたんぱく尿を伴う場合。
  • 高血圧とたんぱく尿の両症状が、妊娠前あるいは妊娠20週までに存在し、妊娠20週以降に両症状のいずれか、または両方が増悪する場合。
  • たんぱく尿のみを呈する腎疾患が妊娠前あるいは妊娠20週までに存在し、妊娠20週以降に高血圧が発症する場合。

妊娠中毒症は大きく分けて2つのタイプがあります。1つは、妊娠20週以降に高血圧になり、分娩後12週までに正常化するタイプです。もう一方は、妊娠前あるいは妊娠20週までにすでに高血圧たんぱく尿が見られるタイプです。

妊娠中の高血圧とタンパク尿、むくみには要注意!

妊娠中毒症

妊娠中の高血圧で、たんぱく尿及びむくみを伴う場合は「妊娠中毒症」が考えられる。

妊娠中に見られる高血圧のうち、たんぱく尿及びむくみを伴う場合は、妊娠中毒症と考えられます。また、全ての症状がなくても、「高血圧」「たんぱく尿」「むくみ」とそれぞれの症状だけでも妊娠中毒症として扱われます。

妊娠中毒症の症状

  • 高血圧
  • たんぱく尿
  • むくみ
特に注意しなければならないのが、高血圧が悪化してたんぱく尿の程度が重くなることです。こうなると、けいれん発作を伴う「子癇(しかん)」を引き起こしてしまうからです。これは母子ともに生命の危険にされされる重大な事態となります。
このような事態にならないためにも、高血圧を悪化させないように、またたんぱく尿を増加させないよう、しっかりと治療することが大切です。

また、妊娠中毒症によって、分娩後も高血圧が改善されない場合もあるので、注意することです。
妊娠中高血圧の症状が重かった場合は、産後も回復が遅れて高血圧となるケースがあります。

「産後高血圧」については、こちらの記事をご覧下さい。

「妊娠高血圧症」になりやすいタイプとは?

「妊娠高血圧症」になる原因は、妊娠による体の変化にうまく体が適応できなど、いくつか考えられます。
しかし、以下のような危険因子がある場合には、妊娠高血圧症になりやすいですので、注意する必要があります。

「妊娠高血圧症」を発症しやすくなる危険因子

  • 年齢が15歳以下、40歳以上の人
  • 肥満の人(BMIが25以上)
  • 高血圧、甲状腺機能障害、糖尿病などの合併症がある人
  • 母親が妊娠高血圧症を発症したことがある人(遺伝)
  • 初産婦の人
  • 多胎妊娠、胞状奇胎がある場合

「妊娠高血圧症」を予防するためには?

食事

妊娠高血圧症を予防するためには生活習慣の改善が必要になる。

妊娠高血圧症」にならないよう予防するためには、一般の高血圧と同じように生活習慣の改善が必要です。
塩分の多い食事や糖質・脂質の摂り過ぎ、食べ過ぎによる肥満は血圧を上げる要因です。また、運動不足や睡眠不足、過労やストレスの蓄積も高血圧を発症することにつながります。
妊娠すると、妊娠前とは体が大きく変化します。妊娠前では正常な血圧だった人でも、妊娠してから急に体重が増えて血圧が高くなる場合もあります。
妊娠高血圧症は重症化すると、胎児や母体にも大きく影響してきます。体重が増えすぎて血圧が高くならないよう、普段の食生活を見直すことが大切です。

高血圧を改善する食事療法のポイントは、こちらの記事で説明していますので参考にして下さい。

肥満の体を動かすには、沢山のエネルギーが必要

食事だけではなく、適度な運動を行うことで高血圧の予防には更に効果が期待できます。
妊娠中は思うように体を動かすことができないと思いますが、自宅でも簡単にできるストレッチ体操だけでもその効果はあります。
体操などで体を動かすことによって、手足の抹消血管へ血液を送り、下半身に停滞しがちな血液を上半身に流し出すことができます。

そこで、こちらの記事に簡単にできて効果のある“動物体操”を紹介していますので参考にして下さい。
この体操は、心臓病や高血圧を専門とする島田和幸先生が、血圧を下げるのに効果的だということで考案したものです。

妊娠中には定期的に血圧、たんぱく尿、むくみをチェックして、妊娠中毒症にならないよう注意することが大切になります。
妊娠中は、普段よりも食事や運動などの生活習慣を見直すよう心がけるようにしましょう。

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