緑茶の血圧を下げる作用 – 降圧薬と同じ効果がある?!
日本人に古くから親しまれているお茶といえば、緑茶ですね。緑茶には血圧を下げる有効成分が豊富に含まれているのをご存知ですか?
目次
緑茶には血圧を下げる効果が豊富
緑茶には、カテキンを初めとする血圧を下げる有効成分が豊富に含まれています。
- カテキン
- γ-アミノ酪酸(ギャバ)
- カフェイン
- β-カロテン
- ビタミンC
- 食物繊維
緑茶のカテキンには、降圧薬と同様の作用が?!
緑茶の渋味の元はカテキンですが、このカテキンには降圧薬と同様の作用があるのです。
体内ではアンジオテンシンⅠという物質が、酵素によってアンジオテンシンⅡに変わると血圧が上昇します。カテキンにはこの酵素の働きを抑制する作用があるのです。
降圧薬のアンジオテンシン変換阻害薬が、その作用をする薬になりますが、それと同様の効果が得られるのです。
また、カテキンには血液をサラサラにして、コレステロールや中性脂肪を低下させる効果もあります。
緑茶を1日5杯以上飲むと死亡リスクが低下する?
緑茶のカテキンは、非常に強い抗酸化作用を持つことが知られています。
お茶の産地で有名な静岡県では、胃がんによる死亡率が低く、しかも緑茶を1日10杯以上飲む人は、更にそのリスクが低下することが分かっています。
東北大学の調査によれば、緑茶を1日5杯以上飲む人と、1杯未満しか飲まない人を比べてみると、男性で12%、女性で23%の割合で全死因の死亡リスクが低下したという報告があります。
1日5杯以上緑茶を飲む人では、1日1杯未満しか飲まない人よりも死亡リスクが低下した。
- 男性:12%の低下
- 女性:23%の低下
更に病気ごとに見てみると、脳や心臓に関わる病気でより高い関連性が見られ、男性で22%、女性で31%も低下していました。
緑茶を1日5杯以上飲むと、脳卒中や脳内出血による死亡率が半減したという報告もあります。
高血圧を積極的に防ぐためには、できるだけ多く緑茶を飲む方が効果的だということが分かります。
緑茶の効果的な飲み方とは?
緑茶のカテキンは、高い温度で入れた方がよく溶け出します。60~80℃のお湯を注いで1分程おいてやや濃い目に入れるといいでしょう。
3杯目になると有効成分はほとんど出ないので、茶葉はこまめに取り替えることです。
ちなみに、緑茶3gに100~120mlのお湯を注ぐと、約100mgのカテキンが摂れるとされています。
また、茶葉にはビタミンA・C・Eや食物繊維が豊富に含まれています。これらの有効成分を効果的に摂り入れるには、茶葉ごと食べるのがおすすめです。
粉末にしてふりかけにしたり、炒め物に入れたり、揚げ物の衣などに混ぜて食べるといいでしょう。
カテキンやカロテン、カフェインなどの有効成分の摂取には、煎茶や番茶より含有量が多い抹茶が手軽でおすすめです。
抹茶として飲むほかに、豆乳やヨーグルトに入れたり、おかゆやトーストなどにふりかけるのもいいでしょう。
緑茶のカテキンを効率よく吸収するには?
緑茶に含まれるカテキンの量はとても多いというわけではありません。ですので、効率よく吸収する工夫をすることで、さらに効果が期待できます。その工夫とは、他の食品との「食べ合わせ」です。
橙色の色素成分である、プロビタミンAを多く含む食品と一緒に摂ることで、緑茶カテキンが吸収されやすくなります。
- カボチャ
- 人参
- ほうれん草
- みかんなど
また、緑茶にはがんを抑制する効果があることも分かっています。そして、その効果は高級な玉露よりも、手軽に飲める番茶や粉茶の方が高いのです。
ここで気になるのが緑茶に含まれるカフェインです。カフェインは睡眠を妨げる原因となるので、夜飲むのはおすすめできません。
また、カフェインの濃度は淹れ方でも変わってきます。カフェインはお湯の温度が高い方が抽出されやすくなります。そのため、水に茶葉を入れて「水出し緑茶」にすると、カフェインが少な目の緑茶となるのです。
このように、日本人に昔から飲まれていた緑茶には、血圧を下げたりがんを抑制する効果が含まれています。食事の後や休憩の時などの一杯を緑茶にすることで、薬に頼らない健康な体を手に入れることができるかもしれませんね。