動脈硬化を引き起こす最大の原因は「酸化」だった?!


高血圧と深く関係している動脈硬化は、血管の老化によって起こります。血管を老化させている最大の原因となるのが「酸化」です。

酸化とは

具体的には、物質に酸素が化合する反応、あるいは、物質が水素を奪われる反応などである。
例えば、鉄がさびて酸化鉄になる場合、鉄の電子は酸素(O2)に移動しており、鉄は酸化されていることが分かる。一方、酸素は鉄から電子を奪っているため、還元されている。

出展:Wikipedia「酸化

よく酸化して「体がサビる」という言い方をしますよね?

この「体のサビ」となる原因は、「活性酸素」が発生することで起こるのです。活性酸素は、私たちが空気中から取り入れる酸素が体内で変質したものです。
実はこの「活性酸素」が、老化をはじめ動脈硬化やガン、生活習慣病の元となっている物質なのです。

酸化

血管を老化させる「酸化」の原因は、活性酸素にある。

血管の老化は「活性酸素」が原因

人は年齢で老化するのではなく、「血管で老化する」と言われています。
全く同じ年齢の人でも、医学的に見るとその人の老化の程度が、実年齢よりも若い人とそうでない人がいます。そして、血管の老化に大きく影響しているのが「活性酸素」です。

活性酸素による酸化は、細胞レベルで起こります。皮膚も血管も、各種の臓器を構成しているそれぞれの組織が酸化することで、老化やガン、動脈硬化などの生活習慣病を引き起こすのです。

老化の原因

  • 老化は、細胞が酸化することによって起こる。
  • 酸化は、活性酸素によって引き起こされる。
  • 酸化は、ガン動脈硬化の原因にもなる。

動脈硬化の原因は「活性酸素」だった?

動脈硬化は血管の病気で全身病です。血流障害が起こる場所によって、心臓では心筋梗塞や狭心症を、脳では脳梗塞や脳出血などを引き起こすことになります。
そして、この心疾患や脳疾患の元凶である動脈硬化には、「活性酸素」が深く関わっていることがわかっているのです。

動脈硬化は血管の壁が肥厚して硬くなり、動脈の内腔が狭くなることで起こります。

動脈硬化

この過程で深く関係しているのがコレステロールです。
コレステロールは脂質ですから、そのままでは血液中には溶けませんので、「リポたんぱく」という形で血液中に存在しています。

このリポたんぱくのうち、LDL(悪玉コレステロール)が動脈硬化を起こし、HDL (善玉コレステロール)が動脈硬化を防ぐことが知られています。
しかし、最近の研究によると、動脈硬化を起こす本当の原因は、LDL (悪玉コレステロール)ではなく、活性酸素によって生じた「変性LDL」 だということがわかったのです。
要するに、動脈硬化を引き起こしている主犯は「活性酸素」で、その共犯が「変性LDL」というわけです。

動脈硬化の原因は、活性酸素によって生じる変性LDL

LDL(悪玉コレステロール)は元々体内で生成される脂質で、私たちの体には欠かせない物質です。
しかし、血液中にLDL が増えると、余分なLDL が血管内の内皮細胞のすき間から内膜に入り込みます。そして、この余分なLDLが活性酸素によって酸化されて、「変性LDL」となるのです

変性LDLになると、エネルギー変換されることができなくなるため、マクロファージが異物としてこれを取り込みます。

※「マクロファージ」は白血球の種類で、体内の中にある免疫システムです。
マクロファージは「食細胞」と呼ばれ、体外から進入してきた細菌や異物を細胞の中に取り込み、殺菌し、除去します。

そしてマクロファージが膨れて泡沫(ほうまつ)細胞となり、やがてパンパンに膨れ上がって血管の内膜を持ち上げます。このようにして増え続けた泡沫細胞の死骸やコレステロールが、血管の内膜との間にドロドロになって蓄積されていくのです。
そうなると、血管が弾力性を失って硬くなっていき、動脈硬化が起こるのです。

動脈硬化を起こす「酸化」を防ぐには?

活性酸素の研究が進み、動脈硬化やガンだけではなく、生活習慣病などの病気の9割に活性酸素が深く関わっているといわれています。
では、活性酸素を生み出す「酸化」を防ぐにはどうのようにしたらいいのでしょうか?

血液中のLDL (悪玉コレステロール)や中性脂肪の分量が多ければ、余った分が活性酸素の攻撃対象となり、酸化して変性LDLや過酸化脂質になります。したがって、酸化の材料となるコレステロールや中性脂肪の総量を減らすことが重要になるのです。

動脈硬化になりやすい人

余分なコレステロール・中性脂肪が「酸化」の原因となる。

また、私たちの体には活性酸素の害に対抗するシステムが備わっています。体の中の酵素ビタミン類には活性酸素の害を取り除く機能があるのです。
さらに、食べ物の中にも活性酸素を除去する働きのある物質があります。これを「抗酸化物質(スカベンジャー)」といいます。

「酸化」を防ぐためには、活性酸素の発生とその障害をできるだけ防いで、活性酸素の害を最小限にすることです。そのためには、活性酸素を発生させる生活や食べ物に気をつけることが大切です。
また、食事から抗酸化物質を積極的に摂り入れることも重要となってきます。

酵素を取り入れた食事療法については、以下の記事も参考にしてください。

日常生活で活性酸素を減らす方法は?

体の酸化を防ぐためには、普段の生活の中で活性酸素をなるべく発生させないようにすることです。そのためには、活性酸素を発生させる生活習慣を見直し、改善することが大切です。
活性酸素の発生を少なくし、健康への害を最小限に抑えるためには、次のようなことに気をつける必要があります。

  • 適切な摂取エネルギーを保つ(腹八分目にするよう気をつける)。
  • 動物性脂質を摂り過ぎないようにする。
  • 運動などでストレスを上手に解消する。
  • アルコールは控えめにして、禁煙をする。
  • 紫外線や放射線は必要以上に浴びないようにする。
  • 抗酸化物質をできるだけ摂取して、体の抗酸化力を高める。
  • 良質のタンパク質を摂る(抗酸化物質を助ける栄養素)。

体の酸化防止システムとその働き

私たちの体の中には元々、活性酸素の害から身を守るシステムが備わっています。これは「抗酸化物質(スカベンジャー)」と呼ばれるもので、体内で作られるものと、食品などから摂取するものがあります。

抗酸化物質(スカベンジャー)とは

活性酸素から身を守る物質。

  • 体内で作られる。
  • 食品などから摂取する。

「抗酸化物質(スカベンジャー)」は、体内で活性酸素の攻撃から私たちの体を守っている、いわゆる活性酸素の掃除屋ともいうべき物質です。

掃除

抗酸化物質が、活性酸素を掃除してくれる!

抗酸化物質(スカベンジャー)の働き

  • 活性酸素が発生しないように、その発生源を抑える
  • 発生した活性酸素を補足して、その活性を低く抑える
  • 活性酸素によって害を受けた箇所を修復し、もとの正常な状態に再生させる

「抗酸化物質(スカベンジャー)」の種類としては、酵素・ビタミン・その他の抗酸化物質と、大きく分けて3つあります。

抗酸化物質(スカベンジャー)の種類

  • 酵素(体内で合成)
    SOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼなど
  • ビタミン(体外から摂取)
    ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB群など
  • その他の抗酸化物質
    カロテノイド(βカロテン、アスタキサンチン)、ポリフェノール、セレンなどの微量ミネラル

尚、攻撃する活性酸素の種類によっても異なってきます。
つまり、抗酸化物質は、それぞれ特定の活性酸素に対抗するのです。また、この抗酸化物質が効力を発揮するためには、ミネラルの助けが必要となります。

  • 攻撃する対象によって、抗酸化物質は異なる。
  • ミネラルによって、抗酸化物質は、力を発揮できる。
ミネラルは、鉄、銅、マンガン、カルシウム、リンなどといった鉱物で、私たちの体には必要不可欠な栄養素です。
そのため、食生活で新鮮な野菜や肉、魚などからミネラルを摂取するようにして、ミネラル不足とならないように気をつけなければいけません

抗酸化力を高める重要なミネラルとは?

セレン(セレニウム)、マンガン、鉄、亜鉛、銅、マグネシウムなどのミネラルは、抗酸化物質(スカベンジャー)の酵素の働きを支援しています。これらを「微量ミネラル」といいます。

この中でも特に重要なミネラルとなるのが、セレン(セレニウム)です。このセレンの補酵素としての働きは、活性酸素への関心の高まりとともに注目されています。
タンパク質は細胞や酵素の構成成分であり、とても大切な栄養素です。良質なタンパク質をしっかりと摂ることが、体の抗酸化力を高めることに繋がるのです。

良質なタンパク質をしっかりとること。これが、体の抗酸化力を高めることに繋がる。

それでは、具体的にはどのような食材に良質なタンパク質が含まれているのでしょうか。

補酵素として重要な「セレン」を多く含む食品

  • あさり、わかさぎ、かき、さんま、レバー、桜えび、牛肉、ラム肉
  • ネギ、にんにく
  • 玄米、小麦胚芽

活性酸素を減らす食事とは?

食事

食事の摂り方によって、酸化の程度が深く関係してくる。

良質なタンパク質を摂る

抗酸化物質(スカベンジャー)の代表であるSOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)などの抗酸化酵素は、タンパク質がないと生成されません。また、私たちの体には他にも酵素がたくさんありますが、それらは全てタンパク質でできています。

上にも書いたように、タンパク質が不足すると、ビタミン、ミネラル、色素類など、他の抗酸化物質もその効力をきちんと発揮することができません

タンパク質は細胞や酵素の構成成分であり、とても大切な栄養素です。良質なタンパク質をしっかりと摂ることが、体の抗酸化力を高めることにつながるのです。

脂肪(脂質)はバランスよく摂る

脂肪(脂質)には植物性と動物性があります。
植物性脂肪の中でもリノール酸は、動脈硬化の原因となる血中コレステロールを下げることが知られています。しかし、摂り過ぎると善玉コレステロールのHDLをも減らしてしまいます。しかも過酸化脂質になりやすいという特徴があります。

魚に多く含まれる脂肪のEPA (エイコサペンタエン酸)やDHA (ドコサヘキサエン酸)は、血流障害を予防して、炎症を防ぐ働きがあります。ですので、動脈硬化の改善や予防にはお勧めです。
しかし、酸化しやすいという欠点があります。

反対に、動物性脂肪は酸化されにくい脂肪ですが、総コレステロール量を増やしてしまうという欠点があります。
厚生労働省では、日本人の脂質の摂取について、動物性脂質と植物性脂質と魚類の脂質を「4対5対1」とするのが望ましいと推奨しています。

バランスの良い脂肪の摂取を心掛ける

  • 植物性脂肪
    リノール酸の含まれる脂肪が、動脈硬化の予防に。しかし、摂りすぎは逆効果!
  • 魚類の脂肪
    EPAやDHAが含まれている物が動脈硬化の予防、改善にお勧め。酸化しやすいという欠点もあり。
  • 動物性脂肪
    酸化されにくいが、コレステロール値が高い。

望ましいバランス

動物性脂質:植物性脂質:魚類の脂質

yajirusi3

4:5:1

脂質の摂取については、それぞれの特徴をよく知った上で、バランスよく摂ることが大切です。

過酸化脂質を摂り過ぎない

活性酸素の発生を防ぐためには、過酸化脂質を摂り過ぎないことが最も大切です。

過酸化脂質とは

過酸化脂質(かさんかししつ)はコレステロールや中性脂肪といった脂質が、活性酸素によって酸化されたものの総称である。

出展:Wikipedia「過酸化脂質

いくら抗酸化力の高い物を食べたり、生活習慣に気をつけていても、過酸化脂質を多く摂るような食生活をしていたのでは、効果がありません。

スナック菓子やインスタントラーメンなど、油で揚げた加工食品やマヨネーズ、まぐろの缶詰などには、不飽和脂肪酸が多く含まれています。
不飽和脂肪酸は必須脂肪酸ですが、酸化しやすいので気をつける必要があります。

これらの食品を食べるときには、古くないか?密閉されているか?などを確かめることです。袋などを開けた瞬間から酸化が始まりますので、古い物は食べないように注意することです。

ジャンクフード

スナック菓子、インスタント食品、油性加工食品などには、酸化しやすい不飽和脂肪酸が多く含まれる。

これらの食品を食べる際は、密閉されているか?古くないかを、よくチェックしよう。

また、天ぷらなどで使う油は、何度も使うと風味も損なわれて、次第に黒ずんできます。これは、活性酸素により油が過酸化脂質となっているからです。
活性酸素の発生を防ぐためにも、古くなった油は使わないようにした方がいいでしょう。

野菜の抗酸化パワーで血管が若返る!

野菜

どの野菜にも、抗酸化成分が含まれている。

野菜といってもさまざまな種類があり、含まれる栄養素も野菜によって違います。
しかし、どの野菜も共通して、ビタミン類やポリフェノールなどの抗酸化成分が豊富に含まれ、食物繊維も多く、カロリーが低いということです。

野菜に含まれる抗酸化成分には、体の老化を進める活性酸素を攻撃し、無害化する作用があります。
血管内でLDL(悪玉コレステロール)の酸化を抑え、血管の内皮細胞の内側に酸化LDLコレステロールが溜まるのを防いで、血管の老化を予防するのです。

また、野菜に豊富に含まれる食物繊維は、腸内で余分な糖質や脂質の吸収を抑制する働きがあるので、血糖値やLDLコレステロール値の上昇を予防します。
それによって、血管の負担が軽減して血圧を下げることに繋がるのです。

酸化を防ぐには、有害物質をできるだけ摂らないようにする

食生活で活性酸素を発生させないようにするには、まずはそうした可能性のある食物をできるだけ体内に入れないことです。それには、残留農薬や食品添加物の少ないものを食べる心がけが必要になります。

活性酸素を発生させる可能性のある食べ物

  • 残留農薬が多い食品。
  • 食品添加物の多い食品。

こうした食べ物を、なるべく食べないことが大切!

加工食品は、製造に伴う加熱処理の過程で、必ず脂質やタンパク質類の酸化が起こっています。更に問題なのが、食品添加物が必ず使われていることです。
ほとんどの添加物は化学合成物です。これらが体内に入ると白血球は異物とみなし、活性酸素を振りかけて攻撃します。また、代謝や排泄されずに体内に蓄積していく物質もあります。

食品添加物を多く摂取するような食生活をしていると、肝臓はいつも活性酸素に攻撃されることになり、肝機能障害を起こす場合もあります。

また、生で食べる野菜や果物、穀物類で気をつけたいのが、残留農薬です。
作物を収穫した後に保管や輸送する際に使われるのが、「ポストハーベスト(収穫後)農薬」です。これは消費者が口に入れるまで残留します。

このような農薬類は効力が強く、また持続性が長いので、微量でも体内に入ることで必ず活性酸素を大量に発生させることになります。
特に、生でそのまま食べる野菜や果物などは、必ず洗うようにしたり、必要に応じて皮をむいて食べるようにすることです。

残留農薬を口にしないためにも、生野菜や果物は、必ず洗う。

食生活で活性酸素を発生させないようにするためには、その可能性のある食べ物をできるだけ体に摂り入れないように心がけることです。
また、抗酸化物質が含まれている食品をバランスよく取り入れ、体内に抗酸化物質を増やすことが大切になります。


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