脂質異常症を改善するための食事とは?


肉類などの脂質を控えていても、健診で脂質異常症と診断される人もいます。脂質異常症は決して脂質だけではなく、食生活全般が関係してきます。

今回は脂質異常症の原因から、脂質異常症を改善するための食事について詳しく見てみましょう。

脂質異常症になる原因は?

脂質異常症(高脂血症)とは、血液中の中性脂肪やコレステロールなど、体に悪影響を及ぼす脂質が蓄積されて異常に多くなることです。
主に、食事や運動などの生活習慣によって、血液中に脂質が増加し善玉のコレステロール(HDL)が減少することが原因となります。

脂質異常症とは?

血液中の脂質(中性脂肪やコレステロールなど)が異常に増えて、一定の基準よりも多くなった状態。

  • 中性脂肪(TG)150mg/dL以上
  • 善玉(HDL)コレステロール 40mg/dL未満
脂質異常症となる主な原因

  • 過剰な中性脂肪の増加
  • 善玉(HDL)コレステロールの減少
コレステロールには善玉(HDL)と悪玉(LDL)があります。どちらも同じコレステロールで血液中を移動していますが、働きが異なります。

「悪玉」は体の隅々までコレステロールを運び、反対に「善玉」は体から余分なコレステロールを回収する働きがあります。
そのため、悪玉が多くなると体内にコレステロールが溜まりやすくなります。また、善玉が減っても回収されるコレステロールが減るため、余分なコレステロールが蓄積することになるのです。

コレステロールの種類

  • 悪玉(LDL)コレステロール
    体の隅々までコレステロールを運ぶ働きをする。
  • 善玉(HDL)コレステロール
    体から余分なコレステロールを回収する働きがある。
血液の状態を“サラサラ血液”“ドロドロ血液”といった言い方をしますが、脂質異常症はまさに、“ドロドロ血液”の状態です。

内臓脂肪が増えると脂質異常症になる?!

脂質異常症となる一番の問題は、「内臓脂肪型肥満」

脂質異常症となる一番の問題は、「内臓脂肪型肥満」による代謝異常。

脂質異常症となる一番の問題は、「内臓脂肪型肥満」です。
脂肪細胞の役割は、エネルギーを蓄える以外にも、様々な生理活性物質を分泌することです。この物質を「アディポサイトカイン」と呼び、動脈硬化を予防する「善玉アディポサイトカイン」と、動脈硬化を促進する「悪玉アディポサイトカイン」があります。
正常な状態だと、善玉と悪玉のアディポサイトカインの分泌はバランスよく保たれています。

脂肪細胞から分泌される生理活性物質

  • 善玉アディポサイトカイン(アディポネクチンやレプチンなど)
  • 悪玉アディポサイトカイン(TNF-α、遊離脂肪酸、アンジオテンシノーゲン、PAI-1など)
しかし、内臓脂肪が蓄積されすぎて肥満になると、「善玉アディポサイトカイン」の分泌や働きが低下します。そうすると、インスリンの働きが妨げられてしまいます。
更に、インスリンの働きを阻害したり、血栓を作る「悪玉アディポサイトカイン」が過剰に分泌されます。
そのため、インスリンの働きが悪くなることで「高血糖」となり、筋肉や脂肪組織に中性脂肪の取り込みが悪くなることで、「脂質異常」が起こるのです。

内蔵脂肪の蓄積(肥満)による悪影響

  • 血管の炎症や血栓ができやすい状態となる
  • インスリンの働きが妨げられることで「高血糖」となる
  • 筋肉や脂肪組織に中性脂肪の取り込みが悪くなることで「脂質異常」が起こる
更に、このような状態が長く続くことで、血糖値を下げようとして過剰にインスリンが分泌されることになり、「高インスリン血症」となります。そして、腎臓でのナトリウム排泄機能が低下して、血圧が上昇することで“慢性的な高血圧”となるのです。

内蔵脂肪の蓄積が続くと

  1. 血糖値を下げようとして過剰にインスリンが分泌される。
  2. 「高インスリン血症」となる。
  3. 腎臓でのナトリウム排泄機能が低下。
  4. 慢性的な高血圧となる。
このように、高血糖、高血圧、脂質異常の「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」のベースとなる原因が、“内臓脂肪の蓄積”によるものなのです。

脂質異常症は動脈硬化を促進させる

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また、脂質異常症は動脈硬化の促進にも大きく影響します。
脂質異常症になると、血管内の内皮細胞に障害が起こり、血管の内壁が傷つきやすくなります。そうなると、血液中に増えたコレステロールが付着して、動脈の内腔が狭く硬くなります。
このような状態が血液の流れを悪くさせてしまい、「アテローム性動脈硬化」となるのです。

脂質異常症で動脈硬化が起こる

脂質異常症になると、血管内の内皮細胞が傷つきやすくなる。

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血液中のコレステロールが付着して、動脈の内腔が狭く硬くなる。

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血液の流れが悪くなり、「アテローム性動脈硬化」となる。

そのため、高血圧に脂質異常症が加わることで、動脈硬化を急速に促進させてしまうのです。

脂質異常症を引き起こす食生活とは?

脂質異常症となる食事

脂質異常症となる食事は、脂質や糖質の摂り過ぎ、過食や飲み過ぎなどでカロリー過多となることが大きな原因。

脂質異常症の原因には、毎日の食生活が大きく影響してきます。
脂質異常症は、血液中のコレステロールや中性脂肪が増えることが最大の原因です。そして、コレステロールが増える最も大きな要因となるのが、食事による“エネルギーの摂り過ぎ”です。
脂肪分や糖分の多い食事、お酒の飲み過ぎや食べ過ぎなどでカロリーが増加することが、コレステロール値や中性脂肪が増える大きな要因となるのです。

脂質異常症を引き起こす食生活

脂肪分・糖分の摂り過ぎ、お酒の飲み過ぎや食べ過ぎによるカロリーの増加

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コレステロール値や中性脂肪が増える

では次に、脂質異常症を予防するために控えたい食事をご紹介します。

飽和脂肪酸が多い食品を控える

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脂質の構成成分である脂肪酸には、「飽和脂肪酸」「一価飽和脂肪酸」「多価不飽和脂肪酸」の3種類があります。このうち、過剰に摂取することでコレステロールなどの血中脂質を増やすのが、「飽和脂肪酸」です。

脂肪酸の種類

  • 飽和脂肪酸
  • 一価飽和脂肪酸
  • 多価不飽和脂肪酸
飽和脂肪酸は、牛肉や豚肉、鶏肉の脂肪分、バターなどに多く含まれています。そのため、これらの食品を摂るのを控えたり、食べる量を減らすことが必要となります。

飽和脂肪酸を多く含む食品

  • 肉の脂身(ラード、牛脂など)
  • 牛肉(肩肉、肩ロース、サーロイン、ひき肉、タン、ランプ肉)
  • 豚肉(肩ロース、ひき肉)
  • 鶏肉(もも肉、手羽)
  • 肉の加工食品(ベーコン、ロースハム、ソーセージなど)
  • バター
  • チーズ
  • 生クリーム
これらの食品を多く使った、すき焼きやハンバーグ、鶏のから揚げ、ラーメン、洋菓子などは、飽和脂肪酸を多く含む料理となります。

飽和脂肪酸を多く含む料理

  • すき焼き
  • ハンバーグ
  • ミートボール
  • 鶏のから揚げ
  • フライドチキン
  • 焼き餃子
  • 春巻き
  • 肉まん
  • ラーメン
  • 洋菓子

コレステロールが多い食品を控える

コレステロールの多い食品も脂質異常症の原因となるため、控える必要があります。

コレステロールの多い食品

  • 魚介類(タラコ、うに、すじこ、イクラ、スルメイカ、あん肝、うなぎの蒲焼き、タコ)
  • 肉類(鶏・豚のレバー、砂肝)
  • バター
  • マヨネーズ

高脂肪・糖分の多い食品を控える

洋菓子

ケーキやシュークリームなどの洋菓子は、高コレステロール・高カロリーの食べ物になる。

コレステロールの多い食品を控えることも大事ですが、体内でコレステロールを増やさないようにすることも大切です。
コレステロールは体内で全体量の70~80%が合成されます。残りの20~30%が食品からの摂取になります。

そして、体内で作られるコレステロールは、食品から摂った脂質や糖質から作られます。そのため、高脂質の食品や甘い食べ物を摂り過ぎないことです。
特にケーキやシュークリーム、パイなどの洋菓子には、砂糖の他にバターや卵、生クリームなどコレステロール含有量も多く、高カロリーになります。

洋菓子は高コレステロール・高カロリーの食べ物

疲れた時やストレスを感じた時に食べる甘いスイーツは、心身ともに癒されるものですが、食べ過ぎないよう気をつけなければいけません。
また、外食やコンビニ食は高脂肪で高カロリーのものが多くなります。そのため、このような食事が多くなるような食生活も良くありません。
摂取カロリーの増加によって、コレステロール値や中性脂肪が増えることになるのです。

脂質異常症を改善するには?

脂質異常症の改善には、食生活を見直すことが最も大切です。
先に述べたような脂質の多い食品や、高カロリーの食事を控えて、バランスのとれた食生活を心がけることです。
また、内臓脂肪を減らして体重を減量することも有効です。内臓脂肪が減って肥満が解消することで、代謝異常も改善されるようになります。

脂質異常症の改善には

  • 内臓脂肪を減らして体重を減量する
  • 高脂質・高カロリーの食事を控える
  • バランスのとれた食生活
  • 適度な運動を継続して行う
内臓脂肪は運動によって燃焼されやすい脂肪です。そのため、食生活の改善だけではなく、定期的な運動を行うことで更に効果が期待できます。

脂質異常症は善玉のHDLコレステロールが減ることも要因となりますが、それには運動不足による肥満や喫煙も原因となります。
そのため、運動習慣や禁煙するでHDLコレステロールを増やすことにつながります。

善玉HDLコレステロールが減る要因

  • 運動不足による肥満
  • 喫煙

脂質異常症を改善するための食事

高血圧を改善する食事療法

脂質異常症を改善するための食事では、以下のようなことに気をつける必要があります。

脂質異常症を改善する食事

  • 動物性脂質を控える
  • 飽和脂肪酸の摂取を控える
  • 高カロリーの食事を控える
  • コレステロールの多い食品を控える
  • 食物繊維をしっかり摂る
  • 規則正しいバランスのとれた食事
脂質異常症の改善で積極的に摂りたい食べ物としては、魚や大豆製品、食物繊維を多く含むものです。
青魚に多く含まれるEPA(イコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)は、良質な不飽和脂肪酸になります。悪玉のLDLコレステロールを減らしたり、中性脂肪の合成を抑える働きがあります。
EPA・DHAは、サバやイワシなどの青魚に多く含まれています。

青魚に多く含まれるEPA・DHAの効果

  • 悪玉のLDLコレステロールを減らす作用がある。
  • 中性脂肪の合成を抑える働きがある。
そのため、肉類などの動物性脂肪を控える代わりに、新鮮な魚で動物性脂肪を摂るようにすると良いでしょう。

魚に含まれるEPAの効果については、こちらの記事で詳しく紹介していますので参考にして下さい。

また、大豆製品などの植物性タンパク質には、血液中のコレステロールや中性脂肪を減らす働きがあります。
更に、食物繊維にはコレステロールや中性脂肪が腸内で吸収されるのを防ぐ働きがあります。特に、しいたけなどのキノコ類には食物繊維が豊富に含まれていて、コレステロールを便と共に排出して吸収を抑制する働きがあります。

脂質異常症の改善に積極的に摂りたい成分

  • 青魚に含まれるEPA
  • 大豆製品などの植物性タンパク質
  • キノコ類などの食物繊維
魚や大豆製品、食物繊維をバランスよく摂れる食事が和食です。
伝統的な日本の和食は、脂質異常を予防するために適した食事ということになるのです。


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