血圧の下が高いのは要注意!下の血圧が高い原因は?

高血圧は上と下の血圧が高い場合ですが、下の血圧だけが高くなることもあります。
「下の血圧だから大丈夫かな?」と思われるかもしれませんが、安心はできません。

なぜなら下の血圧が高くなるのは、「血管の老化現象」のサインだからです。

上と下の血圧の違いは?

血圧

血圧は、上の血圧(収縮期血圧)と下の血圧(拡張期血圧)とに分けられる。

上の血圧(収縮期血圧)は、心臓が収縮して血液が押し出される時にかかる圧力です。そのため、押し出される血液量(心拍出量)が多くなると、上の血圧は高くなります。
それとは逆に、下の血圧(拡張期血圧)は、全身を巡った血液が心臓に戻った時の、最も低い血圧になります。

血圧は上と下に分けられる

  • 上の血圧(収縮期血圧)
    心臓が収縮して血液が押し出される時にかかる圧力を表す。
  • 下の血圧(拡張期血圧)
    全身を巡った血液が心臓に戻った時の最も低い血圧になる。
一般的に、高血圧とは上と下との両方の血圧の数値が高くなる状態のことです。
だからといって、上の血圧が正常値で下の血圧だけが高くなっていても、安心はできないのです。

下の血圧が高くなるのはどんな時?

下の血圧(拡張期血圧)を決定する要因には、抹消血管の抵抗が関係しています。これは、血液が抹消血管に流れ込んだ時に受ける抵抗です。
そのため、下の血圧が高くなるということは、抹消血管の抵抗が大きくなっているということになります。

下の血圧(拡張期血圧)が高くなる状態

抹消血管の抵抗が大きくなっている状態

血圧が高くなり始めの頃に、このように拡張期血圧が高くなる傾向があります。すなわち、下の血圧が高くなるということは、高血圧になる前ぶれでもあるのです。

そのため、上の血圧は正常値だったとしても、下の血圧が高くなると、そのうち上の血圧も高くなり、いずれ高血圧となる可能性があるのです。

上と下の血圧と年齢との関係

高齢者の血圧の特徴

加齢と共に動脈硬化が進み、高齢者になると上と下の血圧値の差が広がる特徴がある。

下の血圧(拡張期血圧)は、動脈に溜めていた血液を押し出す圧力になります。そのため、動脈の弾力性に関係してきます。動脈が柔らかく、弾力性があるほど下の血圧(拡張期血圧)が高くなるのです。

下の血圧(拡張期血圧)

動脈に溜めていた血液を押し出す圧力となる。動脈の弾力性にも関係している。
動脈が柔らかく弾力性があるほど、拡張期血圧は高くなる。

動脈は、加齢と共に弾力性が低下してきて動脈硬化が進行します。
そのため、年齢と共に上の血圧(収縮期血圧)は高くなる反面、下の血圧(拡張期血圧)は低くなっていきます。このように、上と下の血圧値に差が広がっていくのが高齢者の血圧の特徴でもあります。

高齢者の血圧の特徴

  • 加齢と共に動脈硬化が進むことで、上の血圧(収縮期血圧)は高くなる反面、下の血圧(拡張期血圧)は低くなる。
  • 上と下の血圧値に差が広がっていく特徴がある。
このようなことから、上の血圧が正常値で下の血圧だけが高い状態というのは、動脈の柔軟性は未だ保たれているということになります。

下の血圧だけが高くなる理由は?

では、下の血圧(拡張期血圧)だけが高くなるのはどうしてでしょう?

拡張期には、心臓に血液が集まっている状態です。そのため、血管に最も圧力が加わっていない状態になります。このような状態で圧力が高くなるというのは、血管の内壁に常に圧力がかかっているということになります。

これは、抹消血管の抵抗が増加していることが原因と考えられます。しかし、まだ動脈の弾力性は保たれているため、下の血圧だけが高くなっているというわけです。

下の血圧(拡張期血圧)だけが高くなる状態

抹消血管の抵抗が増加しているが、まだ動脈の弾力性は保たれている状態。

運動不足で下の血圧が高くなる?

肥満

では、下の血圧だけが高くなる原因には、どうのようなことが考えられるのでしょう?

下の血圧だけが高くなる原因には、生活習慣が大きく影響していると考えられます。肥満や運動不足、ストレスや睡眠不足、喫煙、過度の飲酒などの生活習慣の乱れが要因となっていると考えられます。

また、加齢による現象ではないため、60歳以下の若年層に多く見られる傾向があります。特に近年では、若い人でも運動不足になりがちで、このように血圧が高くなる傾向があるのです。

下の血圧だけが高くなる原因

  • 悪い生活習慣が大きく影響している。
  • 肥満や運動不足、ストレスや睡眠不足、喫煙、過度の飲酒など。
60歳以下の若年層に多く見られる

近年では、若い人でも運動不足が原因で血圧が高くなる傾向がある。

また、下の血圧が高くなるのが朝だけという場合には、「早朝高血圧」の可能性も考えられます。もし、朝の血圧だけが高く、午後には下がっているという場合には、早朝高血圧の疑いがあります。

早朝高血圧はそのまま放っておくと、重症な発作の原因にもなる危険な高血圧でもあります。
早朝高血圧についての詳しい説明は、こちらの記事で紹介していますので参考にして下さい。

下の血圧が高くなるのは“動脈硬化”の前ぶれ?

このようなことからも分かるように、下の血圧が高くなるということは、動脈硬化が起こる前段階ということになります。

また、下の血圧が高くなり始めた場合、時間とともに収縮期血圧も高くなる傾向があります。すなわち、このまま放っておくと、高血圧症になるということです。

下の血圧(拡張期血圧)が高くなり始めた場合

  • 時間とともに収縮期血圧も高くなる傾向がある。
  • 動脈硬化が起こる前段階。
動脈硬化は、そのまま放っておくと、脳梗塞心筋梗塞などの重大な血管病の発症リスクを高めることになります。
そのため、早めにケアして改善することが重要です。

下の血圧が高いのを改善するためには?

運動の習慣

若い人で下の血圧だけが高くなっている場合、運動不足が原因となっていることが多い。

下の血圧だけが高くなる場合、生活習慣の乱れが大きく関係していると考えられます。そのため、原因となっている悪い生活習慣を改善することが大切です。
このような悪い生活習慣が長く続くことで、動脈硬化の進行を加速させることにもなります。

悪い生活習慣

  • 運動不足
  • 栄養の偏った食生活
  • 喫煙
  • 過度の飲酒
  • ストレスの蓄積
  • 睡眠不足
特に若い人で下の血圧だけが高くなっている場合には、運動不足が原因となっていることが多いようです。

血圧を下げるのに効果的な運動は、ウォーキングなどの「有酸素運動」です。ゆっくりとした動作で酸素を十分取り込みながら行う有酸素運動は、血圧降下に効果があることがわかっています。
運動は、毎日ではなくても定期的に継続して行うことで効果を実感できます。1回30分程度の運動を週3回を目安に行うようにするといいでしょう。

血圧を下げるのに効果的な運動の目安

1回30分で週に90分の運動を目安として、継続して行う。

血圧を下げる効果的な運動については、こちらの記事で紹介していますので参考にして下さい。

血圧は上だけではなく、下の数値にも注意しておく必要があります。
下の血圧が高くなり始めた場合には、生活習慣を見直すサインかもしれません。
重大な血管病を引き起こさないためにも、家庭での血圧測定を習慣にして、早目に血圧の変動に気付くことが大切です。

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