深呼吸するだけで血圧が下がる – 緊張すると血圧が上がる
病院で血圧を測ると、家で計るより数値が上がる場合があります。これは緊張によって血圧が上がる「白衣高血圧」と呼ばれるものです。病院の独特な雰囲気で緊張して血圧が上がるのです。
それだけではなく、長時間の車の運転や仕事など、緊張状態が続くことで血圧は上昇します。
そんな時には、一度ゆっくりと深呼吸してみるといいでしょう。実は、深呼吸するだけで血圧は下がるという報告があるのです。

病院が苦手な人ほど、独特の雰囲気に緊張して血圧が上がってしまう。
「精神状態」によって血圧は上がる
血圧は精神状態によっても変動します。心配事があったり、緊張している時に「ドキドキ」したり「イライラ」することで、交感神経が緊張して、血圧が上がる原因になるのです。
交感神経
交感神経系(こうかんしんけいけい)は、自律神経系の一つ。「闘争と逃走の神経などとも呼ばれるように、激しい活動を行っている時に活性化する。
出展:Wikipedia「交感神経系」
病院で検査を受ける時など、どうしても緊張してドキドキしてしまうという方は、一度気持ちをゆっくりと落ち着かせるために、深呼吸をすると良いでしょう。
深呼吸で血圧が下がる効果がある
血圧検査の前に深呼吸をすると、血圧が下がる効果を得られます。これは気休めではなく、欧米の医学の教科書にも書かれていることです。
ストレスや緊張状態では呼吸が浅く小さくなります。しかし、深呼吸をすることでしぼんでしまった細い気管支や肺胞を、思いっきり広げることができるのです。そうすると、反射的に血圧が下がります。
「深呼吸」で得られる効果
- 緊張感の軽減効果。
- 気管支や肺胞を広げる。
- 心拍数を下げる。
しぼんでしまった細い気管支や肺胞を広げるためには、息を大きく吸う必要があります。そして、炭酸ガスを追い出すために吐く息が大切です。
しっかりと大きく息を吐くと、脈が少しゆっくりしてきます。息を吐く時に脈が遅くなることが、血圧が下がることに直結しているのです。
緊張を解す「深呼吸」の効果
長時間、机に向かって仕事をしたりしていると、呼吸が浅く小さくなります。これは緊張状態が続くことで、炭酸ガスが体内に溜まり、血液がやや酸性に傾いている状態です。

気が付かないことも多いが、長時間のデスクワークは心身に高い負荷を与える。
血液は正常ではphが弱アルカリ性です。緊張状態で呼吸が浅くなると、血液がだんだん酸性に傾いてきます。そのため、正常なアルカリ性に戻すには、深呼吸するのが一番手っ取り早い方法なんです。
よく、アルカリ食品を食べるといいなどと言われますが、深呼吸はもっとも早く血液の状態を弱アルカリ性に戻すことができます。
呼吸法を取り入れた健康法に、ヨガや太極拳があります。これらはすべて、「吐く息」を大きくすることで、血液を正常の弱アルカリ性にして、脈を落ちつかせ、血圧を安定させる作用があるのです。
仕事や運転などでストレスを感じた時など、深呼吸をうまく取り入れ、血圧を低く保つ習慣を身につけると良いでしょう。
大事な会議の前や、病院での検査前などに、大きく深呼吸を10回ほどしてから臨むようにします。
また、気持ちがイライラして情緒不安定になった時なども、意識して深呼吸をすることで、血圧が上昇するのを防ぐことができます。
日常生活の中で呼吸を意識することは、血圧の安定にもつながる大切なことなのです。
血圧を下げる呼吸法についての詳細は、こちらの記事をご参考下さい。
緊張で血圧が上がりやすい人が気をつけること
緊張やストレスなどの精神状態は、血圧の変動に直接影響してきます。
そのため、緊張で血圧が上がりやすい「白衣高血圧」の人は、将来高血圧になる可能性がある予備軍でもあるのです。
ちょっとした心の動揺や、気温の変化などによって血圧が上昇すると、その度に血管へ圧力がかかることになります。
血管へのダメージが度重なると、血管の老化を早めることになり、動脈硬化を起こしやすくなります。動脈硬化は高血圧の最も大きな要因でもあります。
そのため、普段から緊張やストレスが多いという人は、血管の老化を進行させないよう血管ケアを心がける必要があるのです。
血管ケアは、適度な運動習慣と日々の食生活が大切です。血管や血液の状態は、私たちが毎日食べている物によって変化します。それは、普段の食事によって血管の老化を早めることも遅らせることもできるということです。
緊張などで血圧が変動しやすい人は、血管を若返らせる効果のある食べ物を、積極的に毎日の食事で摂り入れるようにするといいでしょう。
血管に良い効果のある食べ物については、こちらの記事で紹介していますので参考にして下さい。
なるべく血圧の変動を大きくしないためにも、呼吸法や日々の食生活を見直すことで、将来起こるかもしれない高血圧や動脈硬化を予防することにつながるのです。