早朝の高血圧の症状と、睡眠不足は関係していた?
朝起きても何だか体がだるい、昨日の疲れが残っているといったことはありませんか?
これは睡眠が浅くなっている証拠です。夜しっかりと熟睡できていれば、寝ている間にその日の疲れを癒してくれるのです。
また、睡眠不足が続くことによって、高血圧につながることもあります。特に注意しなければいけないのが、“早朝の高血圧”です。
降圧薬を飲んでいても、朝方の血圧が高くなる場合、別の病の可能性もあるのです。
高血圧の原因は睡眠不足だった?

睡眠不足は高血圧の原因にもなる。
睡眠は血圧の変動に直接関係してきます。それは睡眠と自律神経とは深く関係しているためです。
日中は活動モードになるため、交感神経が活発になり、血圧も上がります。そして、夜になるとリラックスモードになって、副交感神経が優位に働くようになり、血圧も自然に下がるのです。
副交感神経が働くことで、脳内ではメラトニンというホルモン物質が作られ、体温を下げたり血圧を下げて深い睡眠へと導いてくれるのです。
- 日中は交感神経が働いて血圧は高くなる。
- 睡眠中は副交感神経が働いて、脳内でメラトニンが作られて血圧や体温が下がる。
睡眠中は、交感神経から副交感神経に切り替わることで、心身の緊張を解いたり、脳や体を休息させる働きがあるのです。しかし、睡眠不足が続いて十分な睡眠が得られないと、自律神経の切り替えがうまく働かなくなるのです。
そのため、朝目覚めても体の疲れが残っていたりして、ストレスや緊張が解消されないまま蓄積していくこととなるのです。
それだけではなく、就寝中に血圧が十分に下がらない状態となるため、早朝の血圧が高くなることもあります。
降圧薬を飲んでいても早朝の血圧が高くなるのは?

早朝の血圧が高いのは「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」の可能性も?
高血圧の治療で降圧薬を飲んでいる場合でも、早朝の血圧値が高くなる場合があります。
これは、昨夜の薬の効果が寝ている間に切れてしまうことが考えられます。
もし、薬の効果が持続されていないのであれば、薬の処方を見直してもらう必要があります。
しかし、そうではない場合には、別の病が原因で早朝の血圧が高くなっている可能性があります。
それは、「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」です。
睡眠中に、10秒以上の無呼吸状態が一晩に30回以上、もしくは1時間に5回以上あれば睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
一晩に無呼吸の状態が繰り返されることによって、深い睡眠が得られず、睡眠中に血管を修復するホルモンがうまく分泌されなくなります。そのため、血管への負担がかかり続けることになり、動脈硬化の進行や高血圧を引き起こすのです。
「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」についての詳しく説明は、こちらの記事で紹介していますので参考にして下さい。
- 薬の効果が寝ている間に切れてしまう。
- 睡眠障害で睡眠中の血圧が下がらなくなる。
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがある。
無呼吸は高血圧の原因となるだけではなく、脳卒中や心筋梗塞の発症リスクが2倍以上になると言われています。
もし、無呼吸の症状が疑われる場合には、早目に専門医の診断を受けることをお勧めします。
深い睡眠が血圧を下げてくれる

深い睡眠は心身の疲れを癒して血圧を安定させる。
十分に深い睡眠が得られると、自律神経がうまく働いて、寝ている間に日中の緊張や疲れを解いて、脳や体を休ませる作用があります。
そうすると、寝ている間は血圧も自然と下がり、朝の目覚めと共に、除々に血圧が上がって活動モードの準備に入るようになります。
そのため、疲労やストレスを軽減したり、高血圧を予防するためにも、十分な深い睡眠が必要となるのです。
また、慢性的な睡眠不足の状態は、メラトニンの分泌が正常に行われなくなり、血圧が不安定になる原因となります。
深い睡眠を得るためには、寝る前の1~2時間の過ごし方が大切になります。
就寝前の1~2時間にリラックスできる状態を作ることで、睡眠の質を良くすることができます。
ぬるめの湯船にゆったりつかったり、好きな読書や音楽を聴いて、なるべく気持ちがリラックスできるよう心がけます。
寝る前のパソコンやテレビなどの強い光を浴びたり、カフェインやアルコールは脳を覚醒させて眠りを浅くしてしまいます。
寝る前の1~2時間は、リラックスできる状態を作るようにする。
上質な睡眠は、血圧を安定させるだけではなく、心身の疲れを癒して、快適な目覚めをもたらしてくれることでしょう。