体重をコントロールするだけで血圧は下がる?!
高血圧の方は、全体的に肥満傾向の人が多いようです。高血圧と肥満には、密接な関係があります。では、どうして肥満だと高血圧になりやすいのでしょうか?
なぜ太りすぎると血圧が上がるのか?
肥満になった体を動かすためには、たくさんのエネルギーが必要となります。
その分、心臓はたくさんの血液を全身に送り出さなければならなくなります。そのため、肥満すればするほど、心拍出量は上がることになり、血圧も上昇してしまうのです。
また、肥満になる原因として、普段の食事から摂取するカロリーが高すぎるということもあります。
肥満の人の食事内容は、動物性脂肪の多い油っこいものや、甘いもの、アルコールなど、カロリーオーバーになりがちな食品を摂りすぎている傾向にあります。
動物性脂肪や糖質、アルコールの摂りすぎは高血圧の原因となります。それだけではなく、高脂血症や糖尿病にも繋がります。
特に注意しなければいけないのは、内臓周辺に脂肪がついた「内臓脂肪型肥満」です。内臓脂肪がつくと、糖質、脂質などを体内で利用するための代謝機能に異常が生じます。これによって高血糖、高血圧、脂質代謝異常などを引き起こして、動脈硬化を進行させてしまうのです。
さらに、高血圧の治療に降圧薬を飲んでいる場合、肥満が薬の効果を半減させてしまうこともあります。
高血圧の人の多くは、減塩とダイエットによって血圧が下がることが分かっています。高血圧に肥満を合併している場合は、減塩だけではなく、体脂肪を減らして標準体重に近づけることが最重要となります。

肥満が降圧剤の効果を半減させてしまう。高血圧を改善するためには、体脂肪を減らすことが重要。
では、どうしたら食べ過ぎを防いで体重をコントロールすることができるのでしょうか?
「腹八分目」の食事で血圧が安定
食べ過ぎになりがちな人に多いのが、お腹いっぱいになるまで食べるということです。摂取エネルギーが消費エネルギーより多いと、余ったエネルギーは体脂肪となり、肥満や高血圧の原因となります。
間食や満腹まで食べることが習慣になっている場合、我慢できる範囲まで食事の量を減らすことが大切です。少し物足りないと感じるくらいで食事を終えるように心がけてみましょう。
よく噛んで食べる
食べ過ぎてしまう原因として、よく噛んで食べていないという事もあります。肥満の人は早食いの人が多いようです。しっかりよく噛んで食べることで、消化もよくなり、満腹感にもつながります。
夕食は少なめに!
一日の食事の中でも、特に気をつけたいのが夕食です。
日中は活動する分、エネルギーも消費されますが、夕食で摂取したカロリーは消費されにくくなります。また、寝る前に脂質の多いものや食べ過ぎることで、胃への負担が大きくなります。そうなると、睡眠時に消化酵素がたくさん使われることになり、代謝酵素が不十分な状態になります。
酵素と血圧の相関関係については、以前の記事に詳しく説明しています。
夕食は就寝時間の3時間前までには終わらせるようにして、消化の良いものを食べ過ぎないよう、気をつけることが大切です。