玉ねぎの効果と、症状別おすすめの食べ方を紹介
玉ねぎは身近で手に入りやすい食材ですが、様々な健康効果があります。
よく耳にするのが「血液サラサラ効果」や「疲労回復効果」ですね。しかし、玉ねぎの薬効はこれだけではありません。
今回は、玉ねぎの優れた健康効果を症状別に詳しく紹介します。また、その効果が更にアップするおすすめの食べ方も合わせて紹介していますので、参考にして下さい。
目次
玉ねぎにはどんな効果が?
玉ねぎが持つ薬効については、古代エジプトの時代から知られていました。ピラミッドを建設する際の有名な話では、労働者の疲労回復のために毎日玉ねぎが支給されていたようです。
この疲労回復効果は、玉ねぎに含まれる「ビタミンB1」が源となっています。ビタミンB1には、糖質を分解してエネルギーに変える作用があります。また、筋肉や神経の働きを良くする効果もあり、疲労回復には欠かせない成分です。
- 糖質を分解してエネルギーに変える働きや、筋肉や神経の働きを良くする効果がある。
高血圧や高血糖、高コレステロールなどの生活習慣病は、血流の流れが悪くなることで起こります。
玉ねぎには、血液をサラサラにして血流を良くする優れた働きがあります。そのため、食生活や生活習慣の乱れから起こる生活習慣病の改善に効果的です。
中でも際立っているのが、「高血圧」と「高血糖」に対する効果です。
それぞれの症状に、玉ねぎがどのように作用して効果を発揮するのか?詳しく紹介していきます。
抗酸化力で血圧を下げる!
玉ねぎには体の抵抗力を高める「ビタミンC」が豊富に含まれています。また、「ケルセチン」という抗酸化成分も含んでいるため、活性酸素の害を抑えて、血栓予防や血管の老化を予防するのに効果的です。
玉ねぎの抗酸化力によって、血管の老化を予防する効果が、血圧を安定させることにつながります。
- 体の抵抗力を高める
- 活性酸素を抑えて、血栓や血管の老化を予防する。
「プロトカテキュ酸」という玉ねぎの色素には、カテキンの約2倍の強い抗酸化力を持ちます。そのため、高血圧などの生活習慣病の予防や改善に効果を発揮します。
プロトカテキュ酸は分子が小さいため、体内に吸収されやすいという利点もあります。毎日摂り入れるようにすると、その効果を早い段階で実感できそうです。
- 強い抗酸化力を持ち、高血圧などの生活習慣病の予防や改善に効果的。
- 分子が小さいため、体内に吸収されやすい。
玉ねぎの皮で抗酸化力アップ!
本来なら捨ててしまう玉ねぎの皮を、お茶にして飲むことで、皮の成分を手軽に摂取することができます。
【材料】
- 玉ねぎの皮 2〜3個分
- 水 500ml
【作り方】
- 玉ねぎの皮を水洗いした後、乾燥させてから保存する。
- 鍋に玉ねぎの皮と水500mlを入れて、強火にして沸騰したら中火にする。
- 3分ほど煮立ててから火を止め、汁をこす。
- これを1日2回、朝と晩に分けて飲む。
玉ねぎ以外の血圧降下作用のある食べ物について、こちらの記事で詳しく紹介していますので、参考にして下さい。
独特の香りで血糖値を下げる?!
玉ねぎには独特の香りがありますが、その香りの元となる成分には優れた健康効果があります。
香りの成分「硫化アリル」には、血糖値を下げたり血液の流れを良くする働きがあります。
- 血糖値を下げたり血液の流れを良くする働きがある。
玉ねぎの粕漬けで糖尿病予防
酒粕にはインスリンに似た働きをする成分が含まれます。また、タンパク質の分解吸収を促進する物質も含まれています。
そのため、血糖値の上昇を抑えて糖尿病予防に効果的です。
玉ねぎを酒粕に漬けることで、玉ねぎと酒粕の両方の効果を一緒に摂ることができるので、血糖値対策におすすめです。
【材料】
- 玉ねぎ 1個
- 酒粕 300g
- 砂糖 60g
- みりん 1/3カップ
- 塩 大さじ1
【作り方】
- 玉ねぎはあらかじめ熱湯で1〜2分茹でて、水にとって冷やしておく。
- ちぎった酒粕と、砂糖、みりん、塩をボールに入れて、レンジで少し温めてやわらかくする。
- すりこ木で酒粕をつぶし、ドロドロになるまでねり合せる。
- 粕床に玉ねぎを漬けて、1週間ほどで完成。
※一日に食べる適量は、玉ねぎ1/4個です。
サラサラ効果でコレステロールを下げる
玉ねぎにの香り成分「硫化アリル」には、血糖値を下げる他にも、血液中のコレステロールや中性脂肪を下げる効果があります。
硫化アリルは、体内で「アリシン」という物質に変化して、血管壁にコレステロールが沈着するのを防ぎます。そのため、動脈硬化を予防して生活習慣病予防にとても効果的です。
また、玉ねぎに豊富に含まれる「ケルセチン」の作用で、血栓をとかして血液が固まるのを防ぐ効果があります。そのため、玉ねぎはサラサラ効果にとても優れた食材です。
玉ねぎ納豆でサラサラ効果が倍増!
納豆もサラサラ効果の高い食材として知られています。それは、「ナットウキナーゼ」という酵素が血栓を溶かす働きを持つからです。
この納豆に玉ねぎを加えることで、ダブルパワーでサラサラ効果が期待できます。
【材料】
- 玉ねぎ 約1/4個
- 納豆 1パック
【作り方】
- 玉ねぎをみじん切りにして15分以上置く。
- 納豆に玉ねぎを混ぜて、好みのタレなどで味付けする。
※注意
心臓病の治療で、血液凝固剤ワーファリンを服用している場合には、納豆が薬の作用を妨げる場合があります。必ず医師や薬剤師さんに相談するようにして下さい。
玉ねぎの効果的な食べ方
玉ねぎに含まれる栄養成分は、加熱することで失われやすいものがあります。サラサラ効果や疲労回復効果を期待するなら、生で食べる方が効果的です。
また、スライスしてしばらく置いておくことで、有効成分が増加します。
- 玉ねぎは生で食べることで、疲労回復効果や血液サラサラ効果が期待できる。
- 薄くスライスして15分程置いておくと、有効成分が増える。
そこで、生のまま味噌に漬けるだけでできる「玉ねぎのみそ漬け」をおすすめします。
玉ねぎのみそ漬けで血管の老化予防
玉ねぎを生で食べるには抵抗がある場合にも、おすすめの食べ方です。
玉ねぎ同様に、味噌にも豊富な抗酸化作用があります。味噌の色素成分である「メラノイジン」には、ガンや老化予防に効果があります。
また、味噌の原料となる大豆は良質なタンパク質で、しなやかで丈夫な血管づくりに役立ちます。
【材料】
- 玉ねぎ 1個
- みそ 1カップ
- 酒 大さじ4
【作り方】
- 玉ねぎの上下を大きめに切り落として皮をむく。沸騰したお湯に入れて1〜2分湯で、水にとって冷やす。
- ボールに味噌と酒を入れてよくねる。(好みでみりんを加えてもよい)
- 水けを切った玉ねぎを味噌床に漬け、冷蔵庫で保存する。
- 1週間ほど漬ければ完成。
※1日に食べる適量は、玉ねぎ1/4個ほどです。
※冷蔵庫で保存して、1週間ほどで食べきるようにします。
そのままで食べてもいいですし、豆腐やサラダにトッピングしたり、他の食材と組み合わるのもいいでしょう。
焼き玉ねぎで動脈硬化を予防
玉ねぎは加熱することで、生では得られない薬効が期待できます。
例えば、独特の辛味成分「硫化アリル」は、加熱することで「メルカプタン」という旨味成分に変化します。そのため、甘みが出る上に、健胃作用も強化されます。
また、玉ねぎを炒めると茶褐色に変化しますが、これは「メラノイジン」という物質が生成されるためです。メラノイジンには抗酸化作用があるので、動脈硬化やガン予防に効果的です。
【材料】
- 玉ねぎ 1個
- 油 少々
【作り方】
- 玉ねぎの皮をむいて薄切りにして、15分以上置く。
- フライパンで玉ねぎを弱火から中火でじっくりと15分ほど炒める。
(焦げ付くようなら油を少々加える) - 玉ねぎが褐色になれば出来上がり。
参考書籍:「自分で治す健康大百科」
血管の老化予防におすすめのサプリ
仕事や家事に追われて食事を作れない時もあるでしょう。
外食やコンビニ弁当が続くと、栄養のバランスが心配になります。外食や食事が不規則になる時には、手軽に取れるサプリメントを活用するのも有効です。
玉ねぎは、血液サラサラ効果や疲労回復効果に優れた食材ですが、その効果をサプリで実感することもできます。
ただ、気をつけたいことが、健康のためにサプリを飲む場合、その成分と品質を見極める必要があります。
健康を謳ったサプリメントは数多くありますが、中には主成分よりも添加物が多く入っているものもあります。そのため、品質をしっかりと見極めなければ、逆効果となる心配もあります。
こちらの記事では、成分や品質を検証して、血管の老化予防に効果的なサプリを厳選して紹介しています。是非、サプリ選びの参考にしてみて下さい。
玉ねぎには、血圧や血糖値を下げる優れた作用があります。そのため、様々な生活習慣病予防に効果的な食材です。
是非、毎日の食事に玉ねぎを摂り入れて、健康なからだづくりを心がけて下さい。